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リーマンショックから10年。どうなる?「かぼちゃの馬車」以降の不動産投資マーケット

長嶋修さん_画像 第203話

「 かぼちゃの馬車事件 」をはじめとする一連の事件を受け、投資用不動産の価格はやや下落の傾向を見せています。これは、一部金融機関が融資を引き締め始めているため。

中にはやや思考停止に陥り、不動産投資には一切融資しないといった金融機関も現れるなど、マヒ状態の金融機関もあります。が、これをもって不動産投資市場が冷え込むとか、バブルが崩壊するというようなことになるのかといえば、それはそんなことはありません。

私はあちこちで不動産投資関連の講演に招かれて登壇しますが、こうした中でも、不動産投資への意欲は一般に高く、むしろ一連の事件後のほうが来場者は多い傾向です。

考えてみれば、株価が冴えず、金利もほとんどない中で、不動産以外に投資するものというのはそうそう見つからないもの。

金利が低いならむしろ借り入れを行ってイールドギャップ( 投資利回りと長期金利の差 )を利用できる不動産投資は日本国内において相変わらず、相対的に魅力的な投資であることに変わりはないからです。

個人向けの貸家業への融資は、2012年12月の民主党から自民党への政権交代以降一貫して伸び続けてきましたが、やりすぎた、行き過ぎた部分が剥がれ落ちている局面であるというのがおそらく穏当な見方。

換言すれば、こうした一連の不祥事がこの段階で明るみになることで、バブル化やその崩壊の芽が早めに摘まれたと考えるのが妥当でしょう。


日本銀行HPより

ではこの後どうなるのか。

人口減少、少子化・高齢化はこれから本格化します。来夏には総務省の空き家調査の結果が公表され「 全国の空き家数は1,000万戸越え、空き家率は17%! 」といったニュースが世間をにぎわすでしょう。

とはいえ日本から全く人がいなくなるわけもありませんので、ただ不動産に対する選別の目が強まるだけです。平たく言えば日本では、誰でも不動産投資ができる世界は終わる、ということです。

短期・中期的に大事なのは「 金利動向 」。現政権が、あるいは日銀は思い切った低金利政策をとっていますが、これがいつまで続くのか。

いまのところ自民党からそれ以外の政党への政権交代の可能性はほとんどなく、自民党内で安倍政権から他の首相へと変わる可能性も低く、現在の方針が大きく変わるとは考えにくい情勢です。

2020年のオリンピック後に建設ラッシュが終わるとか景気が落ち込むといった、一部メディアで煽るような論調も見られますが、そうした話たいていの場合情緒的でさしたる根拠もなく、現実はもう少し落ち着いたものです。

不動産市場がやや過熱しているのは事実ですが、その度合いも世界的に見ればかわいいものであり、特段バブル化している兆候も確認できません。

ただし、世の中はわからないものです。事前に予測できない「 ブラックスワン 」はどこに潜んでいるかわかりません。

大規模な震災が起きて日本経済が機能不全に陥るかもしれませんし、予測できなかった何かを契機として世界的な経済クラッシュが起きるかもしれません。こうしたことで仮に金利が急上昇でもすれば不動産市場には大打撃でしょう。

簡単にいうと、日本経済は代々10年おきに経済的なクラッシュを繰り返してきました。前回のリーマンショックは2008年でしたからそこから10年目の2018年がまさに今年です。

世界を俯瞰すれば今のところ何か懸念する状況は見当たらないものの、そうした不測の事態はいつ訪れてもおかしくはないのだという前提で、それなりの備えをしておく必要はあるでしょう。

とはいえそれは何か特別なことではなく「 金利を固定に切り替える 」「 より競争力の高い立地や企画にしておく 」といった当たり前のこと。

日ごろから研鑽を怠らない健美家コラム読者であれば、そんなに慌てたり心配する必要もなく、当たり前のことを当たり前に、できることを日々淡々とやっていく、といった姿勢でいいのではないかと思います。

そうした備えができている投資家は、経済的なクラッシュ場面すら、むしろチャンスに変えることができるでしょう。

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プロフィール

■ 長嶋 修さん

長嶋 修さん

不動産コンサルタント
さくら事務所 会長

長嶋修さんのブログ

不動産デベロッパーで支店長として幅広く不動産売買業務全般を経験後、1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である、不動産の達人 株式会社さくら事務所を設立、現会長。

以降、様々な活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築く。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任。

2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。

また、TV等メディア出演 、講演、出版・執筆活動等でも活躍中。

現在、「東洋経済オンライン」、「Forbes JAPAN WEB」等で連載コラムを執筆中。業界・政策提言や社会問題全般にも言及。

主な著書に、『空き家が蝕む日本』(ポプラ社)、『不動産格差』(日本経済新聞社)、『5年後に笑う不動産』(ビジネス社)等。

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