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年収下落が続くニッポン人。マンション価格の年収倍率が購入者の属性を浮かび上がらせる

不動産投資全般/市況 ニュース

2023/11/14 配信

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岸田政権は11月10日、2023年度補正予算案を閣議で決定し、月内に補正予算を成立させる。一般会計歳出の約13兆円のうち、物価高対策や賃上げの推進などの経済対策が大半を占めた。

この賃上げについては、政府が民間に強く促しているものだが、一部の大手企業で賃上げができたとしても国内企業の99%を占める中小企業では思うように進まないとみられている。所得の格差は拡大しているが、企業間だけでなく、地域間でもそれが顕著となっている。

東京都は新築・中古とも全国最高の14倍

住宅・不動産分野では、分譲住宅の購入価格が年収の何倍に当たるのかで表せる。不動産調査会社の東京カンテイがこのほど公表した2022年時点の「新築マンション」と「中古マンション」の年収倍率は、全国平均でそれぞれ9.66倍と7.27倍だった。

新築は6年連続で拡大し、中古は初めて7倍台に達した。適正な倍率は5倍程度とされていることを考えれば、マンション購入は背伸びをしなければ手に届かない代物になっている。

同社では、各都道府県で分譲された新築マンション価格(70㎡換算)を平均年収で除して新築価格が年収の何倍に当たるかを算出。その年収は内閣府発表の「県民経済計算」を基にした予測値を使用している。中古マンション価格(70㎡換算)でも同様で、2022年における築10年を対象に何倍かを算出。

この倍率を東京都で見ると、新築価格は14.81倍となり、中古価格も14.49倍である。新築・中古ともほぼ同じ倍率となっており、一般的な中小サラリーマンにとってマンションは手を出せる水準ではなくなっている。

新築は用地代や建築資材費、労務費、エネルギーコストが上昇するなどで販売価格が上がるが、中古も連れ高となっている。

この分譲価格の伸びに対して年収の伸びが追い付いて行かないのが現状である。全国の平均年収を見ると、436万円(前年454万円)と落ち込んでいる。東京都の平均年収は578万円(前年570万円)で全国平均よりは伸びているものの、物件価格の上昇に比べればスズメの涙ほど、焼け石に水である。

新築倍率

中古倍率
東京カンテイ提供

投資ニーズ引き付け京都府が東京に次ぐ倍率

まず新築を全国的に俯瞰すると、年収が低下する中で高額マンションの供給が相次いでいることで、首都圏や近畿圏では5都府県で12倍以上となった。

首都圏では千葉県(9.77倍・平均年収481万円)を除いて1都2県で過去17年間での最高値を記録した。特に神奈川県(12.42倍・平均年収472万円)が前年から2.37ポイントと大幅に拡大し、埼玉県(12.38倍・平均年収450万円)でも前年から1.34ポイント拡大して12倍超を記録した。

近畿圏でも兵庫県を除く2府3県で過去17年間での最高値を記録した。大阪府では12.45倍(平均年収473万円・前年487万円)となり、特に京都府(平均年収441万円・前年454万円)が前年から2.07倍拡大し、13.66倍と東京に次ぐ倍率を記録した。

次に中古を全国的に俯瞰すると、首都圏と近畿圏が全国平均初の7倍台突入のけん引役となった。首都圏平均は前年から2.27ポイント拡大して11.21倍となり、1都3県すべてで拡大した。埼玉県(10.87倍)と神奈川県(10.43倍)が10倍を超えた。

近畿圏も2府4県すべてで拡大した。富裕層による実需や投資ニーズが高いことで京都府(11.35倍)と大阪府(10.45倍)はそれぞれ2.34ポイント、2.12ポイント拡大して一気に10倍を超えている。

大都市圏ほど分譲マンションの購入がしづらい環境となっているが、富裕層をターゲットにしたマンション開発が、そうではない一般的なマンションの相場を新築・中古とも押し上げている。

ちなみに2022年の年収が前年よりも上がった全国都道府県は、青森県(373万円、前年372万円)、東京都(578万円、前年570万円)、山梨県(475万円、前年457万円)、奈良県(442万円、前年437万円)、岡山県(445万円、前年418万円)、熊本県(425万円、前年391万円)、宮崎県(401万円、前年399万円)、鹿児島県(389万円、前年365万円)となっている。

健美家編集部(協力:若松信利(わかまつのぶとし))

■ 主な経歴

学生時代から不動産に興味を持ち個人的に不動産関連の記事を多数執筆。大学卒業後、不動産関係情報誌に20年以上勤務。現在は都内のIT会社に勤め、副業でいくつか投資関連の記事を担当・執筆する40代サラリーマン。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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