東北大学のキャンパス跡地に関する開発計画
みやぎ建設新聞は、東北大学の農学部雨宮キャンパス移転に伴い、キャンパス跡地で計画されていたイオンモールの建設工事が2024年3月に開始されると報道した。
計画地は北仙台駅から南に約1㎞、地下鉄南北線の北四番丁駅から北に約700m進んだ先にある場所だ。
※引用:仙台市
報道の通り、もともとは東北大学農学部のキャンパスがあった場所だが、キャンパスは2016年11月以降に青葉山へ移転している。
仙台市が策定した都市計画マスタープランで「都心軸」に指定されている場所であり、「都市機能の集約と快適な居住環境の形成」を目指すとされているエリアだ。
キャンパス跡地には、商業施設のほかに医療・福祉施設と集合住宅施設を配置することになっている。
※引用:仙台市
このため、イオンモール建設予定地の西側には仙台厚生病院が建設中であり、北側には野村不動産のマンションが2020年1月に竣工している。なお、仙台厚生病院は2024年5月初旬に開院する予定。
2018年1月に作成された環境影響評価書によると、上記の図のうち、「商業敷地」の中に商業施設と駐車場棟を建設する計画となっていた。
商業敷地全体の面積は約3.5ヘクタール。店舗棟の規模は地上4階建てで延床面積が約50,000㎡。なお、店舗棟の屋上も駐車場として利用されるようだ。
ただし、これは2018年に作成された環境影響評価書を参照した情報なので、2024年時点では当時の計画に変更が加えられている可能性もあるだろう。
※引用:仙台市
なお、評価書に記載されている工事の予定は2018年6月から2019年6月までで、2019年9月に開店予定というものだった。
これまで工事が延期されていたのは、建築資材費の高騰などが理由のようだ。
しかし、2023年12月に、イオンモールは敷地の周辺住民に対して2024年3月から開始する工事の概要を文書で通達したと、みやぎ建設新聞や河北新報などのメディアが報道している。
建物の完成は2025年9月を予定しているとのこと。早ければ2025年中に開業するかもしれない。
仙台都心の賑わいを補完する商業施設になるか
来年度以降の開業が期待される新たなイオンモールだが、特徴的なポイントの1つは仙台都心の1番外側に立地することだ。
上記で紹介した通り、仙台市は都市計画マスタープランを策定しているが、その計画期間は2030年度までとなっている。
プランでは仙台市内をいくつかのゾーンに分けており、新たなイオンモールの建設地は、プランで都心地区とされているエリアの最北端に該当する。
※引用:仙台市
仙台の新たなイオンモールは、他のイオンモールと比べるともっと大きな店舗もあるが、仙台市内の商業施設としては大きい方であることに違いはない。
北仙台駅周辺まで行くと、目立った商業施設はMEGA ドン・キホーテ仙台台原店(だいのはらてん)くらいしかないのが現状だ。
新たな大型商業施設ができることで、仙台都心の賑わいを、より一層北側へ広げていくきっかけになるか、今後の変化に期待したい。
取材・文:
(はたそうへい)