先日、嫁から「痩せて格好よくなったね」みたいなことを言われ、身の危険を感じております。万が一寝室にやって来ようものならすぐに警察を呼ぼうと思います。よもやよもやです。
さてさて、新築アパートを建てようと購入した古家付土地の古家解体に伴い、周辺の地主に死ぬほど怒られたのですが、あろうことか業者さんが役所に解体の届け出を出してないことがわかり、失神寸前のピンチに陥ったのが前回までのお話でした。
一体53さんは、どうなってしまうのか? べんべん♪
■地主からの電話がなりすぎて、付き合っているのかなって
市役所のホームページを見るとざっくり次のようなことが書いてあった。
「解体工事するなら工事開始の2週間前までには届けてね☆」
2週間前どころか、工事はじまってしまってますけどwwwwww
とにかく解体業者の「明日行こうと思ってたんよ~」を確認すべく、俺はその翌日にすぐさま行動を開始した。
53「あ、地主さん!おはようございます!解体業者さんから挨拶ありましたか?」
地主のおばあちゃま「あ~53さん。わざわざすいませ~ん。今朝ね、解体の社長さんが洗剤持ってご丁寧に挨拶にお見えになりましたよ^^ ちゃんと防塵ネットも張るし、水も撒いてくださるって約束してくださいました」
53「よかったです~。ご迷惑をおかけしましたー」
地主「いえいえ~。53さんが言うてくれはったよかったです~。おおきに~」
よし!ちゃんと挨拶には行ったようだ。
次だ!
53「あ、社長!おはようございます!挨拶行ってくれはったんですね!」
解体業者「あー!53さん!ちゃんと行きましたよ~^^」
53「よかった!市役所にも行ってくださいましたか?」
解体業者「行った行った^^」
53「ありがとうございます!それでは工事大変ですけど怪我のないようにお願いします!」
解体業者「はいはい~^^」
どうやら約束を守ってくれているらしい。
俺はほっと乳首を撫でおろした。
そして夜になり、防塵ネットがちゃんと張ってあるのか心配になった俺は会社帰りに解体現場へと足を運んだ。会社と自宅の真ん中にある駅で、会社の最寄りの駅から電車で30分、そこから歩いて10分の距離である。
この物件はアパートと戸建てがひとつの土地に建てられていて、画像はアパートの写真である。無事にネットが張られている。逆に言えばこのネットなしで解体工事はじめてしまったのだから、正気の沙汰ではない。
こちらは奥にある戸建てを破壊しているところ。
さきほどのアパートはあっと言う間に壊されてしまった。
それにしても俺はこのひと月前に築50年の傾いた戸建てを貸家にしようと、350万かけて修繕したんだ。そして今は、この築25年の積水ハイムのきれいな豪邸を500万円かけて破壊している。
一体、何をしているのだろう・・・。
■近隣の地主から毎日のように届くリクエスト
順調に解体がすすんでいるように見えるけど、地主からは毎日のように電話がきた。
- 防塵ネットが破れているので取り替えてほしい
- 足場がやはりシングルだと不安だから1箇所あたり2本にして互いに支え合うようにしてほしい
- 水を全然撒いていないのでホコリが飛んでくる
- 1日の工事が終わったあとにゴミの掃除をしない。空き缶が散乱している
- 側溝にゴミが落ちている。水が詰まるのでなんとかしてほしい
- 53さんの声が聞きたい。抱いてほしい
毎日毎日電話が鳴り、お詫びをし、解体業者に対策をとるように指示をするが、1日だけ言うことを聞いて、2日目から元通りになるのでまた苦情がくる。
俺はこれを苦行だなんて思わないように考えた。むしろ自分を成長させるチャンスだ。
そのうち地主から電話が来る前に俺の方から電話をし、「今日は大丈夫ですか」と先回りするようになった。
会社にも怖い上司とか苦手な取引先とかいるでしょ?
逃げたら追いかけてくるんだよ。
逆に鬱陶しいくらいこっちからアプローチしたら静かになる。
なんならこれで仲良くなって、相続時にアパートを売ってもらおうとすら考えるようになっていた。俺はこのトラブルを経てさらに成長してやる。刑務所に無実の罪で収監された空◯徐倫(JOJOネタ)のように!!
そう決意している時にまた事件が起きたのであった
↓このホースでたま~に水を撒いてくれるけど、すぐにやめるので全然意味ない笑
■足場倒壊。あやうく大惨事になるとこだった
その電話をもらったのは土曜日の夜だった。俺は可愛いけどブサイクな娘ときゃっきゃと過ごしていたときに、地主のおばあちゃまから電話をもらった。
もはや彼女である。
休みの日はかけてくるなって言っただろ・・・
などと愛人ぽくつぶやいて電話に出る。
地主「53さんすぐに現場にきてください!大変な事になってる!」
俺は現場に急行した。
行ったのは夜だったけど、次の日に大変なことになっている写真が撮れたのでそれを見てほしい。
大変ヽ(`▽´)/ ↓
これわかります?
