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埼玉県越谷市のランドマーク、越谷サンシティ建替え計画進行中。地域の復権を目指す

都市計画・再開発(地域情報)/横浜・川崎・千葉・埼玉/首都圏 ニュース

2022/06/05 配信

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2024年まで営業が続けられる現在の越谷サンシティ。核テナントのイオン南越谷店は、2016年まではダイエー南越谷店だった

埼玉県南東部に位置し、約34万人の人口を抱える中核市の越谷市。その中心といえるのが、JR武蔵野線の南越谷駅と東武スカイツリーラインの新越谷駅が隣り合うエリアだ。ここから徒歩5分ほどの場所にあるのが複合型商業施設の越谷サンシティで、2029年のリニューアルオープンに向けた建て替え計画が進んでいる。

半世紀にわたって親しまれた複合施設が
越谷市の主導で建て替えリニューアル

1979年の誕生以来、越谷市民に愛されてきた越谷サンシティ。約2万㎡もの広大な敷地に建つこの複合施設は、イオン南越谷店などが入る商業施設棟と越谷コミュニティセンターなどが入る公共施設棟に分かれている。

越谷コミュニティセンターは約1600名を収容できる大ホール、小ホール、展示ホールなどを備え、文化や芸術の拠点施設としてお馴染みだ。ほかにも越谷市の南部出張所や南部図書館があり、市民にとって不可欠な施設といえるだろう。

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赤で囲った場所に位置する越谷サンシティ。JR南越谷駅、東武新越谷駅からも近く、約2万㎡という広大な敷地は大きな魅力になっている
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南越谷駅と新越谷駅はともに1日平均乗降客数が15万人を超えるが、乗り換え利用が多く、駅の外へ向かう人が少ないのも課題だった
マップ2
西側の商業施設棟と東側の公共施設棟で構成される越谷サンシティ。南部図書館は商業施設棟の6階にある(出典:越谷市)

建てられたのは40年以上前だが、公共施設棟は当時の流行りだったモダニズム建築のたたずまいが存在感をアピール。1階と2階に広場を設けたゆとりのある敷地の使い方のおかげで、ヴィンテージマンションのような魅力を放っている。

しかしながら、1998年に新越谷駅直結の商業施設である新越谷ヴァリエが、2008年には隣町にイオンレイクタウンがオープンしたことで、越谷サンシティ周辺のにぎわいも徐々に減少していった。

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新越谷駅の西側ロータリー前。もともとは地上駅だったが、踏切による渋滞解消のため1994年に高架化。1998年に駅ビルの新越谷ヴァリエがオープン
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JR武蔵野線の隣駅前にイオンレイクタウンができたことで商圏も大きく変わり、にぎわいの減少の一因になった
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イオンレイクタウンに隣接する大相模調節池。周辺は公園として整備され、多くの住民の憩いの場として利用されている

こうした状況の中、2018年に越谷市は「(仮称)南越谷駅・新越谷駅周辺地域にぎわい創出事業構想案」を策定。南越谷駅と新越谷駅周辺地域におけるにぎわいの創出と、今後の越谷サンシティのあり方について検討を行ってきた。

その一方で商業施設棟の管理・運営を行ってきた第三セクターの越谷コミュニティプラザ(KCP)は、経営不振によって解散が決定。越谷市がKCP所有分の土地・建物を購入し、越谷サンシティ全体の所有権を取得したことで、再開発計画が一本化された。そして、2019年に越谷市は「越谷サンシティ整備基本計画」を決定し、整備コンセプトや施設機能などの方向性が明らかになった。

激動する時代の変化を見極めながら
市民から愛されるまちづくりを目指す

新しい越谷サンシティは、これまでと同じように公共施設と民間施設によって構成。イベントホールや図書室、出張所、広場といった機能も引き継がれる予定だ。そして、民間施設には、公共施設との相乗強化が期待できる内容がこれから決められていく。

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商業施設棟の西側にある出入口。地下1階から地上7階まであり、イオン南越谷店のほかにキャンドゥやアミューズメント施設、専門店、飲食店が入る

整備コンセプトには、以下の4点が盛り込まれている。1つ目は「シビックプライド(郷土愛)を醸成するシンボリックな空間の形成」である。

全国の都市で均質化が進み、その土地ならでは個性が失われる中、「センシュアス・シティ(人が肌で感じられるまち/五感で感じられるまち)」として南越谷ならでの魅力を発信。これまでの歴史や時代の変化などを踏まえ、市民のシビックプライド(郷土愛)を醸成するシンボリックな空間を目指す。

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北側から公共施設棟を見たところ。植栽がこまめに手入れされているため、築40年以上という古さを感じさせない

2つ目の「人を育て、人から愛される施設」は、まちづくりの主役は市民という考えから生まれたものだ。

魅力的なまちづくりには、市民自らが実現したいことを掲げ、主体的に活動することが欠かせない。ホールや広場を利用したイベントの開催など、市民の参画を促進するためにはどのような仕組みが必要なのかといったことが、これからも検討されていく。それによって、市民から愛される施設になる。

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南側から商業施設棟を見たところで、裏通りのため日中でも人影は少ない。この通りにもにぎわいが生まれる再開発が望まれる

3つ目は「広い視野を持った『にぎわい』づくりと経済効果の実現」。

これは人口減少による市税収入の減少など、将来を見据えた上での「にぎわい」づくりや経済効果の追求が求められるということ。子や孫の世代のために、将来に負担を残さない経済を確立し、南越谷駅や新越谷駅周辺だけではなく、中核市として埼玉県南東部を牽引する施設になることを目標とする。

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東側から公共施設棟を見たところ。主な施設はさまざまな規模によるホールで、中でも約1600人を収容できる大ホールは約80%の稼働率を誇る

最後の4つ目は「最新テクノロジーの導入、活用」で、コロナ禍によってテレワークの実践など、新しい生活様式が浸透したことを反映させたもの。

例えば鉄道、バス、タクシーなどのさまざまな輸送サービスを統合的に提供するMaaSを活用すれば、新しい越谷サンシティとその他の地域との往来も容易になるだろう。こうした時代の変化を捉え、最新テクノロジーの導入・活用によって、新たな越谷サンシティの整備が行われる。

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新しい越谷サンシティは市民の地元愛がさらに育まれる施設として生まれ変わる。周辺の様子も大きく変わっていくだろう

現在のテナントや施設は2024年まで営業を続け、並行して再開発の詳細や事業者の選定などが決められていく。そして2025年から解体がスタートし、新生越谷サンシティが誕生するのは2029年を予定している。

健美家編集部

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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