
※引用:新潟市
2025年度に
工事完了の予定
新潟市は市の中心とも言える新潟駅の南口で「新潟駅南口西地区新潟都心地域優良建築物等整備事業」と称して複合開発を進めている。
開発エリアは新潟駅南口を出てすぐの広場西側で、もともとは駐車場として活用されていたところだ。

当該事業はオフィス棟・住宅棟・駐車場棟の3棟を建設するもので、各建物の規模は以下のようになっている。
- オフィス棟:10階建て・延床面積約8,800u
- マンション棟:32階建て・219戸供給予定
- 駐車場棟:8階建て・予定駐車台数517台
今年の9月から整地工事が始まり、整地工事が完了したら10月から建物の建築工事が始まる予定となっている。建築工事の完了予定は2025年度だ。
なお、棟によって竣工予定が異なっており、マンション棟と駐車場棟は2025年8月、オフィス棟は2026年2月に竣工予定となっている。
当該事業の主な狙いは以下3点だ。
- 新潟駅の交通利便性を活かしたオフィス機能の整備
- 先端技術を持った人材を育成可能とする専門教育施設の誘致
- 産官学の連携拠点となるビジネス交流の場を作ること
新潟市のホームページに建築物の主要用途が「業務施設・学校・住宅」と記載されているのは、上記事業の狙いを反映したものと考えられる。
なお、予定されている建物に学校は含まれていないことから、オフィス棟にIT関連などの専門学校が誘致されると予測される。
新潟駅の周辺には新潟大学や開志専門職大学という大学などのキャンパスがあるが、周辺ではさらに学生などの若年層が増えることも期待できるだろう。

建物規模の大きさから住宅棟に目が行きがちだが、当該事業には20歳前後の若年層による賃貸需要の喚起も期待できると言える。
新潟駅の南口は駅前広場の整備と
バスタプロジェクトで大きく変化する見込み
新潟駅の南口における開発計画はあともう2つある。1つ目は大型交通ターミナルの建設計画で、2つ目は駅前広場の整備計画だ。
「バスタプロジェクト」と称して日本全国で交通ターミナルの建設を進めるプロジェクトの中に新潟駅前も含まれており、2020年から今年7月までの間に計画検討会が7回開催されている。
検討会が最初に開催された2020年に国交省と新潟市が共同で作成した資料によると、新たな交通ターミナルの必要面積は約6,000uと想定されており、既にターミナルの整備候補地もほぼ決まっている状況だ。

※引用:国土交通省
直近である今年7月に開催された検討会の資料を見ると、今後の流れとしては市場調査と事業者の公募準備が予定されており、事業者を決定した後に設計と施工が行われるようだ。
なお、新潟駅の南口ではバスタプロジェクトのほかに万代(ばんだい)広場の整備事業も進んでおり、こちらは2025年の完成が目標とされている。

※引用:新潟市
新潟市のホームページを見ると、2022年6月時点で既存建物などの撤去が進んでいることがわかる。
交通広場の整備と交通ターミナルの建設が完了すれば、新潟駅の南口はかなり様変わりするだろう。
バスタプロジェクトに関しては過去の検討会開催ペースが半年に1回程度であり、コロナの影響があってか、2020年に計画が持ち上がった当初からかなり遅れているようにも見える。
しかし、新潟駅周辺の活性化を見据えた駅前広場の整備と併せて今後の展開に期待したい。
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取材・文:
(はたそうへい)