• 完全無料の健美家の売却査定で、できるだけ速く・高く売却

×

  • 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集

2031年、『奈良県西和医療センター』がJR「法隆寺」駅南側へ移転か?

都市計画・再開発(地域情報)/神戸・京都/関西 ニュース

2024/04/28 配信

『西和医療センター』の移転先は、JR「法隆寺」駅の南側に(出典:photoAC)
『西和医療センター』の移転先は、JR「法隆寺」駅の南側に(出典:photoAC)

『奈良県西和医療センター』とは

移転後に誕生する『新西和医療センター』は、患者・職員・地域社会すべての関係者が満足する基幹病院を目指すようだ(出典:奈良県)
移転後に誕生する新『西和医療センター』は、患者・職員・地域社会すべての関係者が満足する基幹病院を目指すようだ(出典:奈良県)

近鉄・JR「王寺」駅から北東へ約1km、徒歩15分程度の位置にある、奈良県三郷町の『奈良県西和医療センター』の移転協議が進められている。移転先は、JR「法隆寺」駅南側約5haの耕作地で、2031年の開院を目指すという。

現在同院が位置するのは、奈良県生駒郡(平群町、三郷町、斑鳩町、安堵町)と北葛城郡(上牧町、王寺町、河合町)の計7町から成る西和地域。1993年に日本初の世界遺産として登録された、「法隆寺地域の仏教建造物」に含まれる法隆寺・法起寺を有し、奈良県内でも特に大阪府へのアクセスが良いことから、観光地やベッドタウンとして発展を続けてきた。

そんな県の要衝で、比較的重度・重症の救急患者を対象に、受け入れや手術などを行う基幹病院として1979年に開院されたのが、西和医療センターの前身にあたる『県立三室病院』だ。

今は28の診療科を持つ『西和医療センター』と改名され、2022年度には外来患者数のべ約15.5万人を記録。これまで40年以上にわたって、西和地域を医療面から支えてきた。

この病院は荒井正吾前知事が任期を務める2022年から、老朽化による移転・再整備が議論されており、同年9月には奈良県西和地域の7町が総意として、王寺駅南側に移転を求める要望書を県に提出していた。

しかし、2023年5月に就任した山下真知事は、浸水リスクの高さや線路などの移設が必要となることから、移転場所の再検討を表明。同年7月に西和地域の7町長を招集し、意見交換会を実施した。

移転先はJR「法隆寺」駅南側に決定

西和地域の各町長と山下真知事らが出席した2023年7月の意見交換会では、王寺駅南側を候補地として協議が進められてきた経緯などを町長らが説明。結果、知事は王寺駅南側を含めた複数の候補地で移転を検討していきたいとの意向を示し、同月末までに他の候補地の提案を各町長に要求した。

移転候補地は、各自治体から募った5町9候補地をアクセス性、敷地条件、整備スケジュールや整備費用などの観点から、それぞれ1項目5点、計24項目120点満点で採点。運営を担当する県立病院機構や、外部有識者の意見も取り入れながら、客観的・定量的な評価を指針に検討された。

結果は、「電車や車でのアクセスの良さ」「用地取得の見込みがあること」「土地費用が抑えられること」などが評価され、法隆寺駅南側が89点で1位になり、移転候補地として定められた。

移転候補地として決定したJR「法隆寺」駅南側は、現在耕作地として利用されている(参考:Google Map)
移転候補地として決定したJR「法隆寺」駅南側は、現在耕作地として利用されている(参考:Google Map)

新たな移転候補地は、JR「法隆寺」駅と公共文化施設「いかるがホール」の間にある農地約5ha。奈良県立病院機構の担当者はこの土地について、「病院周辺の道路幅員が広いため、救急車のアクセスを確保できるとともに、ドクターヘリ・防災ヘリの発着施設の設置が可能」と高く評価した。

開院はこれまで通り2031年を予定

2024年2月に行われた「新西和医療センター整備推進に関する協定」締結式の様子(出典:奈良県)
2024年2月に行われた「新西和医療センター整備推進に関する協定」締結式の様子(出典:奈良県)

移転候補地の変更後も、山下真知事は「王寺駅南側で予定していた令和13年度中の開院は必ず実現したい」と表明。2024年2月には県立病院機構の上田裕一理事長と、開発候補地を有する斑鳩町の中西和夫市長とともに、整備推進に関する協定を結んだ。

この計画は適地検討の際、外部有識者である千葉大学名誉教授の中山茂樹氏が、「多方面から比較項目が設定されており、病院の適地を検討するうえで必要な事項はほぼすべて網羅されていると思います。適地検討の段階でここまで詳細に比較項目を設定している例は稀です」と称賛するほど、慎重を期して行われている。

高齢化による病院需要が高まるなか、地域住民の安心を支える重要拠点の動向から今後も目が離せない。

健美家編集部

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

アクセスランキング

  • 今日
  • 週間
  • 月間

不動産投資ニュースのライターさんを募集します。詳しくはこちら


ニュースリリースについて

編集部宛てのニュースリリースは、以下のメールアドレスで受け付けています。
press@kenbiya.com
※ 送付いただいたニュースリリースに関しては、取材や掲載を保証するものではございません。あらかじめご了承ください。

最新の不動産投資ニュース

ページの
トップへ