当時の所有戸数は稼働中のものが13戸しかなく、買ったばかりのガラガラ物件が16戸。合計29戸しかありませんでした。( いま思うといささか無謀だったかもしれません・笑 )
ただし何の準備もせず独立したわけではありません。今回は、独立に当たって私が強く意識したポイントをご紹介したいと思います。
■ 独立してもプロパー融資してもらえるのか!?
専業大家になりたいと思っておられる方が一番心配なのが、融資のことだと思います。
サラリーマン大家さんは融資が付きやすいといわれていますから、サラリーマンという身分を捨てるのには、大きな抵抗感があると思います。
「 融資 」とひとくくりにすると、どうしてもぼんやりしてしまうので、
@政策公庫や保証協会融資のような「 公的融資 」
Aスルガ銀行やいろんな地銀が出しておられる「 パッケージローン 」
B金融機関がリスクを負って貸し出す「 プロパーローン 」
という3つに分けて考えると、独立したあと利用できなくなるのは、Aのパッケージローンの部分ではないかと思います。
いくつかの銀行さんが出しているパッケージローンの商品説明を読むと、「 一定の年収がきちんとあること・・・ 」という要件が入っています。
例えば、みずほ銀行のアパートローンは「 安定した収入のある方で、前年度税込年収 200 万円以上の方 」という要件が入っております。独立したての専業大家さんは不安定の極み( 笑 )ですので、きっちりと対象外になってしまいます。
しかし、サラリーマン大家としてすでにプロパーローンを利用できている方だったら、その手腕と事業性がすでに認められているということですので、独立後もプロパーローンを利用できる目安になるのではないでしょうか?
私は商工中金さんからプロパーローンを出していただいたあと、仲良くなった担当さんにこっそり聞いてみました。
ぺんた
「 任期が切れたあと独立しようと思うのですが、次の物件でご融資していただくのは可能でしょうか? 」
すると、
商工中金の担当さん
「 ご融資した物件が満室化できれば実績もできていますから、そのときは次の物件の収益性次第です! 」
とおっしゃっていただけたので、意を強くして独立に踏み切りました。
■ 公的融資は独立後に備えて温存
私は独立を意識し始めたころから、あえて@の公的融資を使うのは後回しにしていました。政策公庫や保証協会は独立したての零細事業者にも融資してくれますよね。
ですから、独立したあとに民間銀行のプロパーローンを利用できなくても、当面はこの2つを利用することで一定の規模まで展開できる・・・と考えて保険をかけておいたのです。
そういう意味では、独立後に備えてサラリーマン時代にはあまり枠を先食いしないほうが、会社を辞めてからも安心かもしれませんね(^_^)
ちなみに独立してから最初に購入した重量鉄骨物件は、民間金融機関がどこもプロパーローンを出してくれなかったので、政策公庫でお世話になりました。
幸い、独立後に購入した15棟+低圧太陽光1基で、公庫利用・保証協会利用ともに、各1件だけに留まっています。他の14件はすべてプロパーローンを利用できていますので、現在でも融資枠はほぼ温存中です!
■ 満室にできる自信があるか?
生意気な言い方になってしまうかもしれませんが、他の業界に比べて賃貸経営は、そんなに難しいことではないと思っています。
単純にいうと、
・物件を適切な値段で買える
・お客様に選ばれるお部屋( という商品 )を作れる
・それを満室に出来るノウハウがある
という3点をきっちり押さえていたら、大やけどはしない業界ではないでしょうか?
ですから、サラリーマン時代にこれらのノウハウをきっちり身につけておくことが重要だと思います。しかも、この3点を押さえて成果を出せば、自ずと銀行のプロパー融資もついて来ますしね(^_^)
私は独立前に、3方向が田んぼに囲まれたボロガラ物件を満室にした経験が、大きな自信につながりました。
■ 難しい意識改革
いちばん難しいのは、サラリーマンの意識から、自営業者の意識に切り替えることができるかどうかだと思います。
サラリーマンというのは役割分担がありますから、悪くいうと集団無責任体制でもあります。その中で、自分の責任範囲は限定的なので、のらりくらり立ち回って手抜きをすることすら可能です。
しかも、いったん配属された職務から離れることは、そんなに多くありません。営業から経理へ、物流から企画への職種変更などは、そんなにあるものではないので、幅の広い経験を積むことが難しい環境です。
いっぽう、自営業者というのは経営にまつわる全てを自分で切り盛りしないといけない職業です。
しかも、手抜きをしたら業績悪化や破綻という形でブーメランが返ってきますので、例え苦手分野でも「 じぶんごと 」として取り組まなければなりません。
「 苦手分野は管理会社や業者に任しちゃえばいいじゃないか!? 」
という声が聞こえて来そうですが、第三者を使うにも的確な指示が出せなければ仕事はうまく回りません。事業の隅々まで目配りし、プロに任せるとしても彼らと最低限意思疎通できるコミュニケーションスキルは必須だと思います。
会社勤めにウンザリしたから・・・とか、キャッシュフローが○○万円になったからという理由だけで専業大家になるのにはいささか早計で、困難なことにめげないタフな精神力と、壁を打ち破る行動力が宝物だと私は思います(^_^)
最後にお知らせです。「 大家業界のレアキャラ 」と某大家さんに命名されてしまうほどめったに顔出ししない私ですが( 苦笑 )、健美家さん主催の「 投資家交流会2018in東京 」( 9月1日(土))には出席させていただきます。
参加される方、もしよかったら、会場で声をかけて下さいね(^_^)/~~
