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知っておきたい銀行のノルマの実態。「末残」と「平残」と銀行員の心理

半沢大家さん_画像 半沢大家さん 第10話 著者のプロフィールを見る

2023/10/2 掲載

こんにちは、半沢大家です!だいぶ暑さが落ち着いてきましたね。私は、先月は麻雀を打ったり、7棟目の新築の着工が始まったり、6棟目の新築の足場が外れたりと、秋の風物詩ともいえる(?)イベントが目白押しでした。

これからクロスが張られたり、ポータルサイトへの掲載を始めたりするうちに、気が付けば師走を迎え、今年も終わることになるのでしょう。四季があるって素晴らしいことですね!

6棟目新築の室内の様子です。完成が楽しみです。

10月はありがたいことにオフラインのセミナーに5回登壇する予定です。脱サラをした私の数少ない世間とのつながりの機会ですので、気合を入れて臨みたいと思います。

■「末残」と「平残」

さて、皆さんご存じだと思いますが、銀行にはノルマがあります。最近では投資信託や保険の販売、法人顧客相手の手数料ビジネスなど、銀行の仕事は多岐にわたり、それぞれにノルマが張られているのが実態ですが、今も昔も共通するのは融資に関するノルマでしょう。

銀行の本来の収益の柱である「貸し出しによる利ザヤ」を稼ぐためには、一定の融資残高を維持・拡大していく必要があります。株式会社であるメガバンク・地方銀行などは、この残高の管理と収益の管理はより一層気をつかう分野です。

そして、支店の銀行員は日々このノルマに追われ、本部や上司からの圧力と戦っています(圧力の有無に関しては「銀行による」といいたいところですが、多くの銀行は似たりよったりと予想されます・笑)

そして、ほとんどの銀行で融資のノルマとして設定していると思われる指標が2つあります。皆さんにもぜひ、この指標を覚えておいてほしいと思います。

それは「末残」と「平残」と呼ばれる指標です。

末残:期末の融資残高
平残:期中の融資平均残高

つまり「末残」とは期末の一時点(多くの場合は9月末と3月末)に貸し出している融資残高を指し、「平残」とは期中(4~9月や10~3月)の平均融資残高を指します。

どちらが大事かといえば「両方大事」ということになるのですが、現場の支店の考え方だと、目に見えやすい「末残」に意識が向きやすい傾向にあると思います。銀行員はこの2つのノルマと戦っているということを認識しておきましょう。

■ノルマを抱えた銀行員の心理状態

ノルマというのはなかなかに厄介なものでして(ほかの会社でもそうでしょうが)、来期の目標というのは今期の実績を基にして決定されます。今期の末残実績は、来期の末残平残のノルマ設定に影響を及ぼすわけです。

その結果、何が起きるかというと「今期に頑張りすぎると来期のノルマがきつくなる」「今期の数字はほどほどにしておいて、来期の頭に大きな数字を入れたい」という心理が行員に働きます。

(大きな実績を上げるとその瞬間は評価されますが、来期にはリセットされ、また新たなノルマに向けて檄が飛ぶという展開も多々あるわけです)

つまり、計算高い営業マン・支店長は保身も込めて、不動産融資などの「大きな案件」が3月に入るか4月に入るか(あるいは9月に入るか10月に入るか)を絶妙に調整しようとする傾向にあります。また、「期中に自分の転勤が見込まれる場合にはラストスパートをかける」という心理も働きやすくなります。

職位の高い支店長であれば、審査部への影響力も高いわけですから、ノルマに関連付けられた銀行側のモチベーションが、審査における定量評価を捻じ曲げる展開も否定できません。つまり、ここでも「数字以外の要素が審査に大きな影響を与える可能性」があるということです。

■融資のノルマを知り、都合の良い顧客を目指そう

ここまでの内容を基にして、我々投資家は何をすべきでしょうか?
私見ですが、ここで意識しておきたいことは銀行員と「融通の交換」を行うことです。

最近はコンプラインアンスが厳しく、特に銀行という組織は様々な制約の下で営業活動を行っています。先ほど解説した「ノルマのタイミング」は営業マンにとって重要な要素ですが、銀行側から大手を振って提案することはできないわけです。

そこに我々の努力の余地が生まれます。
こちらから都合の良い顧客になることを意識し、銀行側が欲している「融通」を酌んだ動きを行うことで、銀行に恩を送ることができるわけです。

その恩は「融資承認」という形で返してもらえば良いでしょう。また、頭金割合や金利やその他細かい条件をこちらに有利になるように取り計らってくれる可能性も増えます。

恩送りの具体的な例には、次のようなものが考えられます。

・数字の足りてない支店には「9月、3月に融資実行となる案件」を送る
・数字が足りている支店には「10月、4月の融資実行でも問題ない」旨を伝える
・転勤が近いというメッセージには「その人が在籍中に数字になる」案件を送る

当然、良い案件がない中で銀行のためだけに動く必要は全くありません。しかし、良い仕入れができるという前提があれば、銀行の内部を理解し、タイミングを合わせた案件の組み立てがあっても良いと思います。

今月はここまでです!また来月お会いしましょう!

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※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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プロフィール

半沢大家さん

半沢大家さんはんざわおおや

埼玉県在住
サラリーマン大家
家族は妻と息子

プロフィールの詳細を見る

経歴
  • □1989年
    東京都で生まれる。
    その後、父の出身地群馬県で幼少期を過ごす

    □2012年
    地元群馬県の銀行に就職

    □2017年
    書籍から不動産投資を知り、没頭
    不動産の勉強を進めると共に、銀行内部で不動産審査を学び始める

    □2018年
    群馬県前橋市に建売新築アパート(8室)を購入

    □2019年
    群馬県伊勢崎市に新築アパート(8室)を建築
    埼玉県熊谷市に更地(駐車場4台)を購入
    銀行から別の金融業界へ転職

    □2020年
    群馬県伊勢崎市に新築アパート(8室)を建築

    □2021年
    群馬県高崎市に新築アパート(10室)と戸建て(1戸)を建築
    群馬県伊勢崎市に中古鉄骨マンション(16室)を購入

    □2022年
    群馬県高崎市に新築アパート(8室)を建築
    群馬県太田市に中古木造アパート(8室)を購入
    群馬県前橋市に中古木造アパート(12室)を購入

    □2023年
    群馬県太田市に新築アパート(6室)を建築予定

    家賃年収5,700万円
    保有戸数85室
    残債44,000万円
    返済比率47%
    ※建築中の新築を含みます

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