足場がついに倒れたんですよ。
それはもう地主さんたちはカンカンにブチ切れた。なにせあれだけ、「足場が倒れそうだから2本ずつにして補強してくれ」って言われていたのに、無視して工事を続けたんだから。
これは解体現場の方に足場が倒れているけど、俺が呼び出しを受けたときはどちら側に倒れてもおかしくない状況だった。それを地主さんたちが自力で解体現場の方へ引き寄せて現場の色んな所にロープを結んで事故にならないように防いでくれたのである。
もしも反対側に倒れていたら、地主の家にとんでもないダメージを与えているところだった。俺は呼び出された日、解体現場の前で頭を下げ続けた。
そして、俺が呼び出されて現場に到着する前に解体工事の社長も地主たちに呼び出されていたんだけど、それがさらなるトラブルのもとになった。
社長「粉塵ネットを張れと言ったから張った。それが原因で強風で倒れたんだ!」
こんなアホみたいな主張を俺が到着する前に解体業者の社長が地主たちに向けて言い放っていたのである。
地主の怒りは最高潮を迎えていた。
超ブチギレボルケーノおこである。
地主「もう明日にもでも市役所にいいます!!」
53「・・・わかりました。それでは明日、わたしの方から市役所に電話をします」
もうだめだった。
これは工事をいったん中止するしかない…。
俺は市役所に連絡し、その指示を仰ぐことにした。
地主たちの言うことは無視し続けた解体業者でも、さすがにお上の言うことには逆らえないだろう。
免許取り消しにでもなったら商売ができないはずだ。
しかし、このあと、さらなる地獄が待ち受けていたのだ。
■意外な市役所の対応
市役所「特に違法ではないです」
53「ええええ!?」
俺は自らの解体現場の不備を自分で市役所に電話をした。自首である。
正直、すぐに呼びつけられてグーで殴られる覚悟をしていたんだけど、その反応は以外なものだった。
足場は道路側はむき出しになっていて、解体工事の様子が丸見えなんだ。隣り合っている地主の家の側面にボロボロの足場と防塵シートみたいな布が張ってあるんだけど、解体現場を囲う4つの辺のうちL字型に2方向にしか防塵されていなかった。
そのせいでホコリが飛ぶし、音もうるさいと苦情が毎日きていたのである。
しかし、市役所はその2方向を防いでいるのであれば、役所としてはただちに違法ではないという。
音に関しても解体する以上ある程度は仕方ないということなので、許容範囲とのことだった。めちゃくちゃ怒られると思っていた俺は狐につままれたような気持ちになった。
市役所「解体の届け出はされてるんですよね?」
53「はい、出ています。」
市役所「それなら問題ないです。ただ、住民の方には一定の配慮はお願いしますね」
この結果を解体業者に伝えると図に乗ると思った俺は、「役所からは厳しいことを言われた。水は必ず撒くように」と伝えることにした。
なにせ苦情は実際に出ているのだから。
53「念の為確認ですけど届け出はきちんと出してもらったんですよね?」
解体業者「いや、それがね。まだ出せてないんよ」
は?
はあああああああ???
53「いや、この前市役所行ったって言ったじゃないですか!」
解体業者「いや、行ったんやけど書類がいるって言われて書類だけもらってきたんよ」
ファーwwwwwwwww
あかーーーーーんwwww
53「何してるんですか!このまま工事続けて警察でも呼ばれたら終わりですよ!」
解体業者「出そうとは思っとったけど・・・」
いやいやいや!
いやいやいやいや!!!
それはあかんやろ!
53「もういいです!俺が代わりに出してきますから、絶対に住民の方を怒らせないようにしてください!市役所に相談されたり、警察呼ばれたりしたらやばいです!」
解体業者「はい・・・」
俺は解体工事の届け出書を業者から受け取って、自宅に戻りネットで記入方法を調べた。
- アスベストが含まれていますか?
- 木材はどのくらい量が出ますか?
- 壊す建物の構造は?
- 所在地は?
解体業者と電話でやりとりしながら、売買契約書のときの書類を引っ張り出して書き写す。書類をテキパキと埋めていく。
- 解体業の免許番号は?
53「社長!解体業の免許の番号何番ですか?」
クソ解体業者「・・・免許もってないんよ」
は?
免許
もって
ないんよ
お前ふざけjkmぽあしうdpgmんうぃおpjgぴwsrlgじおpをいれおwgじょjgpwじおp:んい!!!!!!!
終わった・・・・
完全に違法です。。。
眼の前が真っ暗になっていく。
不動産の初心者が調子にのって土地から新築なんてやるからこんな目にあうんだ。
すべては自業自得だ。
調子に乗ってすいませんでした。
あの頃は自分が特別な人間だと思っていました。
俺なんてカス以下のうんこの粉末のような存在です。
これは一体・・・
一体どうなってしまうんだろう・・・
絶望の中、頭の中に「免許持ってないんよ・・・ないんよ・・・いんよ」とクソ解体業者の声がリフレインしている。
53さんの運命やいかに!?
それでは今回はこのへんで。
もうええわ
絵:エフジェエ