※引用:足立区
2026年度中の開業を予定
百貨店を運営する高島屋とグループ会社である東神開発は、東京都の足立区と「六町(ろくちょう)駅前区有地活用事業」の整備・運営に関する基本協定書を締結したと発表した。
六町駅はつくばエクスプレスの沿線にある駅で、足立区のターミナル駅である北千住から2駅5分、秋葉原からは6駅15分の場所にある。
六町駅には各駅停車しか止まらない。しかし、六町駅から秋葉原方面へ行く場合、間にある5駅のうち4駅は快速の停車駅だ。
六町駅周辺のエリアにおいては、駅に各駅停車しか止まらないことがあまりデメリットにならないと言える。
下り電車に乗った場合、六町駅の次は八潮駅で、2駅の間に流れている綾瀬川は東京都と埼玉県の県境に該当する。
なお、六町駅の南東には首都高の加平(かへい)料金所があるほか、南には環七通りが通っているなど、駅の周辺は車での移動にも便利だ。
電車でも車でも都心へのアクセスが優れており、六町駅周辺は交通の便が良い。
※引用:足立区
なお、東神開発は高島屋グループのデベロッパーであり、これまでに流山おおたかの森S・Cや玉川高島屋S・C(S・Cはショッピングセンターの略)などを開発・運営している。
東神開発が発表したプレスリリースによると、今回同社が担うのは「PPP事業」というもので、PPPとはPublic Private Patnershipの略語だという。
具体的には公共施設等の建設・維持管理・運営等を行政と民間が連携して行うもので、六町駅前のプロジェクトでは、賑わい施設と大規模な駐輪場が開発される。
※引用:足立区
新施設予定地の敷地面積は3,143.01㎡で、もともとは空き地・平置きの屋根付き駐輪場となっていた。
駐輪場棟に敷設される駐輪場は定期利用約600台と一時利用約600台で、合計約1,200台分となる。
なお、もう1棟は商業施設棟ではなく賑わい施設棟と表現されているが、高島屋グループが建設・運営を請け負うことから高島屋グループの商業施設が入ると考えて良いだろう。
東神開発のプレスリリースにも「商業集積や地域コミュニティへの貢献につながる、まちの交流拠点施設開発を目指す」旨が書かれている。
六町公園は既存の公園であり、今回新たに開発される施設ではない。しかし、東神開発が発表した資料には「イベント等で活用・維持管理等支援」と記載されている。公園にも何かしらの変化がありそうだ。
敷地は事業用定期借地として、今年の7月から東神開発に貸し付けられており、施設の開業時期は2026年度中の予定。また、事業期間は工事期間を含めて32年間とされている。
地味だがポテンシャルはあるエリア
東京23区内にありながら、六町駅周辺の雰囲気は郊外そのものであり、北にある三郷・流山などと比較すればエリアの知名度も劣っていることは否定できない。
駅周辺にはマクドナルドやスーパーマーケットのライフなどが点在しているが、いずれもロードサイド店舗であり、大きな商業施設などは見当たらない。
しかし、既に解説した通り、六町駅周辺は交通の便が良く、都心勤めのサラリーマンやDINKS世帯などが住むには便利なエリアだ。
現状の六町駅周辺に欠けているのは生活利便性であり、新施設の完成が生活利便性向上に貢献するものとなれば、このエリアも投資の検討対象に入ってくるのではないだろうか。
取材・文:
(はたそうへい)