
公・民・学連携のプラットフォームを活用した
スマートシティの取り組みで注目の「柏の葉」
秋葉原からつくばエクスプレス快速で30分。常磐自動車道「柏IC」からも程近く、羽田空港や成田空港へのアプローチも良好な、つくばエクスプレス「柏の葉キャンパス」駅。
住宅・不動産専門サイト「オウチーノ」調べの首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)人気駅ランキング(対象:25歳〜34歳)では、第2位の「辻堂駅(神奈川県)」、第3位の「流山おおたかの森駅(千葉県)」を抑え、堂々1位を獲得した人気駅だ。
首都圏人気駅ランキング調査(年代別編)。子育て世代は「柏の葉キャンパス駅」、40代後半からのミドル層は、「北千住駅」や「金町駅」
駅周辺には柏の葉ららぽーと北館、東大柏キャンパス、東大柏キャンパスU、千葉大学柏の葉キャンパスといった大学のキャンパスのほか、警察庁科学警察研究所や国立がん研究センター東病院といった施設が点在しており、学生はもちろん、ファミリー層にとっても暮らしやすい環境が整っている。

もともと柏市は、2005年のつくばエクスプレス線開業以降、柏の葉にて「公・民・学」連携による「課題解決型のまちづくり」を進めてきた。
2008年3月には葉県・柏市・千葉大学・東京大学・UR都市機構・三井不動産が共同で「柏の葉国際キャンパスタウン構想」を策定。続く2011年7月には「環境共生・健康長寿・新産業創造」を3本柱としたスマートシティの取り組み「柏の葉スマートシティ」も始動することとなる。
そして2019年、これまでの柏の葉におけるまちづくりを加速する新たな取組として、「国土交通省スマートシティモデル事業(先行モデルプロジェクト)」への選定を受け、19の団体による柏の葉スマートシティコンソーシアムを設立。
公・民・学連携のプラットフォームを活用した駅を中心とするスマートコンパクトシティ計画を推進している。


千葉大学柏の葉キャンパス敷地内に
英国のキャンパスライフを味わえる英国ラグビー校が登場

7月29日、三井不動産は、この柏の葉に、首都圏初の英国名門パブリックスクール「(仮称)Rugby School Japan」が7月25日に千葉県知事から学校設置計画の承認を受け、2023年8月下旬に開校予定だとリリースにて発表した。生徒募集は2022年9月より 始まる予定だという。
「(仮称)Rugby School Japan」は、英国の伝統ある名門パブリックスクール9校の総称「ザ・ナイン」のインターナショナルスクールで、この「ザ・ナイン」の開校は首都圏初。英国ラグビー校の海外進出としては二例目だそう。
このインターナショナルスクールが建設されるのは、柏の葉キャンパス駅徒歩3分の千葉大学柏の葉キャンパス内の敷地。
国際規格のラグビー場や、講堂としての利用も想定した木造建築の食堂を新設されるほか、生徒が憩える大小さまざまな緑地空間を設けるなど、キャンパスの環境を活かし、英国と同様の教育環境を提供するとしている。

三井不動産は、「(仮称)Rugby School Japan」の校舎以外の付帯施設整備を行う予定だが、これに留まらず、構想内で謳われている「国際的な学術・教育・文化空間の形成」を実現に加えて、周辺の千葉大学をはじめとする教育機関、企業、研究機関、地域などとも連携・交流を深め、新たな産業や文化的価値の創造を目指していくとのことだ。
このような官民がタッグを組んだ継続的な街づくりが評価されてか、ランキングデータ調べ、2021年10月1日(推計人口)vs 2020年10月1日(国勢調査人口)の中核都市人口増加数ランキングを見ると、千葉県柏市はみごと1位に輝いている。

長期的な視野に立った街づくりで、今後もさらに注目を浴びそうな「柏の葉スマートシティ」。不動産投資という観点でも、今後魅力を増していきそうだ。
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健美家編集部(協力:斎藤一美(さいとうかずみ))
■ 主な経歴
ファイナンシャル・プランナー(AFP)。
大手情報誌出版社にて金融情報誌のデスク業務やWEBメディアの立ち上げ・運営・メンバー育成業務などに携わった後、2007年にフリーの編集者・ライターとして独立。
現在は金融・不動産・保険分野を中心に、雑誌やWEBメディア、社内報などで執筆・編集を行うほか、金融初心者をターゲットとしたメディアアドバイス業務なども行っている。