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投資家が今、準備すべきことーNYダウ急落と北朝鮮情勢の先にあるものー

長嶋修さん_画像 第196話

5日のニューヨーク市場ではダウ平均株価が一時、取引期間中としては史上最大の1,500ドル以上も値を下げ、終値でも1,100ドル以上下落と、過去最大の下げ幅を記録しました。

「 米金利上昇懸念 」や「 VIX指数( 恐怖指数 )」が株価を押し下げたとされ、その後も荒い値動きが続いています。

私自身、投資家として30年近くマーケットをウォッチしてきましたが、これは非常にイヤな予感がします。前述した株価大幅下落の理由は、いかにもとってつけた「 後付け理論 」に過ぎません。

ファンダメンタルズ( 各種基礎的経済要因 )になんら懸念がないにもかかわらずこうした動きがあるということは、何らかのいわゆる「 ブラック・スワン 」が潜んでいる可能性を考慮しておく必要がありそうです。

■ 北朝鮮はブラックスワンの引き金となるか

ブラック・スワンとは、ナシーム・ニコラス・タレブが著書で説明した概念で、かんたんに言えば「 マーケット市場において、事前にほとんど予想できず、起きた時の 衝撃が大きい事象 」のことを指します。

容易に思い当たるのが「 北朝鮮情勢 」です。つまり例えば、冬季五輪開催期間中にテロが起きるなどで、あるいはそのようなことがなくとも、近いうちに米国が北朝鮮を攻撃する、といったシナリオの実現です。

北朝鮮がこれまで一歩も引く態度を見せない中、北朝鮮は米国本土に届くICBM( 大陸間弾道ミサイル )を数カ月のうちに完成させる可能性があると読んでいるわけですから、恐慌シナリオとしては米による先制攻撃の選択肢があり得ます。

米国が北朝鮮の核保有を認める可能性も言われますが、私はその可能性は低いと考えます。ここで北朝鮮の核保有を認めたら、アジアや中東に核が拡散していく恐れがあるため。そうした事態は、米国は絶対に避けたいのではないでしょうか。

さて、米国が北朝鮮に先制攻撃を行った場合、戦力の差は明らかですから、おそらく数日のうちに事態は収束するでしょう。北朝鮮の主要な軍事施設をミサイルで破壊する案が有力で、その後の地上戦は、おそらくそれを好まない米国に代わって中国が担うのかもしれません。

国家主席は、ロシアなどに亡命するか、殺害されるか( あるいは殺害されたことにする )などでいずれにしても現体制は崩壊、すでに殺害された金正男氏の息子・ハンソル氏を暫定的に国家主席に据え、その後は南北統一に向かう流れが有力だとみています。

さて、このようなことが起きた場合にはどうなるか。隣国で有事が起きているにもかかわらず「 有事の円 」は買われ大幅な円高、株価は下落ということになりそうです。金利も多少上に振れるかもしれません。

悪いシナリオは、北朝鮮が暴発して韓国にミサイルを撃ち込む、ICBMが早く完成し、米国本土に向けて発射するなど。こうなるとパニックはより大きくなりますし、世界的な金利上昇は避けられませんが、いずれにしても事態は長期化することなくやがて収束するのではないでしょうか。

というわけで、このシナリオのケースでは、いずれにしても短期的な混乱を伴うものの破たん的な影響は日本には起こらない、とみます。

それでは、これ以外のシナリオが何かあるかといえば、ちょっと思いつきません。いずれにしてもブラック・スワンですからね。

■投資家は複数のシナリオを想定しておくべき

さてこうした短期的な話の先には、何があるでしょうか。私の想定シナリオはいくつかありますが、最も有力なのは「 世界的なバブルとその破綻、そして再興が起きる 」というものです。

過去を振り返れば約10年前にはリーマン・ショック、20年前にはアジア通貨危機、30年前にはブラック・マンデーと、10年スパンで経済的な危機が訪れています。それに従えば、ここ数年のうちに何か起きても不思議ではありません。

ただし現時点では、日米欧の株価も不動産価格もリーマン・ショック以降ずいぶんと回復したものの、まだバブルといえる水準にあるとは言えません。

ここについては拙著「 不動産格差 」( 日本経済新聞社 )などにも書きました。詳細説明は省きますが、バブルだと騒いでいるのは一部のメディアだけで、指標的にはそうした状況はまったく嗅ぎ取れません。

バブルが崩壊するには、まずバブルが起きなければなりません。そこで、北朝鮮懸念がなくなった各国のマーケットには安心感が広がり、勢いをつけて上昇する流れがあり、そうなるとその影響を不動産市場も受ける、しかし宴は長くは続かずやがて崩壊する、といったシナリオの浮上です。

ただし今回、金融経済崩壊が起きた場合、その規模はどの程度でしょうか。ここが非常に問題で、いうまでもなく目いっぱいの金融緩和を続けてきた日米欧のマネーは、いまだ引き揚げられることなく市場にだぶついています。

これが暴発するとなると、過去最大のショックとなるかもしれません。そうなると最悪の場合は「 国家デフォルト 」でしょう。国家デフォルトが起きるからといって国が消えてなくなってしまうわけではありませんが、これはこれで様々なことが起こります。加えて新しい枠組みが作られるでしょう。

全ては頭の体操と言ってしまえばそれまでですが、投資家は常に複数のシナリオを想定しておくべきです。例えば国家デフォルトが起きた場合に自分の資産や生活はどうなるか、歴史を研究するなどしておくのは有用かもしれません。

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プロフィール

■ 長嶋 修さん

長嶋 修さん

不動産コンサルタント
さくら事務所 会長

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不動産デベロッパーで支店長として幅広く不動産売買業務全般を経験後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、不動産の達人 株式会社さくら事務所を設立、現会長。

以降、様々な活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築く。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任。

2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。

また、TV等メディア出演 、講演、出版・執筆活動等でも活躍中。

現在、「東洋経済オンライン」、「Forbes JAPAN WEB」等で連載コラムを執筆中。業界・政策提言や社会問題全般にも言及。

主な著書に、『空き家が蝕む日本』(ポプラ社)、『不動産格差』(日本経済新聞社)、『5年後に笑う不動産』(ビジネス社)等。

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