
2022年6月頃から
新幹線高架橋の工事に着手
JR北海道は、東京駅と新函館北斗駅とをつなぐ北海道新幹線について、札幌駅まで延伸する工事の予定を発表した。
延伸工事が完了すると、東京から新函館北斗より北にある長万部や新小樽などを経由して札幌までダイレクトにアクセスできるようになる。

※引用:北海道
北海道新幹線が札幌まで延伸される計画は2012年には既に決まっており、新青森から新函館北斗までは2016年に開通しているが、これは延伸計画の第一弾だったことになる。
また、札幌までの延伸については当初2035年完成予定だったが、計画が5年前倒しされて2030年度末には開通する予定で工事が進められることとなった。
JR北海道は2022年3月16日に札幌駅新幹線駅舎のデザイン案及び駅全体の計画を発表しており、同時に今後のスケジュール概要も明らかになっている。


※引用:JR北海道
JR北海道は、東京から札幌までの所要時間について、4時間半での運行を目指すと発表している。
ただし、所要時間については新幹線の速度規制緩和が認められれば4時間半での運行を実現できるというもので、最終的な所要時間はまだ未定と言っていい。

2022年時点では、東京から札幌までの主な交通手段は飛行機であり、飛行機での所要時間は概ね1時間半から2時間弱となっている。
所要時間だけで見れば新幹線より飛行機の方が早いものの、飛行機は風雪の影響を受けやすいため、冬は特にダイヤが不安定で定時運行が困難な時期もある。
自治体によっては定時性と安全性が高い新幹線の開通を歓迎しており、年間を通じた観光振興などに大きな期待を寄せている。
試算経済効果は
約2兆5,000億円
2013年と10年近く前に算出されたデータではあるが、北海道が試算したところによると、北海道新幹線延伸による経済効果は約2兆5,000億円に上るという。また雇用創出効果は約20万人で、こちらもかなり大きな数字だ。
なお、新幹線の延伸による交流人口の変化についても試算されており、東北または関東から道央・道南などへの交流人口は42.4万人増えると予測されている。

北海道内から道外または道内への交流人口も40.6万人増える試算だ。ただし、こちらは北海道内での消費が増えるわけではないとして、経済効果は試算されていない。
その一方で、過去の記事でも紹介しているように、札幌駅の周辺ではかなりの数の再開発計画が持ち上がっており、札幌の街全体が盛り上がっていくことも期待されている。
※参照:再開発に沸く札幌。今度はJR札幌駅・市営地下鉄大通駅近くで複合施設の建設がスタート!
2022年4月までの時点では、日本全国のコロナ感染者数が連日数万人単位になるなど、引き続きコロナの収束時期は見通せない状況だ。
果たして試算通りの経済効果があらわれるのか、実際に新幹線が開通してみないとわからないところではあるが、試算されている数字が大きいだけに、札幌を中心とした北海道の盛り上がりを期待したい。
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取材・文:
(はたそうへい)https://writing-portfolio.com/