中小企業会館と商工会議所の跡地に
ホテル誘致の計画が進行中
奈良県と奈良商工会議所は2022年8月、奈良県登大路町の奈良県中小企業会館と奈良商工会議所会館の一体的・総合的な活用についての調印式で、両社は連携して取り組むことで協定を締結。建物の老朽化に伴い移転する奈良県中小企業会館と奈良商工会議所会館の跡地には、ホテルを誘致する計画が進んでいる。
隣接する奈良県中小企業会館と奈良商工会議所会館は、近鉄「奈良」駅や奈良公園にも程近い好立地。両施設を合わせて3,000㎡以上の広さもあることから、食の魅力と宿泊施設としての質を兼ね備えた上質なホテルを目指し、奈良県の滞在型観光の促進を見据えている。
ちなみに、奈良県中小企業会館と奈良商工会議所会館はいずれも40年以上前の建物で老朽化が顕著。2024年春をメドに、近鉄「大和西大寺」駅南側の新会館に移転する予定となっている。
上質ホテルが続々と誕生し
滞在型観光が上向く奈良
奈良県はこれまで建物の高さ制限や遺跡の出土などの理由からホテル建設が進まないことも多く、観光スポットの多さに対して宿泊施設の少なさが叫ばれていた。
しかし、近年の奈良県のホテル誘致には目を見張るものがある。
2020年7月には日本初進出となるマリオット・インターナショナルの最高級ブランドホテル「JWマリオット・ホテル奈良」が三条大路、2023年8月下旬には「JWマリオット・ホテル奈良」を手掛けた森トラスト株式会社が担当する「紫翠 ラグジュアリーコレクションホテル 奈良」が登大路町に開業。
さらに、2024年秋には、フランス・パリ発のホテルグループ「アコー」が手掛ける「ノボテル奈良」が新大宮に誕生する予定で、大きな注目を集めている。
こうしたホテル誘致は、宿泊施設が数多く点在する大阪や京都だけではなく、これまで通過されがちだった奈良にも滞在する機会が増えることにもつながり、県の観光業はさらに活性化されるはずだ。
「上質」が条件になる
高級ホテルの誘致に期待
奈良県はホテルの誘致に向けて、奈良県中小企業会館等宿泊事業者選定委員会を開催し、宿泊事業者の選定に関する検討を行うなど、着々と計画を進めている。
インバウンド需要が回復しつつあり、再び観光が盛り上がりを見せている奈良県。奈良県中小企業会館と奈良商工会議所会館の跡地にも、「上質」を条件とするラグジュアリーホテルの誘致が大いに期待される。
健美家編集部