2023年11月16日に全面オープン
東京・羽田空港の隣駅である天空橋にて、羽田イノベーションシティが2023年11月16日にグランドオープンした。
過去に掲載された羽田イノベーションシティの概要を伝える記事はこちら。
羽田空港の隣駅「天空橋駅」に「街」ができる。「HANEDA INNOVATION CITY」11月にOPEN
天空橋駅は羽田空港第3ターミナル駅の隣駅であり、駅を出たところからは空港の滑走路が見える。
鉄道を使って羽田空港へアクセスする方法は2つある。京浜急行の空港線か、東京モノレールの羽田空港線を利用するかの2つだ。
天空橋駅には京浜急行も東京モノレールも両方停車する。東京都心から羽田イノベーションシティへのアクセス方法は、浜松町駅からモノレールに乗るか、品川駅や京急蒲田駅から京浜急行を使うかのいずれかとなる。
羽田イノベーションシティは全11棟の建物と交通広場、駐車場等からなる大型複合施設だ。
コンセプトは、「先端」と「文化」の境界を越えた交流を誘発し、新たな価値創造を実現する日本初のスマートエアポートシティというもの。
国際空港からすぐ近くという立地を活かし、国内外のヒト・モノ・情報がフラットに集まり、新たなビジネスやイノベーション創出の拠点となることを目指す。
商業施設やオフィスが集まる箱モノ複合施設というわけではなく、文化発信施設としてのライブハウスや先端医療研究センターなどが集まる、異色の複合施設となっている。
特に、多くの研究開発施設が入っている点は、一般的な再開発などと一線を画すポイントだろう。
全11棟の建物のうち、5棟の建物に先端医療研究センターやイノベーション創出エリアなど、研究・開発施設が入っている。
この都市開発は、日本発の新たな技術開発など、将来に大きな期待を持てるインフラの開発とも言える。
日本国内で進む都市開発としては、一歩時代の先を行くものになっていると言えるだろう。
今後の都市開発としてモデルケースになるか
天空橋駅という駅は、都心から羽田空港に至る通過駅の1つであり、空港関係者や飛行機を使う人でもない限り、利用されることのない駅という印象だ。
さらに、天空橋駅が都心の中心地から行きやすいかといえば、行きやすいイメージを持っている人は少ないだろう。
大きな箱モノを作っただけで、簡単に人が集まる場所ではないといったところだ。
しかし、写真撮影当日はAKB48グループのライブがあったということを差し引いても、人がとても多い印象を受けた。
土曜日ということもあり、オフィスワーカーや研究者はいなかったかもしれないが、とても活気がある雰囲気だった。
「羽田空港のすぐそば」という要素は、この都市開発が持つ最も強い個性であり、他の都市開発にマネできるものではない。
しかし、「交通利便性の高いエリア」と考えれば、それは空港周辺だけではなく他にいくらでもあるだろう。
研究開発のインフラを整えて、研究者を大勢呼び寄せることができれば、単なる箱モノ開発とは違うものになっていくのではないだろうか。
羽田イノベーションシティが都市開発として今後のモデルケースとなることを期待したい。
取材・文:
(はたそうへい)