• 完全無料の健美家の売却査定で、できるだけ速く・高く売却

×

  • 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集

秋葉原駅・電気街近辺で大型再開発が始まる見通し。サブカルのまちはこれからどうなる?

都市計画・再開発(地域情報)/東京 ニュース

2023/12/07 配信

国内外から観光客を集めるサブカルの聖地で
まちの姿を大きく変える再開発が始動

電化製品から始まり、いまはアニメ・マンガ・ゲームなどの専門店も軒を連ねる、東京都千代田区・秋葉原。いわずと知れた電気・サブカルの聖地であり、国内のみならず海外からも観光客が訪れる、日本を代表するエリアだ。

日本屈指の電気街・サブカルの聖地として知られる秋葉原。近年は駅周辺の再開発が進み、大型の商業・オフィスビルも林立。ラーメンをはじめとする飲食店もたくさんあるグルメのまちとしても知られる。画像はJR秋葉原駅の電気街口。
日本屈指の電気街・サブカルの聖地として知られる秋葉原。近年は駅周辺の再開発が進み、大型の商業・オフィスビルも林立。ラーメンをはじめとする飲食店もたくさんあるグルメのまちとしても知られる。画像はJR秋葉原駅の電気街口。

まちの玄関口は、秋葉原駅。JRや東京メトロ、首都圏新都心鉄道(つくばエクスプレス)が乗り入れ、JRの1日平均乗車数は約19万人と、同社の駅では新橋に次いで第9位。日比谷線が走る東京メトロは同9.8万人、つくばエクスプレスは同5.2万人で、都内を代表するターミナル駅に成長している。

駅の周辺には家電量販店やサブカル関連の店舗、飲食店が広がり丸1日いても飽きないが、そんな魅力あるまちの様相をガラッと変えそうな再開発プロジェクトが、いま始まろうとしている。それが、「外神田1丁目南部地区再開発」だ。

計画地は、JR秋葉原駅の電気街口から出てすぐ、南西にある万世橋に近い約1万9000㎡の土地。神田川沿いで、「エディオン」や「オノデン」といった家電量販店や免税店が建ち並ぶ場所だ。

事業の計画地。川沿いの建物が壁になり親水性や対岸との連携不足、施設の老朽化、観光バスの路上駐停車などの課題が指摘されており、再開発事業を通じて解決するのが狙いのひとつ。 画像出典:千代田区ホームページ
事業の計画地。川沿いの建物が壁になり親水性や対岸との連携不足、施設の老朽化、観光バスの路上駐停車などの課題が指摘されており、再開発事業を通じて解決するのが狙いのひとつ。
画像出典:千代田区ホームページ

建設されるのは高さ170mと50mとなる2棟の複合施設で、オフィスやホテル、既存の電気店を含む商業施設、住宅、清掃事務所や葬祭施設など千代田区の施設などが入居するという。2つのビルは遊歩道で結ばれる計画で、神田川沿いには船着き場と親水広場も整備する。計画概要は下図の通りだ。

再開発の計画案。 画像出典:千代田ホームページ
再開発の計画案。
画像出典:千代田ホームページ

同計画については20年前から議論が交わされており、地権者の間でも意見が分かれている。都市開発を進める千代田区は、再開発を進めるには地権者の3分の2(約66%)以上の同意が必要としているが、同意率は3分の2に満たない状況。

ところが今年7月、千代田区はこの状況にもかかわらず学識経験者らで構成される都市計画審議会に計画案をはかり、賛成8、反対7の賛成多数で可した。

なぜ、同意率を満たさないなか、自治体はことを進めようとするのか。千代田区は複数の地権者から「建物の老朽化が激しく地震が怖い」などの声があがっていると説明している。

一方、本開発エリアの一角には千代田区が所有する葬祭施設「千代田万世会館」があり、区も地権者のひとり。同所は区内唯一の葬祭場のため、新たに建て替えて使う必要があるとのことから、再開発を推進したい意向だという。

実際に再開発を進めるには地権者の3分の2の同意がないと、東京都から認可は下りない。そのため、区長による都市計画決定は見送られてきた。ところが、7月以降に態度を保留していた地権者が賛成に回り、法律で定められる地権者の同意が得られる見通しが立ち、千代田区は10月に年計画決定を告示することに。

ただし、区によると直近における民間の地権者の同意率は59%で、区のほかに地権者となっている国、都が同意した場合の同意率は67%に達し、必要な水準を満たす。

これを受け千代田区は事業家の見通しが立ったと述べているが、都は慎重な姿勢を崩さず、区議からも「拙速だ」「希望的観測で進めるべきではない」との声もある。何より、地権者の1人とはいえ、中立的立場であるべき行政が再開発を主導することに対する反発も見受けられる。果たしてどうなるのか、今後の動向が気になるところだ。

同計画が実現すると、いまある家電量販店などが軒を連ねるビル群はなくなり、秋葉原駅前の景観は大きく変わるだろう。これまで、電気街、サブカルのまちとして発展してきた同エリアだが、さらなる再開発が始まると、再び大きな進化が起きるのかもしれない。

健美家編集部(協力:大正谷成晴(おしょうだにしげはる))

大正谷成晴

■ 主な経歴

フリーランスの編集・ライター。
不動産投資、株式投資、投資信託、FXなどマネー関連、ビジネス全般、働き方、副業、クレジットカード、医療・介護など、幅広いジャンルで取材・執筆を行っている。

■ 主な著書

  • 『決定版 1万円からはじめるFX超入門』(かんき出版)

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

アクセスランキング

  • 今日
  • 週間
  • 月間

不動産投資ニュースのライターさんを募集します。詳しくはこちら


ニュースリリースについて

編集部宛てのニュースリリースは、以下のメールアドレスで受け付けています。
press@kenbiya.com
※ 送付いただいたニュースリリースに関しては、取材や掲載を保証するものではございません。あらかじめご了承ください。

最新の不動産投資ニュース

ページの
トップへ