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森ビルが35年をかけて培ったすべてを注ぎ込んだ「ヒルズの未来形」麻布台ヒルズ。11月開業。

都市計画・再開発(地域情報)/東京 ニュース

2023/08/12 配信

記者発表の後に案内頂いたJPタワー52階。オフィスフロアで東京タワーを見下ろす眺望
記者発表の後に案内頂いたJPタワー52階。オフィスフロアで東京タワーを見下ろす眺望

2023年8月8日、建設が進められている麻布台ヒルズが11月24日(金曜日)に開業することを発表する記者会見が行われた。場所は麻布台ヒルズJPタワー。ヒルズハウスと呼ばれる同タワー33階、34階の一部吹き抜けになった会場には350人を超すメディア関係者が集まり、同社の辻慎吾社長の説明に耳を傾けた。

六本木ヒルズに匹敵する規模、インパクト

敷地図。非常に変形であることが分かる
敷地図。非常に変形であることが分かる

麻布台ヒルズが立地するのは東西に細長く、高台と谷地が入り組んだ高低差の大きな地形からかつては我善坊谷などと呼ばれていた場所。敷地内は細分化され、小規模な木造住宅などが密集しており、防災面でも問題を抱えていた。そこをオフィス中心のJPタワーに加え、住宅メインの2棟のタワーなどからなる複合開発が行われている。

実に多様な施設が用意される。計画概要の断面図
実に多様な施設が用意される。計画概要の断面図

区域面積約8.1Haは2003年の六本木ヒルズの約11.6Haにも匹敵するスケールで、想定されるオフィスの貸室面積、住戸数は六本木ヒルズ以上。周辺に与えるインパクトの大きな開発といえよう。

緑の豊かさはこれまで以上

特徴的なのは緑の豊かさ。「緑に包まれ、人と人とを繋ぐ『広場』のような街」とされており、中央広場は約6000㎡。建物屋上には屋上緑化が施され、そのうちには果樹園なども作られる。約320種類の植物のうちには高さ13mの欅もあるそうで、新たに森がひとつ、できるということのようである。

複合開発というとオフィス、店舗、住宅が主なものだが、麻布台ヒルズではそれ以外の要素も盛り込まれており、都市がひとつできるようなものともいえる。また、オフィスといっても大規模なものからコンパクトなものまで揃えられており、この幅の広さも特徴のひとつと言える。以下、具体的な施設と注目したい点を簡単にまとめる。

●オフィス スモールサイズにベンチャーキャピタル集合も

圧倒的な広さのJPタワー52階のオフィスフロア。基準階面積は約4800㎡
圧倒的な広さのJPタワー52階のオフィスフロア。基準階面積は約4800㎡

JPタワーは低層階と52階以上を除き、基本オフィス。また、タワーのうちのレジデンスB、低層のガーデンプラザA/B/D棟にもオフィスが入ることになっている。

そのうち、レジデンスBには約9坪から32坪のスモールオフィスが用意される。スタートアップでも借りられる可能性があるわけだ。

さらにスタートアップを意識しているのがガーデンプラザA/B/D棟に入るTokyo Venture Capital Hubという、ベンチャーキャピタルが集まるフロア。70社が集まる。日本初の施設だそうで、ここから大きく成長する企業が育っていくようになれば面白いと思う。

記者発表の場となったヒルズハウス。写真には見えていないが、右側にも席が設けられており、海外のメディアなども多く参加していた
記者発表の場となったヒルズハウス。写真には見えていないが、右側にも席が設けられており、海外のメディアなども多く参加していた

また、今回記者発表の会場となったヒルズハウスは入居する企業、その従業員が街全体をワークプレイスとして使うための拠点となる施設。ある種のクラブハウス的な空間で、人が出会う場として機能しそうである。

記者発表時点では約半数のオフィスで入居が決まっており、引き合いも多いという。開業までにどこまで埋まるか。注目したい。

●住宅 ワンルームから5ベッドルームまで

アマンレジデンス東京のラウンジ。住宅だけでなく、こうした共用部もゴージャス
アマンレジデンス東京のラウンジ。住宅だけでなく、こうした共用部もゴージャス

住宅で話題になっているのがJPタワーの53階以上に作られるアマンレジデンス東京。ラグジュアリリゾートを手がけるアマンと組んだもので、戸数は91戸。かなり贅沢なものになるはずで、一説には200億円などという声も。

53階から64階、11階に91戸と考えるとどれほど贅沢なものかはお分かりいただけよう。ただ、虎ノ門ヒルズの時もそうだったが、こうした高額物件については情報が出回ることは少ない。

それ以外では2棟のレジデンス棟、ガーデンプラザなどに住宅が配される。レジデンスAは14階から53階までが住宅で、その下にはアマンの姉妹ブランドとなるジャヌ東京が世界初登場となる。住宅はそのホテルと提携したサービスが受けられる予定で、プラスαのサービスのあるレジデンスになりそう。1ベッドルームから5ベッドルームまでと広い部屋もあり、戸数は320戸。

