周辺エリアでは大和ハウス工業が存在感を示す
大和ハウス工業は、つくばエクスプレス沿線の研究学園駅周辺で新たな都市開発用の用地を取得したと発表した。
取得したのは駅から徒歩約9分の場所で、一般財団法人 日本自動車研究所が所有していた未利用地だ。
※引用:日本自動車研究所
今回、用地を取得するに至った経緯は、日本自動車研究所が未利用地売却に関する事業者を公募した結果、大和ハウス工業が最優秀提案者に選出されたというもの。
同社は、これまで研究学園駅とその隣のつくば駅の近隣で複数の建物を手掛けており、周辺エリアにおける都市開発の中でその存在感を示している。
例えば、研究学園駅の北口側にある商業施設の「イーアスつくば」や、南口を出てすぐの場所にあるマンションの「Park Side Residence」などは同社が手掛けた建物だ。
そのほか、つくば駅の周辺では駅の南側にある商業施設の「BiViつくば」や「ダイワロイネットホテルつくば」なども手掛けている。
これまで、研究学園駅の周辺では北口を中心として都市開発が進んでおり、南口側にはあまり目立った施設が見当たらない。
前述した日本自動車研究所の関連施設のほか、マンションとロードサイド店舗がまばらに建っているほかは、未利用地の原っぱが広がっているような印象だ。
駅の東側を通っている幹線道路を南に進んでいくと、MEGA ドン・キホーテ つくば店やニトリの店舗などがあるが、それ以外に目立った商業施設はあまり見当たらない。
今夏から2028年春にかけて開発が進む予定
今回の開発対象地は、研究学園駅の南口を出てすぐ目の前にある「研究学園駅前公園」のすぐ南に隣接する敷地だ。
研究学園駅は、つくばエクスプレスの路線図において東の終点から1つ手前の駅にあたる。
秋葉原からの所要時間は各駅停車で54分。通勤快速では46分となっている。なお、つくばエクスプレスの東の終点駅は、つくば駅だ。
駅からの距離は徒歩約9分で、敷地の広さは約15.4ヘクタール(東京ドーム約3.3個分)と広大だ。敷地は南北と中央の3エリアに分けて開発される。
北エリアには分譲マンションと教育施設、中央エリアには広場や商業施設、南エリアには研究施設・物流施設・保育施設などの建設が予定されているという。
プロジェクト名は「(仮称)SSCつくば学園南プロジェクト」。なお、SSCとは「スーパーサイエンスシティ」の略だという。
同社は2023年12月18日に土地の引き渡しを受けており、2024年8月から2028年4月にかけて工事を進める予定。
各施設の詳細はまだ発表されていないが、中央エリアに建設される商業施設が、駅北口側にある「イーアスつくば」と同じような規模になるのであれば、南口側の雰囲気も変わるのではないだろうか。
活況が続く、つくばエクスプレス沿線のさらなるマーケット振興に一役買うことを期待したい。
取材・文:
(はたそうへい)