※引用:三菱地所
日産自動車 追浜工場の従業員数は約3,700人
神奈川県横須賀市の追浜(おっぱま)駅前で市街地再開発の計画が進んでいる。
追浜駅は京浜急行電鉄の停車駅で、特急も停車する駅だ。横浜からの所要時間は23分となっている。
駅の西側は住宅街で、坂を上っていった先の湘南鷹取(しょうなんたかとり)というエリアは、以前まで神奈川県下でも指折りの高級住宅街として有名だった。
ただ、湘南鷹取は直近10年間で地価の落ち込みが激しく、例えば神奈川県南部にある大船や藤沢などと比較すると印象が薄くなってきてしまっている。
一方で駅の東側は海に近いエリアだけあって、複数の工場や製造所などが建っているが、いずれも大企業のものばかりだ。
代表的なのは日産自動車の追浜工場で、他にも総合研究所や工機工場などがある。日産のホームページによると、追浜工場の操業開始は1961年となっており、その生産能力は年間約24万台、従業員数は2022年9月1日時点で約3,700人だ。
工場見学も受け付けており、時期によってはイベントも開催されている。
日産以外にも、追浜では住友重機械工業が製造所と研究所を設けているほか、コンビニ向けのお弁当などを製造する戸田フーズが工場を操業している。
もう1つ、目を引くのは関東学院大学の横浜・金沢八景キャンパスだ。このキャンパスは追浜駅と金沢八景駅とのちょうど中間の位置にあり、循環バスが金沢八景駅から出ているため、電車を利用する学生は金沢八景からバスを利用していると考えられる。
※引用:関東学院大学
しかし、大学のホームページを見ると、横浜・金沢八景キャンパスには7,000人以上の学生(2023年時点)が通っているため、追浜周辺に住んでいる学生も少なくはないだろう。
ゲタ履きマンションの下層部が店舗や図書館などに
追浜駅前で再開発の計画が進んでいるのは、駅の目の前にある約0.8ヘクタールのエリア。
※引用:横須賀市
建物はA棟とB棟の2つに分けて建設され、A棟は地下1階・地上24階建てで、1階~3階が店舗、5階以上がマンションとなる。
B棟は地下1階・地上27階建てで、1階~2階が店舗及び公共駐輪場、3階が図書館、5階以上がマンションとなる。
駅前の目抜き通りである横須賀街道と夏島貝塚通りの交差点に当たる場所なので、20階以上の建物が2つできるインパクトは大きいだろう。
なお、再開発の事業計画書には、駅と再開発建物を連結するペデストリアンデッキを整備すると記載されているため、再開発建物は駅直結の建物となることがわかる。
再開発の参加組合員としては三菱地所レジデンスが選出されており、建物の建設工事着工は2025年5月の予定。建物の竣工予定は2028年3月だ。
同じ神奈川県南部の中でも近年都市開発の進む大船や藤沢をはじめ、湘南エリアと比較すると存在感の薄い追浜だが、再開発によって存在感を取り戻せるか、今後に要注目だ。
取材・文:
(はたそうへい)