※引用:イズミ
かつては九州の炭鉱都市として発展してきた飯塚市
広島県に本社を置き、中国地方・九州・四国で商業施設を展開している株式会社イズミは、福岡県の飯塚市で「ゆめタウン飯塚」を7月29日にオープンした。
飯塚市は、博多や中州など福岡県の都心から見て東・北九州市から見て南に位置している。かつては筑豊炭田(ちくほうたんでん)の中心都市として発展してきた街だ。
※引用:飯塚観光協会
福岡市や北九州市との間には山があり、飯塚市はいわゆる盆地の中にある。市を囲む山地・緑地の中にはゴルフ場も多い。
飯塚駅から博多駅までの距離は電車で約40分、北九州市の中心地である小倉駅までは電車で約60分だ。
小倉までは少し距離があるものの、少なくとも福岡市内は通勤圏内であると言えるだろう。
なお、飯塚市は土産物として有名な銘菓の「ひよこ饅頭」発祥の地でもあり、市内を通っている長崎街道「シュガーロード」は日本遺産に認定されている。
街道に「シュガーロード」という別名がついているのは、九州における砂糖の伝来に貢献したため。
そのほか、市内には近畿大学・近畿短大・九州工業大学のキャンパスがあり、飯塚市のホームページによると、3つのキャンパスを合わせた学生数は4,000人以上。教職員の数も400人以上にのぼる。
飯塚市は九州や中国地方などから学生を集めるポテンシャルを持っていると言えるだろう。
飯塚市の人口統計を見ると、直近の総人口は125,268人で総世帯数は63,732世帯となっている。国勢調査の結果を見ると、1995年をピークとして人口は減少を続けているが、世帯数は増えている状況だ。
1つ懸念点を挙げるとすれば、炭鉱都市であった名残なのか、飯塚市には高齢者が多い点だろうか。
2020年の国勢調査結果を見ると、飯塚市の20代人口は11,835人であるのに対して70代人口は17,047人となっている。
店舗面積3万㎡超えの大規模商業施設
ゆめタウン飯塚がオープンしたのはJR筑豊本線の飯塚駅から徒歩約10分の場所で、飯塚市の地方卸売市場跡地だ。
※引用:飯塚観光協会
市内を通る国道バイパスからも近い位置にあり、電車・車どちらでもアクセス良好な立地と言える。
イズミによると、当該施設は国道バイパスに近接しており、筑豊エリアを含めた広域からの集客も見込まれるとのこと。
飯塚市と同じく炭鉱都市として発展した東の田川市や、北の直方市(のおがたし)なども集客エリアとして見込んでいるということだろう。
施設の規模は、敷地面積約55,200㎡・延床面積約88,500㎡で店舗面積は約30,500㎡、地上3階建てだ。店舗面積が30,000㎡を超える商業施設は、日本全国で見てもかなり大きい方に分類される。
従業員数も約1,500名ということで、地元での雇用喚起にも期待がかかるところだ。
テナントとしては地元の銘菓を扱う「ひよ子」など菓子店のほか、飲食店やアパレル店舗に加えてシネコンなど、全91店舗が発表されている。
※引用:イズミ
今後さらに9店舗の専門店が入るということで、新たなテナントの発表が待たれるところだ。
Googleの口コミを見ると、オープン当初ということもあって、平日の日中でもかなりの盛況だったことが伺える。今後も市内の賑わい創出に貢献することを期待したいところだ。
取材・文:
(はたそうへい)