レジデンスBは30㎡台のコンパクトなワンルームから400㎡近い部屋まで多様な住戸が用意され、戸数は970戸。そのうち、13~18階に位置する168戸は短期滞在ニーズにも対応する家具付き短期賃貸のサービスアパートメントになる。

レジデンスBはラウンジ、ゲストルームのほか、スタディルーム、シアタールーム、ジム、キッズルームなどの共用施設も用意される予定だ。

これらを合わせて総戸数は約1400戸。居住者数は約3500人と想定されている。六本木ヒルズが約840戸、約2000人だったことを考えると都心居住者がぐんと増えることになる。

●ジャヌ東京 アマンの姉妹ブランド世界初登場

住宅のところで触れたが、アマンの姉妹ブランドのジャヌ東京がレジデンスA棟1~13階に開業予定。標準客室面積60㎡、122室が用意されることになっており、都内のホテルとしては最大級の約4000㎡のウェルネス施設が大きな特徴。

アマンの静かな隠れ家のような佇まいとは異なる、モダンで活動的な雰囲気のホテルがイメージされる。

●慶應義塾大学予防医療センター 人間ドック+アルファ

他にない施設として設置されるのがこの予防医療センター。JPタワーの5階から6階にオープンする予定で人間ドック+アルファを提供する。それ街にも皮膚科、歯科の開業も予定されている。

●ブリティシュ・スクール・イン東京 施設充実

JPタワーの地下1階~7階までに入るのが都心最大級の生徒数のいるインターナショナルスクール。体育館や屋内プール、校庭なども備えており、世界トップクラスの施設とか。

最初から最後の質疑応答まで辻社長が答えた。それも印象的だった
最初から最後の質疑応答まで辻社長が答えた。それも印象的だった

辻社長の記者会見では何度も国際都市間競争という言葉が出てきたのだが、そのために教育も必要。日本で子弟の教育をと考えた時に世界レベルの学びの場がいるという判断である。

麻布台ヒルズキャンパスには幼児・初等教育科の約740人が通学することになるそうだ。

●アート&ギャラリー パブリックアート多数

JPタワーエントランスに飾られたオラファー・エリアソン(デンマーク)の相互に繋がり合う瞬間が協和する周期 2023年 森JPタワー
JPタワーエントランスに飾られたオラファー・エリアソン(デンマーク)の相互に繋がり合う瞬間が協和する周期 2023年 森JPタワー

敷地内には多数のパブリックアートが配されるほか、ガーデンプラザにはお台場にあった森ビルデジタルアートミュージアム:エプソン チームラボボーダレス(以下チームラボ)、麻布台ヒルズギャラリーが入る。

2018年にオープンしたお台場のチームラボは年間来館者数230万人、そのうちの半数が訪日外国人で、しかも、その約半数はチームラボを目当てに来日している。単一アート・グループとして世界で最も来館者の多い美術館として世界記録にも認定されており、その吸引力は大きい。

●商業施設 こだわりのスーパーも

世界のブランドショップや各地の有名店などが多数集まるが、個人的に注目したいのは中央広場の地下に誕生する店舗面積4000㎡の麻布台ヒルズマーケット。こだわりの鮮魚店、精肉店などのほか、予約の取れない飲食店が出す惣菜などここでしか手に入らないものが揃えられる予定だ。

以上、ざっくり概要を説明した。11月24日の開業前にブリティッシュ・スクール・イン 東京が開校するなど順次オープンしていき、23年冬にはジャヌ東京、24年1月には麻布台ヒルズマーケット開業などとなっており、全館揃うのは2024年2月になる予定。

館内を見学できるようになるまでにはまだしばらくかかるが、一見の価値はある。開業を楽しみにしたい。

また、この後には六本木ヒルズの隣に位置する六本木五丁目プロジェクトも動き始める予定とか。都心部はまだまだ変わるようである。

健美家編集部(協力:中川寛子(なかがわひろこ))

中川寛子

株式会社東京情報堂

■ 主な経歴

住まいと街の解説者。40年近く不動産を中心にした編集業務に携わり、近年は地盤、行政サービス、空き家、まちづくり、地方創生その他まちをテーマにした取材、原稿が多い。
宅地建物取引士、行政書士有資格者。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会会員。

■ 主な著書

  • 「ど素人が始める不動産投資の本」(翔泳社)
  • 「この街に住んではいけない」(マガジンハウス)
  • 「解決!空き家問題」「東京格差 浮かぶ街、沈む街」(ちくま新書)
  • 「空き家再生でみんなが稼げる地元をつくる がもよんモデルの秘密」(学芸出版)など。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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