市民からの意見募集まで進捗中
西東京の小金井市が、JR中央線の武蔵小金井駅北口周辺におけるまちづくり方針を策定中だ。
2023年9月には方針案の策定が完了し、9月19日から10月20日にかけて市民からの意見を募集している。
なお、まちづくり方針の対象エリアのうち一部では、すでに再開発準備組合が発足しており、今後再開発が進むのは確実と言えるだろう。
※引用:小金井市
再開発準備組合が対象としているのは、上記地図のうち、旧西友と書かれた建物が含まれる敷地と道路を挟んで北側の敷地の一部だ。
※引用:小金井市
まちづくり方針案が策定されたり、再開発準備組合が発足したりしたきっかけとなったのは、範囲内に建っている建物の老朽化だ。
上記の地図で「西友ストア」と書かれている建物や、その西側にある旧長崎屋(現在はドン・キホーテ)の建物などは、1971年以前に建てられたもので既に築50年以上が経過している。
それ以外にも、1981年以前に建てられた建物などが散見される状況であり、狭い道路が多いことも相まって、周辺エリアは防災上の課題を抱えている。
また、旧西友の裏手にある「ムサコ通り」は、武蔵小金井駅北口の商店街におけるメインストリートとなっている。
しかし、2017年に西友が閉店したこともあり、ムサコ通りの通行者はこの10年でかなり減っているという。
建物の老朽化とともに、北口エリア全体の活気が衰退してきていることも、再開発の機運が高まる後押しをしている状況だ。
まちづくり方針の中には、範囲の真ん中に位置するムサコ通りを境目として、南北で違うエリアを作る方針が示されている。
駅に近い南側では、市の中心拠点となり得る建物を誘導することも考慮し、高さ130mの建物が建てられるようにする。
一方で通りの北側にはマンションも多いことから、基本的には既存の環境を維持しつつ、周辺商業施設との調和を図る方針だ。
具体的には、建物を更新するとしても高さを5階以下に抑え、なるべく全フロアに商業施設が入るよう誘致していく予定。
目玉はゲタ履きの高層マンションか
※引用:小金井市
1番駅に近い旧西友の建物がどんな建物に建て替えられるのか、これが再開発の核になると思われる。
小金井市が示している方針の中には「低層部に商業施設や業務機能、高層部にファミリー世帯を主とした住宅等を誘導する」と書かれており、いわゆるゲタ履きの高層マンションを想定しているようだ。
既に完了している南口の再開発建物とほとんど同じものになると思われるので、あまり目新しさはない。
しかし、駅の高架化と南口の再開発によって、武蔵小金井駅周辺はそれまでと大きく印象が変わったのも事実だ。
現状の武蔵小金井駅周辺は、駅を境として南北で大きく状況が異なっているので、北口も再開発が進めば街全体の印象が変わるだろう。
武蔵小金井は吉祥寺と立川・八王子の間に位置しており、さほど知名度の高いエリアではない。
しかし、今後の再開発でイメージがどのように変わっていくのか、楽しみだ。
取材・文:
(はたそうへい)