第63話、第64話でご紹介したヤニ部屋(3LDK-65㎡)のリフォームですが、現在、壁紙の貼り替えに入ったところです。天井・壁が茶色く変色してしまったので、合計250㎡以上の壁紙を剥がしては、新しく貼り直しています。
ようやく半分くらい終わったのですが、脚立の登り降りでアキレス腱痛になってしまいました…(涙)
職人さんは脚立に登ったらキレイに貼り終わるまで床に降りないのですが、よく道具を床に置き忘れてしまう私は何度も降りては登り直す必要が出てしまうんです…。
頭ではわかっているものの、なかなか職人さんのようにはいきませんね(苦笑)。それでも最近はだいぶ、キレイに貼れるようになってきたと思います。
こちらの写真はLDKの天井と壁ですが、壁紙を切り合わせた箇所もあまり目立っていないですよね。細かく見ていけば職人さんには劣る部分もあるとは思いますが、賃貸アパートには十分なレベルかなと。
そこで今回のコラムでは、職人さんに教わったり、自分なりに工夫したりして身につけた「壁紙をキレイに貼るコツ」をご紹介したいと思います!
◾️ 切り合わせがパックリ開かないようにする方法
壁紙を貼った翌日に仕上がりを確認しに行くと、下の写真のように壁紙を貼り合わせた箇所に筋ができていたり、ひどい場合は、パックリ開いていたりすることがあります。そして、これがとても見栄えを悪くしてしまいます。
これは壁紙を切り合わせる時に、カッターで壁紙と一緒に下地まで深く切ってしまった時に起こる現象です。壁紙の糊が乾く過程で壁紙は収縮するのですが、その際に切れた下地を捲り上げてしまっているのです。
下地を切らないようにするためのコツは、下の写真にある「下敷きテープ」を使うことです。
下敷きテープは写真のように横筋が何本も入っていて、カッターの刃が当たると「カタカタカタ・・・」と音を出して知らせてくれるので、下地まで深く切ることを防止してくれます。
つまり、下の図のように、下地を下敷きテープがガードしてくれる格好になります。
引用:マイハーズマーケット「下敷きテープはなぜ必要なのか(https://urbantrust-corp.jp/ut_blog/shitajiki/)」
職人さんに聞いたところ、ほとんどの職人さんがこの下敷きテープを使って仕上がりをキレイにしているのだそうです。逆に、私たちのようなDIYerで使っている人はほとんど見ませんよね。これが職人さんとの仕上がりの差を産んでいるというわけです。
このプロ向けの下敷きテープですが、一部のショップでは下の図のようにカットテープの片側を下敷きテープにグレードアップして購入することができます。
この有料オプションは25円/mほどかかりますが、キレイに仕上がるなら安いものですよね。こちらを使って切り合わせを行えば、カットテープまで切ってしまわない限り、筋ができたり、パックリ開いたりすることは起きません。
◾️ 下地を切ってしまった時の補修方法
たまに力んでしまうと、下敷きテープごと下地を切ってしまうことがあります。そうすると、下の写真の通り、やはり開いてしまいます。
その時は、「壁紙めくれ防止用和紙テープ」が1000円前後でアマゾンに売っているので、こちらを使うと良いです。
これは不動産投資家仲間から教えてもらった商品です。切ってしまった下地の上にこちらの和紙テープを貼ると、糊が乾いた時に壁紙が引っ張られても開かなくなります。跡もほとんど残りません。
◾️ 壁紙が乾いてしまった時の補修方法
壁紙が乾いてしまった後で開いている箇所を見つけた… ということもあるかと思います。そんな時は、「壁紙補修用の糊と注射器」というamazonで数百円で売っている商品を持っておくと便利です。
壁紙のめくれた部分に注射器で糊を差し込んで、貼り直せば目立たなくなります。ただし、どうしても壁紙が乾いて収縮しているため、開いた跡は筋として残ってしまうことが多いです。
気にならないレベルにはなると思いますが、補修箇所があまりに多いと手間ということもありますし、見栄えを考えると下敷きテープで開きを未然に防ぐのが王道かと思います。
◾️ 集中力を保つための「糊付き壁紙引き出し機」を作ろう!
壁紙を貼ったことがある方はなんとなくわかっていただけるかなと思うのですが、下地を切ってしまうというミスは、体力や集中力がなくなってきた頃にやりがちです。
そこで、最後にご紹介したいのが「糊付き壁紙引き出し機(モーガン命名)」です。
壁紙を貼る時に何気に消耗するのが、この糊付きの壁紙の切り出しです。糊付き壁紙は30mロールにもなれば30kg、もしくはそれ以上になるかと思います。
これを床に置いてゴロゴロと転がしながら、必要なメーター数を切り出して貼っている方も少なくないのではないでしょうか?屈んだり、膝を突いたりしながらの作業なので、足腰にきますよね…。
そんな時、この壁紙引き出し機があれば、下の写真の通り、重い糊付き壁紙も片手でスルーっと引き出して、切り出すことができます。床を転がさないので壁紙が汚れたり、折皺(おりじわ)ができたりしないので、よりキレイに壁紙を貼ることができます。
ただ、この引き出し機はどこにも売っていないので、自作するしかありません。自作というとめんどくさそうに聞こえるかもしれませんが、ご安心ください。めちゃくちゃ簡単にできます。
用意するのは、①土台、②心棒、そして③足場の留め具です。いずれもお近くのホームセンターで買い揃えることができると思います。
まず土台です。私はホームセンターの木工品でちょうど良いものを1500円ほどで見つけましたが、壁紙を吊るしても床にすらないように高さ40センチくらいあるものであれば何でも構いません(Makitaの工具箱やブロックで代用する方もいらっしゃるようです)。
次に心棒ですが、壁紙ロールを通すために、直径3センチ未満で長さは130センチから150センチほどのものを買いましょう。適当な長さがなければホームセンターの資材加工サービスを使ってカットしてもらうのも手です。
そして、最後に心棒を土台の上で回転させるために、写真にあるような足場の留め具を購入してください。いずれも数百円で売っていると思いますので、土台にビス留めしましょう。
こうすれば、壁紙がクルクルと回って、必要な長さをストレスなく切り出せると思います。
◾️ まとめ
昨今では資材費の高騰に加えて、職人さんの人手不足も相まって、壁紙の貼り替えの外注費もだいぶ高くなりました。家賃は簡単には上がらないので、不動産投資家には今後も厳しい状況が続く見込みとなっています。
職人さんと同等のクオリティを出すのは難しいかもしれませんが、ご紹介した手順や道具を持って取り組めば、「入居者さんに選ばれる賃貸を提供する」ことは可能だと思います。ぜひ一度、試してみてくださいね。