羽田・成田へもバス直結
驚かされるエンタメ施設
2023年4月14日に開業した「東急歌舞伎町タワー」。東急株式会社および株式会社東急レクリエーションが手がけ、2つのホテルおよび映画館・劇場・ライブホールなどのエンターテインメント施設などからなる地上48階・地下5階・塔屋1階で高さ約255mの超高層複合施設である。
最も近い西武新宿線からは徒歩1分、JRや東京メトロをはじめとするその他8路線が利用可能で徒歩6分から8分。さらに羽田空港へは約60分・成田空港へは約120分でつく直行バスが運行している。これはインバウンド客にも便利である。
開業1カ月で来館者数が100万人を突破したという賑わいぶりと同じタワー内に入る2ホテルをチェックしてきた。



西武新宿駅前通り側からのエスカレーターは、2階のエンターテインメント&レストラン「新宿カブキhall~歌舞伎横丁」に直結しており、入り口から人がいっぱいの横丁で「これがタワーの中?!」とその賑わいに驚かされる。
約1000㎡のフロアに「祭り」をテーマとした食と音楽と映像による次世代エンターテインメントフードホールが広がっている。恵比寿や渋谷で同様の形態で成功を収めている(株)浜倉的商店製作所が運営をしている。


3階にはバンダイナムコアミューズメントによる「namco TOKYO」が4階には、新宿ダンジョン攻略体験施設「THE TOKYO MATRIX」、5階はレストランも併設した会員制ウェルネスクラブ「EXSTION」。
6階から8階は、かつてこの地にあった新宿ミラノ座の名前を継承する「THEATER MILANO-Za」が、9階から10階は「109シネマズ」の新ブランドとなる映画館「109シネマズプレミアム新宿」が入る。
また地下1階から4階は新宿エリア最大級のキャパシティが1,500名というライブホールになっている。まさにここまでは、日本が誇るエンターテインメントの一大ショーケースという感じである。

映画館の天井高もあり、次が17階で、ここはダイニング、バー、ジェラテリア、そしてテラスや会議室・宴会場のスペース。吹き抜けのダイニングバー「JAM17 DINING & BAR」には、現代アーティスト西野達氏によるこの地をイメージさせる実際に使われていた家具や日常品がモニュメントのように室内を飾る。
同じタワー内にまったく
コンセプトの違う2つのホテル

18階が地上の喧騒を逃れ特別な空間を楽しむ都会のラグジュアリーホテル「BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel」と歌舞伎町のまちを遊びつくすための拠点となるライフスタイルホテル「HOTEL GROOVE SHINJUKU, A PARKROYAL Hotel」のホテルレセプションになっている。
1階の空港バスが発着するエントランスから左右に2つのホテルは別れていて、エレベーターも別。レセプションも同じ階にあるが、それぞれ別で雰囲気もまったく異なる。


「BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel」は全97室、39階から47階と高層階を占め、ラグジュアリールーム(41㎡~82㎡)と45階から47階にあるわずか5室のペントハウス(113㎡~277㎡)がある。幅約7m、天井までのガラス窓から、息をのむような東京のパノラミックな眺望が広がる贅沢な空間だ。4つのレストラン&バーとスパがある。

もう一方の「HOTEL GROOVE SHINJUKU, A PARKROYAL Hotel」は、20階から38階に位置する538室で、3人のアーティストがそれぞれ3部屋をプロデュースした9部屋のアートルームがユニークだ。
「東急歌舞伎町タワー」では、現代アートはもちろん、音楽、ファッション、書など多様な分野で活躍する26組の作家による大規模なアートプロジェクトを展開しており、一部作品には音声ガイドも用意されている。
日本の現代を象徴するエンターテインメントが集まるだけあって、インバウンド客で賑わっており、ホテルでは約8割を占める。歌舞伎町のイメージを変える新しい観光のスポットとして、国内向けにさらにアピールしていきたいところ。確かにタワーの中は、とても今の日本的でありながら、新しいアミューズメントパークのようであった。
東急歌舞伎町タワー https://www.tokyu-kabukicho-tower.jp/
執筆:
(おのあむすでんみちこ)