2027年に『品川』~『名古屋』間の開業が予定されているリニア中央新幹線(ただし開業は遅れる見込み)。始発駅となる『品川』、(仮称)神奈川県駅となる『橋本』、終着駅となる『名古屋』の各駅は再開発の機運に沸いているが、途中駅に関してはまだ情報が少なく「どこを通るのかよくわからない」という方も多いのではないだろうか?
過去の健美家記事でも紹介した通り、
●『(仮称)山梨県駅』は甲府市大津町付近。
https://www.kenbiya.com/ar/ns/region/shinhoku/4490.html
●『(仮称)長野県駅』は飯田市上郷飯沼付近。
https://www.kenbiya.com/ar/ns/region/shinhoku/4607.html
いずれも都市の玄関口から一歩離れた“陸の孤島”と呼ばれるような田園地帯で工事が進められているが、本記事でクローズアップする『(仮称)岐阜県駅』も同様に、岐阜の中心街からかなり離れた東濃地方に位置している。
ちなみに、東海エリアでは名古屋駅のリニア開業ばかりがメディアの注目を集めており、意外にも『(仮称)岐阜県駅』の存在を認知している人はまだ少ない。人知れず静かに開発が進む駅──それが、岐阜県中津川市千旦林(せんだんばやし)にあるJR『美乃坂本(みのさかもと)』駅だ。
リニア開業後は『名古屋』へ13分、『品川』へ58分で直結
おそらく東海地方に長年暮らしている地元居住者でも「美乃坂本という駅名を初めて知った」という人が多いことだろう。
駅前にはコンビニも無く、見渡す限り山と畑と昔ながらの日本家屋のみ。まさに“古き良き山里の風景”が残された静かな集落に、日本の大動脈の新駅が開業する。
リニア開通後は『名古屋』へ13分、『品川』へ58分で直結するというのだから、地域にとってはシンデレラストーリーのようなものだ。
リニアの車両基地も併設される予定
実は『美乃坂本』が担う役割は“リニアの新駅”だけではない。駅の北東約1kmの地点には約65haもの広大な車両基地が設けられ、ここでリニアの保守点検・整備が行われる予定になっている。
車両基地=リニアのドックがある駅となれば、当然ながらそこに携わる人材の需要が生まれる。つまり、リニア中央新幹線の開業は、東濃地方・中津川市全体の経済発展のみならず、地域の「雇用促進」と「若返り」をもたらす事業として大きな期待を集めているのだ。
現在、東濃地方の主要公共交通機関はJR中央本線のみで、基本的にクルマ移動が原則。冬は雪深くなるためアクセスが困難になることも多い。しかし、広域高速鉄道網の中に『美乃坂本』駅が組み込まれることになれば、地域の交通利便性は大きく向上する。
また、駅周辺には広大な未開拓地が広がっており、高速道路(中央自動車道)のICからも近い。物流拠点としての地の利にも恵まれていることから、今後JR東海の関連企業を中心に工場やオフィスの誘致も積極的に進められていくだろう。
今のところは知名度が低い『美乃坂本』駅だが、リニア中央新幹線の開業後には“大化け”する可能性を秘めている。まだ手付かずの状態にある東濃地方の静かな駅で、投機を狙ってみてはいかがだろうか?
健美家編集部