不動産の減価償却とは、「時間とともに劣化した価値」のことで、減価償却費とは、それを金額で示した数値です。税法上、減価償却費を計算するために「物による耐用年数」が決められています。建物も構造ごとに耐用年数の長さは建物の構造ごとに異なり、具体的には以下のようになっています。
・鉄筋コンクリート(RC)47年
・重量鉄骨34年
・木造22年
税法ではこの耐用年数に応じて償却率というものが決められています。
例えば1億円の新築建物の減価償却費を構造別に計算してみます。
RC:1億円×償却率0.022(耐用年数47年)=減価償却費220万円/年
重量鉄骨:1億円×償却率0.030(耐用年数34年)=減価償却費300万円/年
木造:1億円×償却率0.046(耐用年数22年)=減価償却費460万円/年
木造はRCの倍以上の減価償却費を年間に計上できますが、気を付けないといけないのは減価償却費を計上できる期間です。
RCだと220万円の減価償却費を47年間計上できますが、木造だと460万円の減価償却費を22年間しか計上できません。
つまり、同じ1億円の建物を、RCは47年、重量鉄骨は34年、木造は22年間かけて経費化していくので、耐用年数が短い建物ほど、年間の減価償却費が多くなって利益が減ることになります。その分、税金が減るため、最終的に税引き後キャッシュフローは多くなります。
減価償却ができるのは、劣化が生じるものに限定されるため、土地は減価償却をすることができません。
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2008/01/28
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