円安はどこでも同じ
米国本土から見たらハワイが特別ではない
前回にオアフ島を訪れて大規模開発プロジェクト「ワードビレッジ」について執筆したのは2022年の8月。対米ドルの円の仲直が135円ぐらいで、年初が115円だっただけに円安になったものだと感じたが今となっては序の口だった!
2023年11月13日には151円80銭まで値下がり、特にハワイは「1日の食費が5万円かかった」「ラーメン屋で1万円した」(共に家族4人設定である)など面白おかしくメディアの話題になったせいですっかり高嶺の花のイメージになっているのではないだろか。
さて、2023年11月29日にオアフ島を訪れた。円レートは147.44円。筆者は米国本土オレゴン州ポートランドにも居を置いているので、そもそもハワイだけ物価が高いわけではないと思っている。
ポートランドでもクロワッサンが5ドルするし、ホテルなどカリフォルニアではもっと高いところもざらだ。夏にサンタモニカを訪れたら、パーキングだけで1日40ドルもした。
そんなわけで、ワイキキはUberやLyftでタウンを巡れるし、1回3ドルのバスもある。歩いて回れる範囲でスーパーマーケットもたくさんあり、生活しやすいと思うぐらいである。
ただ、日本からとなると航空運賃のベースも燃油サーチャージも値上がっている点が厳しいとは思える。ハワイ州観光局の観光統計によると日本渡航者数は60,044人(22年は24,339人)と、さすがに最多だった2019年対比では55.4%減だが、1月にはまだ73.17%減だったので回復の兆しは大いにうかがえる。
リピーターも多いラグジュアリーなホテルは
日本人もかなり増えていた
そんなワイキキに滞在した実感は、景気のいい米国本土からの人もホリデーに訪れ、日本人も昨年よりはかなり増えているように見受けられた。コロナ禍の間にリブランドやリノベーションをしたホテルなども多く、にぎわっていた。
ワイキキの「天国にふさわしい館」の名を持つラグジュアリーホテル「ハレクラニ」も21年10月に改装を終えて、1世紀の歴史的な装いは変わっていないが、さらに7色の白と呼ばれる美しいホワイトの色味が引き立って見えた。宿泊料金は670.ドル~(税抜き)である。ホテルにうかがったところでは、只今の4割は日本人のゲストとのこと。
この「ハレクラニ」の姉妹ホテルで約1年の大規模改修工事後グランドオープンした「ハレプナワイキキ バイ ハレクラニ」もスタンダードで430ドル~という価格帯だが、11月は稼働率は80%弱、そしてそのうちやはり4割は日本人ゲストだったという。
両ホテルとも三井不動産の所有であり、日本人のリピーターも多いわけだが、これぐらいの価格帯のホテルに宿泊する層は、かなり戻ってきているという感じがした。(宿泊料金は共に2023年11月時点)
いよいよ高層の街という感じになってきた
ワードビレッジ
さて、高層の高額不動産物件が並ぶ大規模開発プロジェクト「ワードビレッジ」は定点観測に訪れた。7万3千坪、開発を手がけるのは米国の大手ディベロッパー「ザ ハワード ヒューズ コーポレーション」だが、三井不動産リアルティとレジデンス販売の提携をしており東京・六本木にジャパン・ギャラリーも設けられている。
開発が始まったのは2010年で、全14棟のうち11棟までが竣工および建設中となり、かなり街の様相を呈してきている。
海側の最前列に立つ棟が前に遮るものがなく、価格も高額になるが、最初に出来た「ワイエア」から6年ぶりに2019年に誕生した「ヴィクトリア プレイス」は完売という人気である(ちなみに先行販売時で120万ドル~という価格帯)。
これから販売の最新棟「ラウニウ」にはステュディオ・タイプで販売時から100万ドルを切るものも含まれ、これから現地ではショーケースも作られるそう。
現地のギャラリーを訪れる日本人も徐々に増えて来ているらしい。今年9月に無添加生地・国産小麦粉の「日本の焼きたてパン」を提供する「おかやま工房」がオープン。毎日、行列だそうで、訪れた時も店外まで人があふれていた。
日本にいると、とにかく高いということで取り沙汰されているハワイ。しかし現地はコロナ禍後、明らかに活力を増していると感じた。
執筆:
(おのあむすでんみちこ)