初めまして。猫山課長と申します。
今回から健美家で連載をさせていただくことになりました。
「お前誰やねん」と思われたかもしれません。そうですよね。私は誰なのか?
私は、田舎の社畜です。
田舎の社畜でありながら、人生を逆転させようとする人間です。
そして、それは半ば成功していると言っていい。
少し、興味が湧きましたでしょうか?
自己紹介、していきますね。
私は日本のド田舎で金融機関に20年以上勤務している現役の課長です。猫山課長はハンドルネームですが、中の人も本当に課長です。
ド田舎と言いましたが、本当に田舎です。あなたが想像するより5倍は田舎です。そして、田舎のサラリーマンは、本当につまらない存在です。
通勤は車なので、帰りに一杯飲んでから帰ることができません。お酒を飲む日は車ではなくバスなどで出勤するなど、飲むだけでいつもと違った準備が必要です。
田舎は基本的に意識高い系の人がいないので、自己研鑽に熱心な人は稀です。刺激を受け、自分を高める機会はほぼありません。
どこへ行くにも遠いため、都市部へ出ることすら億劫になり、どんどん感性が鈍ります。
洗練された尊敬できる上司など皆無であるため、目標を見失いがちになります。ただ日々働くだけの惰性で生きている人間になりがちです。
そんな環境に加えて、地域の平均年収は高くありません。私の勤め先は金融機関なのでまだマシですが、それでもとても高給とはいえません。
そんなド田舎の劣悪な現状も、アラフォーになるまではあまり気になっていませんでした。そんなものだと思っていたのです。しかし、40歳を超えたあたりから、不吉な将来予測が胸に迫るようになりました。
「これから子どもたちに学費だのなんだの大きなお金が必要になってくる。今の給料じゃとても不足するだろう。収入を増やしたいけど、今の会社で頑張ったところで先は見えている。ろくな転職先だってない。ああ、なんだか自分の人生が見えてしまったような気がする…」
これから子供のためにさらに頑張らないといけないのに、活力が湧いてこない。今の仕事を頑張ったからといって、そこまで収入が増えるわけじゃない。じゃあ転職だ、と思ったところで田舎にはそんなに高収入な職場などありません。
もう全てが手詰まりである。そんな感覚に陥りました。
加えて、仕事も面白くなくなっていました。
金融機関は基本的に軍隊式であり、上官の意見は絶対です。しかも、課長とはいえ決裁権はほとんどありません。40をとうに超えた人間が、いちいち部長クラスにお伺いを立ててからでないと何も決められないのです。
これではいつまで経っても成長など出来ず、意思決定能力のない子供のままになります。実際、会社にいるのはアラフィフになっても自分から意思決定をしない人間ばかりなのです。
20年以上働いたというのに、何一つ自分で決めることができない。それどころか、何年も上の先輩ですら、何の権限もないのを見てしまっている。
たまに同級生と飲んだりすると、中には社長になっているヤツがいたりします。その割合は、年々増えてきています。彼らは経営課題を語り合い、同調しあっている。決裁権が全くない私との差は信じられないくらい大きい。
ミジメというか、自分の幼稚さに打ちひしがれます。
自分の意志で、自分の判断でお金を稼がなければならない。
このままでは、自分はきっと後悔する。
自分の責任で、ビジネスをしよう。
私の会社は副業を「原則禁止」しています。原則的に禁止ですから、絶対的に禁止ではない。
人事部に副業許可をお願いしました。何度も話し合いを行った結果、無事副業の許可を取り付けます。創業100年近い企業ですが、副業許可を正式に得たのは私が初めてです。
■会社員をしながら始めた事業
まずは不動産収入を得ることを考えました。
金融機関で培った人脈から立地の良い土地の紹介を受け、アパートを建設します。融資は自分の勤務先から借りました。
融資の勘所など全て把握していますから何の懸念もなくスムーズに借入することができます。また、職種柄不動産に対する知識も蓄積されていましたから、不動産投資に対しても不明点は極小でした。成功・失敗事例も飽きるほど見てきましたので、やっていいこと悪いことも理解しています。
不動産投資を立て続けにやりたかったのですが、身内からの反対もあり、アパート1棟でストップしてしまいます。1棟からの儲けなどたかが知れています。もっと稼がなければならない。
そこで、ネットで収益を得る道を探ります。
まずはX(当時のTwitter)でフォロワーを獲得し、noteというプラットフォームで記事の投稿を開始します。毎週2本新作をアップし続ける中で、どんどんフォロワーが増え、ファンがついてきた実感が出てきました。
そのうち、出版社から声がかかり、2023年10月にこれまでのnote記事をまとめた書籍の発売をすることができました。そして、今年1月からnoteを月額課金制にし、毎月それなりに安定した収入が得られる状態になりました。
このほかにも、熊本県に本店を構えプログラミングスクールを運営する(株)SUNABACOの相談役に就任したり、(株)PFUが販売する高級キーボードであるHHKBのエバンジェリストを拝命したり、ネットメディアで連載をするなど、多くの種類の副業をするに至りました。
これらは会社から副業許可を得てから起こったことであり、40歳中盤以降の話です。
会社に所属したまま、副業をする。副業は自分の意志で仕事を選べます。また、ビジネスの方向性も自分で決められる。副業をしてわかったことは、自分の意志で決定したほうが、自分にとって有益な結果が出やすいことです。
そして何より、自分の能力は自分が考えている以上に優れていたという事実。会社に意思決定を奪われていたためにわからなかった、自分の本当の能力。それに気がつくためには、自分で意思決定をする領域が必要だったのです。
■自己決定をするビジネスの領域を持つということ
私、猫山課長は、会社社長であり、作家であり、企業の相談役であり、エバンジェリストであり、そして、ド田舎の社畜です。これほど様々な属性がごった煮になったバンカーなど、どこを探してもいないでしょう。相当なレアキャラです。
私を見て、羨ましいと思う人は、健美家の読者さんにどれほどいるでしょうか。すでにFIREしている方、いつでもFIREするのに十分な家賃収入がある方は、社畜を自認する私を笑うかもしれません。
逆に、私をうらやましいと思った人は、まだサラリーマン収入一本に依存している状態ではないでしょうか?だから、会社員でありながら、自己決定をするビジネスの領域を持っている私を羨ましく思う。
「自己決定をするビジネスの領域」
我々サラリーマンにとって、これがどれほど価値のあるものか。
自分の仕事に自分で値段をつけられる。この経験が、どれほど人生に張り合いをもたらすか。
不動産投資家としては志半ばの私ですが、会社員をしつつ、ビジネスの醍醐味を味わい続け、収益もあげていける。40代も中盤を過ぎてから、そんな状態を築くことができました。(不動産投資においても、規模拡大を目指しています)
これから健美家で、私の体験談や壁を超える為のノウハウなどを連載していきます。
あなたの人生の見方を変える。そんなコラムを書いていきます。
これから、どうぞよろしくお願いします。