伏見工業高校跡地等の再開発における
優先交渉事業者が決定
2022年11月に国が進める「脱炭素先行地域」に選定され、京都の文化・暮らしの脱炭素化で地域力を高める「ゼロカーボン古都モデル」の創出に取り組んでいる京都市。
その取り組みの一つとして、2024年3月末に閉校となる京都市伏見区の伏見工業高等学校跡地と、隣接する元南部配水管理課用地を活用し、脱炭素仕様の住宅街区開発を予定している。
京都市はその優先交渉事業者を選定するにあたり、2023年6月より公募型プロポーザル方式で審議してきた。そして2023年10月上旬、阪急阪神不動産株式会社を代表事業者とし、京阪電鉄不動産株式会社と積水ハウス株式会社を構成員とする優先交渉事業者が選定された。
1,600人規模の脱炭素仕様の
大規模住宅街区を開発へ
住宅街区の計画地は、京阪「伏見稲荷」駅より徒歩約6分の場所。伏見工業高校跡地と元南部配水管理課用地を合わせた40,379.09㎡の敷地面積を利用し、脱炭素仕様の住宅街区を創出する。
計画概要は、学生・シングルからファミリーまで全549世帯、1,600人規模となる多世代共生型の大規模住宅街区を開発予定だ。
脱炭素仕様については、エネルギー収支がゼロとなるZEH(ゼッチ)仕様導入などによる住宅の省エネ化と、太陽光発電設備の最大導入、EV活用を含めた蓄電池の導入、昼間の余剰電力を街区内に夜間の再エネ証書付き電力として再販するエネルギーマネジメントにより、自家消費・地産地消型の次世代脱炭素街区を生み出す。
また、敷地内には防災拠点機能を備えた開発公園や、商業施設・コワーキングスペース・地域交流スペース・学生・社会人寮などが入居した地域貢献施設も設置。さらに、屋内外には広場や菜園といった様々なコミュニティスペースも配置することで、地域住民や企業などが共創できる場を創出し、賑わいと交流の活性化を目指す。
「スクール☆ウォーズ」のモデル校の
跡地としても注目を集める
伏見区は、京都市内で人口が最も多く、日本三大稲荷の一つに数えられる伏見稲荷大社があることでも有名だ。
また、1980年代に人気を博したテレビドラマ「スクール☆ウォーズ」のモデルにもなったラグビーの強豪校・伏見工業高校があることでも全国的に知られていたが、2024年3月末をもって閉校されることになった。
今回の再開発は、その伏見工業高校の跡地が舞台となる。京都市内では珍しい大規模な住宅街区開発であることはもちろん、「脱炭素」や「伏見工業高校」といった様々な角度からも注目を集めることだろう。
健美家編集部