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全宅連が不動産取引における電子契約の実態に関する共同調査~電子契約導入企業は顧客満足や業務改善度が向上

調査(不動産投資)/その他 ニュース

2023/08/06 配信

電子契約サービス「電子印鑑GMOサイン」を提供するGMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社と、宅建協会会員業務支援サイト「ハトサポ」を運営する公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会は、このたび、不動産事業者を対象に不動産取引における電子契約の実態に関する共同調査を実施した。

2022年5月に施行された改正宅地建物取引業法(以下、改正宅建業法)により、不動産取引における電子契約の利用が可能となってから1年以上が経過した。同調査を通じて、不動産取引における電子契約の利用状況や課題についての実態が判明した。

■調査概要

◆調査期間:2023年6月1日~2023年6月9日
◆調査機関:自社調査
◆調査対象:「電子印鑑GMOサイン」の利用者および検討者、
公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会(中小規模の宅建業者を中心とした全国組織)の
会員
◆有効回答:不動産会社1,723件(うち、電子契約導入企業112件、未導入企業1,611件)
◆調査方法:インターネット調査

■実際に電子契約を実施した場合の顧客満足度は7割超と、大多数が好評だった。

電子契約を導入する企業のうち、71.2%が実際に電子契約を実施した場合の顧客は「おおむね好評だった」と回答した。一般的に、新型コロナウイルスの影響で電子契約システムの普及が拡大したが、不動産業界のエンドユーザーである顧客からのニーズは、新型コロナが収束し始めた現在でも一定以上存在していることがわかる。

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■電子契約システムの導入効果として、約半数の企業が「業務フローの改善」「顧客との日程調整のしやすさ」「コスト削減」と回答し、導入目的をおおむね達成した。

電子契約システムの導入効果として、「契約書等の書類送付の省力化および業務効率化が実現」(56.6%)、「顧客との日程調整が容易になる」(53.9%)、「印紙税コスト削減」(50.0%)、「書類保管・管理が容易になる」「ペーパーレス化の実現」(48.7%)など、導入企業の多くで業務効率化・省力化や経費削減といった定量的な効果の発現に寄与していた。

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■一方、電子契約システムを導入していない企業の57.2%は、電子契約以外の不動産関連システムも未導入の状況であることが明らかに。不動産DXがまだ発展途上にあることが判明した。

不動産業務に関連するツールやシステムの導入状況を見ると、「テレビ会議システム」が19.8%と最も多い結果となった。しかし、「特にツールを導入していない」と回答した割合が57.2%となり、過半数の企業で不動産DXが進展していないことを示している。

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■電子契約システムを導入していない企業のうち、さらに「現時点で導入に向けて検討および予定もない」と回答した企業(以下、導入未定企業)の約7割が、未導入理由として「紙の契約締結で十分」と回答。顧客も含めてデジタル化への懸念と電子契約が一般化していない現状が示された。

現在、電子契約システムを導入していない企業の理由として、導入未定企業の69.5%が「紙の契約締結で十分」と回答し、56.7%が「顧客からのニーズがない」と回答した。これにより、顧客側でまだ電子契約が一般化していない現状がわかる。

さらに、企業側では、「電子契約システムを使いこなせる担当者の不在」が37.4%、「電子契約をよく知らない」が36.6%、「デジタル化への苦手意識」が29.0%、「電子契約のセキュリティへの不安」が27.3%といったデジタル化に関する懸念が存在していることがわかった。

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■国土交通省が発表したマニュアルにおいて、実務上の課題として、「電子契約実施前に書面やメールでの事前承諾が必要」と回答した割合が6割以上であり、具体的な改善点が浮き彫りになった。

2022年5月に改正宅建業法が施行された際に公表された、電子契約とIT重説に関連するマニュアルに基づく実務課題が明らかになった。課題として挙げられた項目は以下の通り。

・「電子契約実施前に書面やメールでの事前承諾が必要」(66.0%)
・「重要事項説明書交付時の開封確認と署名パネルの説明」(35.8%)
・「重要事項説明書と契約書の同時送信ができない」(26.4%)
・「署名パネルが表示されないためスマートフォンで完結できない」(19.8%)

さらに、調査では「紙の契約書と同等の取り扱いを希望する」割合が24.5%となり、これらの課題や要望が明らかになった。

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■【結果まとめ】普及に向けて、GMOグローバルサイン・HDと全宅連は引き続き協業体制を強化

改正宅建業法から1年以上が経過したが、不動産業界全体において電子契約が普及するにはまだ時間がかかりそうだ。しかし、日本国内の労働力人口は急速に減少しており、日本国内の労働力人口は急速に減少。2014年には6,587万人だったのが2030年には5,683万人、2060年には3,795万人になると予測されている。これにより、総人口に占める労働力人口の割合も低下し、働く人よりも支えられる人が多くなることが見込まれる(※1)。

このような超少子高齢化社会において、不動産DXは不動産事業者にとって業績の成長や事業の存続を維持するために重要な鍵となることは間違いない。電子契約をはじめとしたデジタル化の取り組みは、労働力不足の緩和や業務の効率化に貢献する。不動産事業者は、これらのテクノロジーの活用を通じて競争力を高め、事業の成長や存続を図ることができる。

同調査を通して、GMOグローバルサイン・HDと全宅連は、導入企業の実体験に基づく課題や、未導入企業が直面する環境や心理的ハードルについて実態を把握することができた。また、未導入企業からの自由記述による回答では、導入検討段階で実施してほしい具体的な施策への要望が多く寄せられた。これにより、未導入企業においても電子契約への興味や将来的な導入意欲の高さがうかがえた。

同調査を契機に、GMOグローバルサイン・HDと全宅連は求められている施策ニーズを具体的に把握した。今後はさらに効果的なプロモーション活動をしていく予定だ。両者は引き続き協業し、電子契約普及に向けてさらなる前進を目指して努力していくという。

(※1)内閣府「選択する未来 人口推計から見えてくる未来像」第2章(3)人口急減・超高齢化の問題点

■公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会 顧問弁護士 大川 隆之氏 からのコメント

『2022年1月に業務提携を発表して以来、全宅連はGMOグローバルサイン・HDと協力して全国の不動産DXを推進するためにさまざまな取り組みを行ってきました。その中の一つが、法改正に伴い国土交通省から発表されたガイドライン『重要事項説明書等の電磁的方法による提供及びITを活用した重要事項説明実施マニュアル』に対応するための共同参画です。この取り組みでは、「遵守すべき事項」を整理し、業務フローとシステム構成を見直し、完全な対応を行いました。

そしてこのたび、全宅連とGMOグローバルサイン・HDが、不動産取引における電子契約の実態を把握するために共同調査を実施し、その結果、本マニュアルに基づく電子契約の実施において実務上の課題が発生していることがわかりました。特に、従来の書面契約よりも負担が増えていることが明らかになりました。この課題は、不動産業界で電子契約が普及・浸透する上で、障壁となる要素の一つと考えられます。

今後、不動産業界において電子契約だけでなく不動産DXを加速させるために、全宅連がGMOグローバルサイン・HDと共に、国土交通省など関係者に対して効果的な施策を適宜提言していくことを期待しています。』

健美家編集部

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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