埼玉県所沢市にある小手指駅は、西武池袋線の途中駅であり、広大な小手指車両基地があることから、ある程度の始発電車が設定されている駅でもある。
小手指駅の利便性とこれまでの位置づけは
西武池袋線とは、正式には池袋駅~埼玉県の山中にある吾野駅間を指すのだが、実態としては池袋駅~飯能駅間の運用であり、特急を除くと大半の電車が池袋~小手指~飯能間を往復していることになる。
小手指駅の上り電車時刻表を見ると、朝7時台は11本(うち始発は5本)8時台は12本(うち始発は6本)であり、東京メトロ有楽町線や副都心線、副都心線経由で東急東横線と相互直通運転をしているので、小手指からは池袋以外に、新宿や渋谷・横浜などへも座って移動できることになる。

小手指といえば、最近お亡くなりになった経済評論家の森永卓郎氏が住んでいたことでも、有名だ。
森永氏は生前「始発だから、座って都心まで行けますからね。車中では読書したり、色々できます」と語っていた。
もともと、小手指駅は原野で何もない雰囲気であった。草原のような場所なので、広大な車両基地を設置する用地として選定された、ということもあるのだろう。
小手指の地名由来としては、日本武尊がこの地において、小手をかざして前方を指さした伝承による説が知られており、新田義貞軍と鎌倉幕府軍の戦いなど、鎌倉時代後期~室町時代初期の古戦場としての歴史もある。
駅開設後は始発駅として一定の需要があり、周辺人口や駅利用者数は漸増していることから、小手指はゆっくりと成長を続けている状況だ。
今までに進められてきた再開発
そして再開発も継続されている。駅前のツインタワーマンションを含めた再開発が完了したのは、東日本大震災後の2012年3月であり、小手指タワーズ・エバースカイタワーとディアスカイタワーの2棟構成となっている。

階数地上23階 地下1階で高さ88.75mという大きな2本のタワーが、駅北口には鎮座しており、ペデストリアンデッキでつながっている。タワーの階下には、スポーツクラブや飲食店などが入り、生活便利施設としてにぎわいを見せている。

駅前の商業施設としては他に、ヨークフーズ小手指店などがあり、現在は解体されたが西友小手指店も存在していた。
西友小手指店は1981年6月の開店で、建物は地上5階地下1階建。
開店当初の小手指店は設計段階からセゾンを代表するデザイナーたちが参画し、同社初の文化教室である「西友コミュニティカレッジ」、松竹との提携事業である「ドライブインシアター」、セゾングループの 不動産ディベロッパー「西武都市開発(後の西洋環境開発)」と共同で周辺開発を打ち出すなど、堤清二の卓越したセンスが生み出したセゾン文化による総合スーパーという、画期的な施設づくりをめざした。
1994年5月には隣接地において、都市型のショッピングセンター「西友小手指EPO(西友小手指店B館)」を開設、主に高所得の購買層へのグルメ・ファッション需要取り込みを図ったが、2010年11月にEPO運営から撤退するなどセゾン色が薄れた状況になり、最終的には西友小手指店は42年間の歴史で閉店、解体にいたったことになる。
現在進んでいる再開発に着目
そして、改めて西友跡地の再開発が進むことになり、現在は工事が進行中だ。

具体的には、タワーマンション(地上29階建て、総戸数659戸)が建設され、他に商業施設が敷地を分筆して造られることになる。

新しく造られる商業施設には、キーテナントとして西友が内定しており、他にもテナントが順次発表されていくことになる予定。

建物の延べ床面積は約2200坪で、鉄骨造3階建て。2026年秋のオープンが発表されている。
西友の再出店は、地域にとっても買い物利便性が増していくことから、心待ちの住民が多いと思われる。
実際に現地を取材して不動産目線で見てみる
小手指駅北口を歩いてみよう。駅前には、2本のタワーとペデストリアンデッキがあり、まっすぐにハナミズキ通りが北に延びている。

もともと、西友もこのハナミズキ通りに設置されていた。そして、改めて西友跡地に商業施設が新築され、西友も戻ってくることになる。
小手指駅周辺は小手指町という町名区域であり、特に1丁目は駅に近くて区画もゆったりしていることから、人気が高い。
小手指駅南口からは、早稲田大学所沢キャンパス方面へ行くバスもあり、学生が少なくない場所でもある。

小手指駅付近の地価は、駅徒歩15分圏内ではおおよそ坪単価70万円~120万円程度だが、駅に近い小手指町1丁目は売り物はほとんどない。中古戸建ても同様で、小手指町区域内だと4000万円台からといった雰囲気だ。
駅から多少離れた上新井や青葉台、小手指元町や小手指南は比較的リーズナブルな物件が散見される。
国道463号線沿いには、島忠ホームズを始めさまざまな店舗が並んでおり、日常で不便を感じることはない立地といえるだろう。
始発電車も多く、快速急行の設定もあることから、比較的売買・賃貸ともに需要があるので、小手指の状況変化を観察していくことで、さまざまな投資チャンスもありそうだ。
執筆:(ほったあつひろ)







