2014年から街づくり懇談会を実施
東京都の杉並区と世田谷区にまたがる私鉄駅、下高井戸駅の駅前について、今年から街づくり懇談会が実施されるなど街づくりに向けた協議が進んでいる。
下高井戸駅は西東京の私鉄である京王線の停車駅で、始発駅の新宿から4駅目に該当する。
各駅停車と快速電車の停車駅で、世田谷区のローカル線だが東急世田谷線の始発駅にもなっている。
下高井戸駅から徒歩10分の位置には日本大学文理学部のキャンパスがあり、下高井戸駅の隣には明大前駅がある。
そして、明大前駅の近くには、明治大学文系学部の1年生・2年生が中心となって通う和泉キャンパスがある。このため、下高井戸駅の周辺にはとにかく学生が多い。
明大前駅は京王線と京王井の頭線の乗換駅なので、こちらも人は多いが、日中の下高井戸駅周辺は明大前駅に引けを取らないくらい多くの人が行き交っている印象だ。
街づくりに向けた協議が始まったきっかけの1つは、下高井戸駅が京王電鉄の進める高架化の対象になったことだ。
京王電鉄は代田橋駅の東から仙川駅の東にかけて連続立体交差事業を進めており、下高井戸駅もその範囲に入っている。
京王電鉄は範囲内の駅を高架化するべく調整と工事を進めており、高架化そのものが街づくりに直結するわけではないが、きっかけにはなるということだ。
そのほか、下高井戸駅周辺エリアの課題としては、主に以下のポイントが挙げられている。
- 子育て世代や高齢者などの増加
- 交流の場が少ないこと
- 駅を挟んだ南北の移動がしづらい
- 災害時の避難等に不安がある
※引用:杉並区
そして、街づくり協議会によって作成された「しもたかブック」には「駅周辺に欲しい施設」として以下のようなものが記載されている。
- 多世代交流スペース
- キッズスペースや保育園
- 図書館
- コワーキングスペースなど
- 下高井戸らしさを残す多目的ホールなど
上記の各施設は街づくり懇談会やワークショップなどで、実際に参加者たちから意見が出たものだ。
今後再開発が誘致される可能性も
地元アンケートの結果などを見ると、複数の都市課題があることは認知されつつも、地元からの意見には「下高井戸らしさは残してほしい」というものもある。
※引用:杉並区
街の特徴を残した開発方針の策定や、下高井戸駅前市場の代替機能確保などについて解決策を見出すことが今後の取り組みとされている。
※引用:杉並区
また、街づくり協議会が作成した図面を見る限り、ゲタ履きのマンションが複数建設される可能性はありそうだ。
世田谷区のホームページを見る限りでは、今年の10月に直近の街づくり懇談会が開催されており、次回は12月に開催される予定。
協議は今後も進んでいくと見て良いのではないだろうか。街づくりが実現すれば、下高井戸に明大前駅周辺と同じような活気が出ることも期待される。今後の展開に要注目だ。
取材・文:
(はたそうへい)