射水市は工業と漁業の都市
富山県の射水市(いみずし)という都市で大型商業施設の開発計画が進んでいる。射水市は富山県の県庁所在地である富山市の西に隣接する都市だ。
※引用:射水市
射水市の主な産業は工業や漁業などだ。一方で、市の北端にある「新湊大橋(しんみなとおおはし)」は、日本海側で最大級の斜張橋(しゃちょうきょう)として有名であり、観光名所の1つとなっている。
斜張橋とは、柱から斜めに張ったケーブルで吊り支える構造の橋のことを指す。横浜ベイブリッジなどもこの構造になっている。
射水市は市内の工業を促進するべく、富山新港の沿岸部に「富山新港臨海工業用地」を設け、内陸側のエリアにも複数の工業団地を設けて企業向けに分譲している。
そのほか、富山県の産業としては化学工業や金属関連の産業などが盛んであり射水市も同様だ。富山新港の周辺には住友化学やアルミ加工品大手の三協マテリアルなどが工場を構えている。
漁業としては、富山県の代表的な水産物である、シロエビやベニズワイガニなどの天然魚介類が水揚げされることで有名だ。
また、港湾エリアには近畿大学の水産研究所があり、水深100メートルの海洋深層水を利用した養殖の研究・技術の事業化が進められている。
市のホームページによると、今年6月末時点で射水市の人口は91,038人で世帯数は36,678世帯。直近5年間の推移を検証すると、人口は減少を続けているものの、世帯数は増加し続けている。
多くの地方都市と同じように、射水市も少人数世帯が増えている状況だ。
不動産投資の観点で見て、射水市は知名度の高いエリアではない。しかし、進出している企業には大企業も多く、大きな大学の研究・実験場があるなど「地方だからと侮れないエリア」であると言えるだろう。
惜しむらくは、市内に北陸新幹線の停車駅がないことだろうか。東京方面からの新幹線は、富山駅の次は射水市内を通過して新高岡駅に停車する。
今年の11月から12月にかけて大型商業施設がオープン予定
射水市内では現在「射水市 本開発地区 区画整理事業」という土地区画整理事業が進んでおり、その中にニトリやドン・キホーテなどの大手小売店舗が出店する予定となっている。
出店先は北陸自動車道の小杉インターチェンジから国道472号を北進した先で、射水市役所からほど近い場所だ。
※引用:富山県
商業施設の名称は「射水アイタウンⅠ」と「射水アイタウンⅡ」の2つ。
Ⅰの方は店舗面積10,513㎡の大規模施設で、予定駐車場台数は506台。今年の11月15日に開店予定となっている。なお、入るテナントは家電量販店のケーズデンキや家具のニトリなど。
現在わかっているⅡの予定テナントはドン・キホーテのみで、こちらは店舗面積が2,717㎡、予定駐車場台数が120台。開店予定日は今年の12月1日だ。
前述の通り射水市内には新幹線の停車駅など大きな鉄道駅が無いので、商業施設としては幹線通り沿いにロードサイド店舗が集まっている。
射水アイタウンⅠ・Ⅱの向かい側には「イータウン大島」という大型のショッピングモールがあり、近隣住民はここに来れば大体のものを揃えられる。
ドン・キホーテも富山県内には富山市と高岡市に出店しており、射水市内の出店は初めてだ。
知名度の高いディスカウントストアが出店するとなれば、集客の期待も大きくなるというもの。今後の展開に要注目だ。
取材・文:
(はたそうへい)