市役所に隣接する約22haに新たな拠点を形成
下野市(しもつけし)は、関東平野の北部、栃木県の中南部に位置するまち。都心までは約85㎞圏にあり、首都圏の一端を構成している。北は宇都宮市、南は小山市、東は上三川町・真岡市、西は栃木市・壬生町に接しており、宇都宮市や小山市への通勤率が高い。
少子高齢化が進行しているが、近年の人口は約6万人で推移。出生数がより死亡数が上回る自然減が顕著な一方、転入数が転出数を上回る社会増により、人口を維持している。

「東の飛鳥」と呼ばれ、古代の仏教文化の中心地として栄えた歴史があり、まちのいたるところに史跡が点在。自治医科大学を中心とした最先端医療、JR宇都宮線や主要道路網に交通の利便性、かんぴょう生産日本一に代表される農業も盛んで、住みやすさや医療環境の充実から移住者にも注目されているまちだ。
そんな下野市は2025年11月に「自治医大駅周辺地区まちづくり基本構想」を策定。次代を見据えたまちづくりに取り組み始めた。
同構想によると、下野市では市役所、自治医大駅、自治医科大学等を含むエリアを、市の都市構造の中心となる「都市核」として位置づけ、行政機能や行動な医療環境を備えた、質の高い定住環境の形成を図ることとしている。
そのうえで、都市核のうち都市機能の維持・拡充が必要とされる自治医大駅の徒歩圏600mを自治医大駅周辺地区として設定し、地域住民、事業者、行政などが連携して進める重点的なまちづくりの指針として「自治医大駅周辺地区まちづくり基本構想」を策定した。
具体的には、下野市役所に隣接する約22haを同地区における新たな拠点形成を検討する地区として定めている。

画像出典:下野市
基本構想では、まちづくりの政策、ニーズ等を踏まえ、同地区におけるまちづくりの方向性とゾーニングのイメージも示している。

画像出典:下野市
まちづくりの方向性は以下の6点。
① 暮らし:生活に必要な機能に加えて、憩い・学び・交流の創出により、日々の暮らしが楽しく、豊かになる環境づくり
② 子育て:医療の充実、交流や活動の場の創出により、安心して楽しく子育てができ、子育て世代に選ばれる環境づくりを推進
③ 医療・福祉:医療・福祉施設の集積やサービスの充実を図り、健康で生き生きと暮らせるまちづくりを推進
④ 学び:生涯学習機能を導入するなど、主体的な学びを支援するとともに、学びを通じた人づくり、地域づくりを推進
⑤ 多世代交流:子どもからシニアまでさまざまな世代が集い、交流や活動のできる空間の整備や、機会の創出に取り組む
⑥ 防災・減災:避難場所として機能する広場等を確保し、市役所のもつ防災機能と連携することで、安全で安心なまちづくりを推進
ゾーニングに関しては4点を掲げる。
① 重点まちづくりゾーン:人々がアクセスしやすく、利用しやすい場所であることから、都市機能の集積等を積極的に進める
② 関連まちづくりゾーン:既に一定数の住宅や店舗等が立地しているため、住環境を維持しつつ、重点まちづくりゾーンにおける整備と連携したまちづくりを進める
③ 環境調和ゾーン:検討地区の南側は水田等の農地が続いていることから、重点まちづくりゾーンとの調和を図る
④ 都市機能維持向上ゾーン:医療施設や商業・業務施設、教育施設が立地するなど、既に都市機能が集積していることから、バリアフリー化や公共交通網の充実など、暮らしやすさの維持・向上を図る
新たな拠点を整備し多世代が集まるまちを整備
上記の方向性やゾーニングを踏まえたまちづくりの方針としては「都市核にふさわしい計画的な土地利用の推進」「暮らしを支える都市機能の導入」「交流機会の創出による地域コミュニティの強化」「自然環境に配慮した都市環境の形成」を掲げる。
加えて、田園風景等の周辺環境と調和し、市民や来街者、子どもからシニアまで多様な人が学び、遊び、交流することで、日々の暮らしが楽しく、豊かになるような多世代交流拠点も形成。
重点まちづくりゾーンに図書館などの生涯学習機能や交流機能を持つ「公共公益機能」や、商業機能や医療・福祉などの業務機能、子育て支援機能などを持つ「生活サービス機能」を新たに配置し、都市核の目指す魅力ある拠点、人が集まるにぎわい創出の場の形成を目指す。
今後は地域住民との勉強会や事業者との意見交換などを実施しながら、まちづくりを実現するための土地利用計画や事業手法等の検討を行い、基本構想を具体化する「自治医大駅周辺地区まちづくり基本計画」を作成するという。
下野市は住みやすさのランキングで栃木県内1位を獲得するなど、人気のまち。特に医療・福祉・子育て支援の充実や、公園の多さ・都市機能のバランスのよさで高く評価されている。市の中心となるエリアが新たに整備されることで、さらに注目されるかもしれない。
健美家編集部(協力:(おしょうだにしげはる))







