名古屋市中心街から車で約30分。知多半島の中腹に位置する『常滑(とこなめ)市』は、中部地方の“空の玄関口”として重要な役割を担うまちだ。
常滑市の空港島に中部国際空港『セントレア』が開業したのは2005年のこと。同空港は旅客・貨物共にトヨタ自動車関連企業の顧客が多くを占めるため、別名“トヨタ空港”とも呼ばれている。
サービス面においても“トヨタ方式”が導入されており、国際空港評価『World Airport Awards 2021』で7年連続世界第1位(Regional Airport部門)を獲得。グルメやショッピングに加えて展望風呂などのレジャー機能を備えた複合型空港として、開業から16年が経過した今も高い個客満足度を維持している。
その一方で「24時間利用可能な移動手段」や「空港島と近隣地域を結ぶ移動手段」が不足しているため、万一の災害時には「空港島が孤立化してしまう可能性がある」と長年指摘されてきた。
その課題解決に向けていま注目を集めているのが、常滑市と愛知県が共同で掲げた『スーパーシティ構想』だ。
愛知県と共同で
『スーパーシティ型国家戦略特別区域』提案書を提出
『スーパーシティ』というのは国が定める国家戦略特区のひとつ。AIやビッグデータなどの先端技術を活用して社会の在り方を根本から変革し、“まるごと未来都市”を目指してまちづくりを行う構想のことを指す。
全国の自治体へ向けた公募は昨年末からスタートし2021年4月に締切り。現在は指定に向けて審議中のため、常滑市の提案書もまだ正式に採択されたわけではないのだが、その構想が本当に実現したらまるでSF映画の世界のような未来型都市が知多半島に誕生するかもしれない。
※スーパーシティ構想 全国31の応募自治体はこちら/内閣府国際戦略特区ページより。
https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/supercity/supercity_sckoubo2.html
無人の自動運転車や
空飛ぶクルマが登場する?!
常滑市が掲げる『スーパーシティ構想』のテーマは「グリーン&イノベーション アイランド」。大きく分けて2つの柱があり、ひとつは「国内最大のモノづくり集積地の強みを生かし、グリーン&デジタル時代の新しいビジネスを創出し続けること」。そしてもうひとつは「世界をリードする国際観光都市をつくること」だ。
中でも目を引くのが「未来を先取りする移動・物流システムの構築」。常滑市周辺にはトヨタ自動車の『飛島物流センター』やINAXの『常滑東工場』など中部地方を代表するグローバル企業の製造・物流拠点が集積しているため、常にヒトとモノが動き続けている。そのため、
1:自動運転・自動搬送サービス
2:空飛ぶクルマやドローンによる空の移動・物流サービス
3:スマートモビリティサービス
4:新しいモビリティの価値創出
の4つを目標に掲げ、規制解除や制度改革も含めた提案が行われている。
1の『自動運転・自動搬送サービス』では、完全無人化シャトルバスの運行や、24時間・365日稼働可能な自動搬送ロボットによる荷物配送などを想定。2の『空飛ぶクルマやドローンによる空の移動・物流サービス』では、空飛ぶクルマを使った遊覧飛行のほか、ドローンによる物流やインフラ点検、災害時における移動・輸送手段としての活用が見込まれている。
ただし、空飛ぶクルマの実用化に向けては、安全な空域管理システムの検証と規制緩和の検討が必要になってくるため、実装には少し時間がかかることになりそうだ。
スーパーシティ構想の採択は
2021年冬の予定
この『スーパーシティ型国家戦略特別区域の区域指定』が閣議決定するのは今冬の予定(当初は2021年10月予定だったが、ヒアリングや提案見直し作業のため冬へ延期予定)。果たして中部圏の空の玄関口が“まるごと未来都市”となるかどうか?地域の期待が集まっている。
健美家編集部
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