
2004年にスタートした大規模開発事業が
権利変換計画の認可を受けいよいよ本格始動
現在、東京メトロ日比谷線および都営大江戸線「六本木」駅から西へ約300m、「六本木ヒルズ」に隣接する約1.6haの区域で再開発計画が進んでいる。
その名称は「西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発事業」(施行者:西麻布三丁目北東地区市街地再開発組合)。
東京都港区西麻布三丁目及び六本木六丁目各地内において計画されている、住宅・事務所・商業・ホテルの超高層棟と三寺社からなる複合再開発だ。
事業者である野村不動産とケン・コーポレーションの2社は、2023年2月15日に同事業が権利変換計画について東京都知事の認可を受けたと発表した。
同事業は、2004年5月にまちづくり協議会、2013年に市街地開発準備組合が発足し、2019年4月に都市計画決定、2020年9月に再開発組合設立認可がおりていた。
2社発表のリリースによると、計画地は緊急輸送道路に指定されている補助10号線(テレビ朝日通り)の未整備、沿道の耐震性が不足する建物の存在、緑や公園等のオープンスペースの不足などの課題を抱えていたとのこと。
これらを解消すべく、同事業では制震構造の超高層棟に住宅・事務所・商業機能を導入。周辺市街地と調和した緑豊かで魅力ある複合市街地の形成を目指すとしている。


六本木ヒルズなど周辺地域との回遊性も考慮
六本木・広尾エリアのさらなる活性化を目指す
計画地が国際色豊かな西麻布、六本木エリアにあるということで、場所柄に相応しい外資系ラグジュアリーホテルブランドも誘致。
併せて都市計画道路であるテレビ朝日通りの拡幅や、「六本木ヒルズ」を含む周辺地区との回遊性を高める歩行者デッキの整備、地域の拠点となるオープンスペース(広場)の整備、地区内の3つの寺社の再配備なども行うという。
建物の規模は、超高層棟が建築面積約3,840u、延べ面積約97,010u 、建築物の高さは約200m、地上54階地下4階建
寺社(3棟)が、建築面積約約1,120u、延べ面積約約2,740u、建築物の高さは約11〜15mとなる予定。
主要用途は住宅(約500戸 ※権利者住戸含む)、事務所、商業、ホテル、 神社及び寺院並びにこれらに付属する建築物、子育て支援施設となっている。
設計は株式会社梓設計(基本設計) 株式会社梓設計・大成建設株式会社一級建築士事務所(実施設計)、特定業務代行者は大成建設株式会社、参加組合員は野村不動産株式会社・株式会社ケン・コーポレーション。
今後は2023年度に工事着工(解体工事含む)、2028年度工事竣工、2029年に組合解散(全て予定)というスケジュールで進む予定だ。
2004年から始まった同事業も今回の権利変換計画認可を経て、ようやく本格的に始動することとなった大型再開発プロジェクト。完成まであと約5年間、引き続き注目していきたい。
健美家編集部(協力:
(さいとうかずみ))