※引用:海老名市
春に土地区画整理組合の成立を目指す
神奈川県の海老名市にある厚木駅の周辺で、土地区画整理事業が進んでいる。
厚木駅は小田急小田原線とJR相模線が通っている駅で、小田急線の始発駅である新宿からの所要時間は1時間弱。
相模線は神奈川県の茅ヶ崎から北の橋本までをつなぐ路線だ。橋本から厚木までの所要時間は30分~40分前後となっている。
近年都市開発が盛んな海老名と、賑わいのある本厚木に挟まれた場所に厚木駅は位置している。
しかし、2024年初頭の時点で、厚木駅の周辺は開けた街というわけではなく、ローカル感が強い印象だ。
ちなみに、厚木駅なのだから、厚木市じゃないのかと思う人もいるかもしれない。
しかし、厚木市と海老名市の市境は、厚木駅の西に流れている相模川だ。川の西にある本厚木駅は厚木市だが、川の東にある厚木駅は海老名市の中に含まれている。
土地区画整理事業の対象地は厚木駅から徒歩5~6分程度の場所だ。2024年時点では空き地になっている。
※引用:海老名市
今回取り上げる「中新田 丸田地区(なかしんでん まるたちく)」は「市役所周辺地区」の一部。市役所周辺地区は都市計画で市街化区域へ編入されることになっている。
市街化区域編入への動きが出たきっかけは、海老名市の人口が増加したことだ。2013年以降10年間の推移を見ると、海老名市の人口は増加し続けている。
※参照:海老名市
海老名市のウェブサイトには「増加する人口の受け皿として市街化区域を拡大し、計画的な市街化を図る必要がある」と記載されている。
増加した人口の住居と生活利便施設の整備などが、土地区画整理事業の主な狙いと考えられる。
事業の進捗としては、業務代行予定者および事業協力者として鹿島建設が選出されたほか、進出企業として相鉄アーバンクリエイツ・相鉄不動産・小田急不動産が選出されている。
対象区域内における土地の用途も概ね決まっており、住宅・公園・商業施設などが作られる見込みだ。
今後のスケジュールとしては、2024年4月には正式に土地区画整理組合が設立され、6月以降に地盤改良やインフラ整備の工事などが始まる予定。
今後もさらなる都市開発を期待できるか
中新田丸田地区は、海老名市がまちづくりの指針として作成した「海老名市 都市マスタープラン」の中で、土地区画整理事業等による新市街地形成の対象地となっている。
市街地形成の対象となった理由は、海老名市内において市街化区域の都市的土地利用率が9割に達しているということだ。
つまり、都市計画上は新たに開発できる用地がほとんどなかったということになる。
そのほか、海老名市 都市マスタープランには、どのようなことが書かれているのだろうか。
特に厚木駅の周辺エリアに関する項目としては「土地の高度利用」と「交通結節機能の強化」ということが書かれている。
特に路線バスなど公共交通の利便性向上について要望する市民は多くなっており、市は要望に応えていきたいと考えているようだ。
2023年には厚木駅南口の再開発と合わせて駅前広場が完成しており、駅の利便性は向上している。今後、路線バスの整備などが進む可能性もあるのではないだろうか。
これまで、厚木駅の周辺は「都心に挟まれた街」という印象だったが、今後は街のイメージも変わっていくことを期待したい。
取材・文:
(はたそうへい)