※引用:寺田倉庫
交通利便性は高いが生活利便性の向上が待たれるエリア
東京都内に本社を置いて倉庫業等を営む寺田倉庫は、羽沢横浜国大駅前で新たな複合商業施設を2024年秋にオープンすると発表した。
羽沢横浜国大駅は神奈川県内の私鉄である相鉄線とJRの相鉄・JR直通線が通っている駅だ。
※引用:相模鉄道
相鉄・JR直通線は新宿から渋谷・大崎・武蔵小杉を経て羽沢横浜国大駅を通る路線で、羽沢横浜国大から先は海老名まで相鉄線の駅に停車する。
羽沢横浜国大からは渋谷・新宿といった東京都心へダイレクトアクセスが可能だ。渋谷までの所要時間は約30分で、新宿までは約40分。都内への通勤にはかなり便利になっている。
また、駅からは保土ヶ谷バイパスの羽沢インターチェンジが近いほか、駅の北側には横浜市の環状二号線が通っているので、周辺エリアは車でのアクセスも便利だ。
羽沢横浜国大駅の周辺は交通利便性が非常に高い一方で、駅の周辺は「何もない」と言える状態になっていた。
もともとは貨物駅だったこともあり、乗降客がいる前提の街づくりはされてこなかったのが実態だ。
駅から徒歩約15分の場所に、駅名にもなっている横浜国立大学があるが、それ以外では物流企業の拠点や倉庫が建ち並んでいるくらいで、あとは住宅街や畑などが広がっている。
今後街としての価値を上げていくために、生活利便性の向上が待たれるところだ。
駅周辺開発の詳細
今回新たな複合施設がオープンするのは、駅の北側に該当する環状2号線沿いのエリアだ。A~Dの敷地に分けて開発されており、複合施設が建つのは1番広いA-1敷地。
※引用:HAZAWA VALLEY
C敷地にはドラッグストアが既に建っている。周辺にはスーパーなどが全然無いこともあり、ドラッグストアと言えども野菜や生鮮食品なども置いてあるという。
また、建物の2階は皮膚科・小児科・内科などが入るクリニックモールになっており、総合病院と同じとはいかないが、一通りの医療を受けられるようになっている。
A-1敷地の複合施設は23階建てで、5階以上のフロアが住宅、4階以下のフロアには商業店舗や子育て支援施設などが入る予定だ。
※引用:HAZAWA VALLEY
C敷地のドラッグストアでも食料品を買えるが、もともとがドラッグストアなだけに、品揃えがそこまで豊富なわけではない。
複合施設の商業店舗としては、スーパー・レストラン・カフェや物販店舗などが入る予定だという。
なお、フロア構成の図のうち「大学活動支援施設」とされているのは、横浜国立大学に関連する施設になる。
既存のドラッグストアと併せて、周辺では唯一の商業施設となるため、周辺からは多くの人が集まってくるのではないだろうか。
複合施設の上層階に当たるマンションは「リビオタワー羽沢横浜国大」として販売されている。
売主である日鉄興和不動産のウェブサイトを見ると、販売個数357戸に対して2023年9月時点で6,600件のエントリーがあったと分かる。マンションの人気はかなり高いと言えるだろう。
生活利便性が整ってくれば、投資先としてもかなり有望なのではないだろうか。今後の羽沢横浜国大駅周辺はどうなっていくのか、要注目だ。
取材・文:
(はたそうへい)