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浮かび上がる水害、騒音リスクと賃貸物件への影響。同じエリアでも立地格差が広がる時代に。

岡元公夫さん_画像 第114話

健美家不動産投資コラム

年が明けてから、行政にいろいろな動きが出てきました。

■ 水害リスク

まず、大家業にインパクトが大きいと感じたものは、国土交通相が1月の衆院予算委員会で、住宅の売買や賃貸などを扱う宅建業者に対し、「 豪雨による水害リスクを購入希望者や入居希望者に対し重要事項として説明するよう義務付ける 」意向を示したことです。

具体的には、浸水が想定される範囲などを示した市町村作成のハザードマップで、住まい周辺の危険性を説明することを宅建業者に求めるようです。

最近の激甚化する台風などの気象災害により、こうなることは予測されていました。2017年の九州北部豪雨、2018年の西日本豪雨、そして昨年の台風19号。そして記録的に雪が降らない状況が、今まさに続いています。

地球温暖化は、北極・南極の氷の急速な減少などでみられるように確実に進んでいます。日本列島も亜熱帯化していくのでしょうか。

約7千年前は東京の下町から埼玉の北東部奥まで、海でした。今より海面が2〜3m高かったそうです。さすがに海面がいきなり3m上がることはないでしょうが、想定外級の災害が日常化する可能性は高いと予想されます。

頻発する水害は、数十年ごとの大地震よりも人々の記憶に残り、それを避けようと人々は対策を講じるでしょう。自己所有物件に住んでいる人、商店などを経営し地元に根付いている人は、急には動けないかもしれません。

一方、賃貸物件に住んでいる人はそうではありません。 正直、進学や転勤で馴染みのないエリアに引っ越される方々の中で、転居時に水害リスクに重きを置いている方々は多くありません。しかし、以下のような経験をすればどうでしょうか。

・床上浸水や避難勧告や避難指示を受けて、大雨強風の中をずぶ濡れになりながら避難する。
・堅固な建物の上階に住んでいて浸水の被害は免れたものの、機械設備の水没等により水道・トイレが使えなくなった。

一度ならず二度以上となれば、引っ越したい気持ちは確信に変わるはずです。更に昨今は、ネットで水害にあったエリアの惨状が繰り返し説明され、それをいつでも容易に検索することができます。

その上、新しい住まいを探す時に、仲介会社から「 この物件は水害にあう恐れがあります 」とか、「 ●年前に床上浸水の被害にあいました 」等の重要説明を受けることになったら…。空室が増え部屋余りの昨今、どのようになるかは推して知るべしです。

更に国土交通省は、今の通常国会に提出する都市計画法・都市再生特別措置法等の改正案を提示しました。

市街化調整区域における開発では、災害レッドゾーンと浸水ハザードエリアなどの除外を徹底。また、コンパクトシティ化を進める際に重要な居住誘導区域からの災害レッドゾーンを原則除外する方針です。

水害に対する人々の感覚は、行政の動き・実際に被害にあわれる方々の増加、そして、それを報道するメディアや拡散するネット情報ににより鋭敏化することでしょう。

■ 騒音リスク

今年3月に羽田空港の飛行経路が見直され、南風時は東京都心上空を着陸経路とします。下記の経路図は国土交通省ウェブサイトからの引用です。





新宿・渋谷・恵比寿・品川などの繁華街・オフィス街、そして代官山・広尾・目黒・白金などの高級住宅地の上空を千メートル以下で飛行します。( 私の会社の南青山オフィスのほぼ真上も通過します・泣 )

私は、銀行員時代に名古屋に転勤で赴任して、住んでいたところが名古屋空港着陸経路の真下でした。空港から14kmほど離れていましたが、室内でも非常にうるさかったのを今でも覚えてます。

オフィスや店舗は、まだいいでしょう。しかし、閑静な住宅地は、どうでしょうか? 賃貸だけでなく、自己所有の方々も、引っ越しを検討するかもしれません。賃料相場や売買価格に影響が出るのは必至でしょう。

■ 災い転じて福となす?

水害についても、騒音についても、地震や、それに伴う津波についても、今や『 想定外 』という言い訳を使える範囲は狭まっています。

住宅は、そのエリアに需要があれば、その需要は消滅するのではなく、エリア内のリスクや騒音が少ない所に移転することになります。移転候補先の地価・賃料は上がるでしょう。羽田空港着陸経路の変更も、騒音によるデメリットより離着陸回数の増加による経済効果が勝ると行政は判断したのでしょう。

自然災害や行政の政策転換による不動産相場の変動は、中長期的には十分予測可能ですので、先手を打ちキャピタルゲイン・インカムゲインを最適化することができます。

しかし、「 住む 」「 暮らす 」ということを考える時、リスク対応や経済合理性だけで割り切れない人の想いもあります。

私は孟子の「 天時不如地利、地利不如人和 」を、よく念頭において投資判断をします。訳すと、次のような意味になるでしょうか。

「 天の与えてくれた機会は、地理的な情勢の有利さに及ばない。地理的な情勢の有利さは、人々の心の結束に及ばない 」

世界の政治・経済を俯瞰しても、地政学リスクや経済合理性だけで、予測できないことが多くあります。そこに住む人々の想いを汲み取らないと、投資判断を間違うこともあるのではないでしょうか。

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プロフィール

■ 岡元公夫さん

岡元さん

岡元公夫さんのブログ

年はアラフォー。
亡き父と2代続けての元メガバンカー。
銀行員時代は、東証一部上場の大手不動産会社から 個人の大家さんまで、融資主体に幅広く担当。 実家は祖父の代からの小規模ながらの大家さん。

■ 経歴

□2004年
実家の跡を継ぎ、東京城北エリアでマンション・アパート・戸建を取得開始。

□2008年2月
不動産賃貸業の修行の為、不動産開発・運営会社に転職し、プロパティマネジメントの責任者となる。

□2009年10月
不動産収入が年間6千万円ほどになり、デッドクロスもクリアできる目途がついたことから、サラリーマンを卒業。

□2011年
東京エステートバンク株式会社(東京房屋®)を設立。国内・台湾・中国の投資家・会社経営者の方にコンサルティングを行っている。

■ 所有物件

□築35年RCマンション
 1LDK×4戸、2K×8戸

□築20年RCマンション
 1R×10戸

□築13年鉄骨マンション
 2LDK×6戸、2DK×6戸

□築5年木造アパート
 1R×5戸、2DK×2戸

□登記上築52年(実態は新築同様)
 木造戸建 2LDK×1戸

□区分所有マンション 2LDK×1戸
  合計 45戸

□駐車場12台
 バイクガレージ26台

H22/9に築古戸建1戸取得
H23/9に築古戸建1戸取得
現在、料理中

■ 保有資格

・宅地建物取引主任者
・ファイナンシャルプランナー
・その他生損保等金融関連諸々

■ 税理士試験科目合格
 (簿・財・相・固)


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