店舗面積16,000㎡超えの大型商業施設
三井不動産は、6月中旬に東京都足立区の谷中(やなか)で「(仮称)三井ショッピングパーク ららテラス北綾瀬」の建築工事に着工したと発表した。
新商業施設は東京メトロ千代田線の北綾瀬駅直結であり、駅と商業施設の間をペデストリアンデッキが結ぶ形になる。
上記地図のグレーの部分には「駅前交通広場予定地」と書かれているが、現在では足立区が交通広場の建設に向けて工事を進めているところだ。
将来的にバス乗場やタクシープールなどが整備される。工事の完了は来年秋の予定。
※引用:足立区
(仮称)ららテラス北綾瀬の建物規模は、地上4階・地下1階建てで延床面積約31,700㎡、店舗面積は約16,400㎡。予定店舗数は約50店舗となっている。
イオンモールなどと比べればもちろん小規模になるが、東京23区内の商業施設としては比較的大きい方と言っていいだろう。
駐車場台数も約200台ということで、三井不動産は周辺から車での集客も視野に入れていると考えられる。
北綾瀬駅周辺にある大きな商業施設といえば、MEGAドン・キホーテ環七梅島店やヤマダデンキテックランド足立店などだろうか。
しかし、北綾瀬駅を基準にすると、このあたりの店舗は駅から徒歩30分以上かかる距離にあって少し遠い。
あるいは、駅の東側徒歩5分の位置に西友北綾瀬店があり、ここは24時間営業のスーパーだが、駅の西側もしくは北側などに住んでいる人にとっては微妙に距離があって使いやすくはないというところだろう。
そう考えると、駅直結の大型商業施設は、地元住民の生活利便性をかなり向上させると予測される。三井不動産によると、(仮称)ららテラス北綾瀬の開業予定は2025年夏だ。
北綾瀬は静かな住環境を好む人には良いエリアか
北綾瀬駅は千代田線下り方面の終点駅だ。北千住から2駅進んだ先が北綾瀬駅となっている。主要駅へのアクセスとしては、北綾瀬駅から東京駅までが40分前後、渋谷駅までが50分前後。
また、千代田線の停車駅には大手町・日比谷・霞が関・赤坂といった、都内でも大きなオフィス街が複数含まれる。
東京の中心部に勤めるオフィスワーカーにとって、北綾瀬駅は交通利便性が高い。
一方で、始発駅であるにも関わらず、大半の場合は1駅隣の綾瀬駅で乗り換えなければならない点や、朝の時間帯は特に、綾瀬駅からの始発電車はあまり多くない点などが残念なところだ。
ちなみに、北綾瀬駅の2022年度一日平均乗降人員数は37,167人。JRの駅と比較すると、東京都杉並区の西荻窪駅より2,500人程度少ない数となっている。
また、北綾瀬駅の周辺には公園が多い。駅の目前にあるしょうぶ沼公園・駅の東側にある谷中公園・南側にある東綾瀬公園など。
駅の西には首都高速や環七通りなど大通りがあるものの、それ以外は閑静な住宅街であり、公園など緑が多い点も相まって、静かな住環境を好む人には良いエリアとなっている。
始発駅のポテンシャルを活かしきれないダイヤとなっているので、電車の利便性については駅前開発の進展とともに今後の改善が待たれるところだが、環境的には良いエリアなので今後の発展を期待したい。
取材・文:
(はたそうへい)