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東京・西麻布でシェルター整備。果たして街の価値、不動産の価値は上がるのか。

不動産投資全般/社会問題・情勢 ニュース

2024/03/05 配信

東京イメージ

東京都が港区西麻布にシェルターを整備することを発表して注目を集めている。弾道ミサイルなどが着弾するという万が一の事態に備えるもので、都営地下鉄大江戸線の西麻布駅に併設されている防災備蓄倉庫を活用するというものだ。

北朝鮮が日本海側に向けてミサイルを発射することが常態化し、中国からのミサイルも日本は射程圏になるため、国は万が一のミサイル飛来などに備えて都道府県に避難施設の指定を求めている。

戦争だけではない有事に活用できる

このシェルターが設置される街というのは、街の評価、ひいては不動産の価値にどのような影響を与えるのかが気になるところだ。

シェルターが備えている街は安全性が高まるのか、それともシェルターを備えるということはそれだけ敵国から標的にされやすいエリアであると判断されて安全性に対する評価が下がるのか。麻布エリアの不動産事業者は、

「街の評価としては上がると思う。シェルターは、なにも戦争だけではなくて、巨大地震などの自然災害時での地域住民の生活を守る機能が働く。今回のシェルターは、そもそも防災備蓄倉庫を改造して作るもので、災害時での街の強靭化につながると思う」

と話す。

一方で、周辺の区市町村からは、

「なんで西麻布なのか。東京都は金持ちの命だけ守ればよいと思っているのか。どうせ発表するなら東京都全体でのシェルター整備計画を作成してから発表すればよい話だ」

として、単にエリア間の分断を生むだけだとの声も聞かれ、

「都心部とは違いミサイルの標的にはなりづらくても、震災や洪水被害は都内どこにでも起こり得る話だ」(城東エリアの不動産事業者)。

東京都は2024年度の当初予算案に地価シェルターを整備するための調査費を盛り込んでいている。

世界を見渡せば、ウクライナや中東で戦争が行われ、将来的に新たな紛争地となりそうな地域も少なくない。日本は第二次大戦以降、平和を保ち続けているが、中台関係の悪化や朝鮮半島有事が勃発しないとは言い切れない情勢になっている。

民間会社は家庭用シェルター販売

そのような危機意識を踏まえて家庭用核シェルターを製造・販売する会社もある。静岡県浜松市の株式会社シェルタージャパンでは、大人が3人収容可能なシェルターを1298万円(税別)で販売している。

同社のホームページを見ると、対応する災害として核攻撃を想定し、原発の放射性物質に対応するほか、生物兵器(炭そ菌・コレラ菌等)、化学兵器(サリン・VXガス等)にも対応できるとする。世界最速水準の陽圧システムによって外部からの放射性物質や化学兵器、生物兵器の物質侵入を完全に防ぐという。

1500度でも鉄が溶解しない特許技術で生存率が上がる。マンションでも戸建て住宅でも設置できる分解・組み立て可能なシェルター。平時の際には、酸素カプセルルームなどとしても使える。

このほか、津波シェルターも製造・販売している。入り口部分は鉄製の2枚扉で、地震や津波など猛烈な破壊力を伴う災害や火災であっても耐えられる構造。完全固定の半地下タイプで地上1.4m+地下1.4m、幅1.4m、厚さは鉄板9mm+15cmのサイズだ。津波による激突物を想定した強固な構造だとする。

戦争になれば全ての価値が損なわれる

ただ、そうした備えを真剣に考える国民がどれほどいるのか。また、地方とは違い東京都などの大都市の場合、家庭用核シェルターを備えられる広さをもつマンションや戸建て住宅に住んでいる人がどれほどいるのか。

結局は、自治体が街全体のセキュリティー計画を策定して整備すべき問題である。いずれにしろ、実際に戦争が始まれば、日本の主要都市で街の価値、不動産の価値を気にしているように状況ではないことは確かだろう。むしろ負債を抱え込むだけだ。地震保険や火災保険に加入していても、戦争で住宅が破壊されるなどの被害は免責事項になっているはずだ。

健美家編集部(協力:若松信利(わかまつのぶとし))

■ 主な経歴

学生時代から不動産に興味を持ち個人的に不動産関連の記事を多数執筆。大学卒業後、不動産関係情報誌に20年以上勤務。現在は都内のIT会社に勤め、副業でいくつか投資関連の記事を担当・執筆する40代サラリーマン。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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