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安く物件を購入できる任意売却のメリットとデメリット、リスクと注意点

岡元公夫さん_画像 岡元公夫さん 第128話

2021/4/12 掲載

前回の続きです。
今回は、任意売却物件のメリットとデメリット、そして注意点等々について話します。

■ 任意売却のメリット

メリットとしては、通常の売買より安く買える可能性が高いことにつきます。なぜ、通常より安く買えるかというと、売主が売り急いでいることに加えて、買主にもリスクや制約があるためです。

売り急ぐ理由は、既にローンの返済が滞っていたり、税金の滞納が始まっている場合が多いので、時間が経つと債権者から競売に掛けられたり、税務当局から差押えを受けるからです。

■ 任意売却のデメリットとリスク

任意売却物件の売主は、金銭的・精神的に余裕がありません。そこで、買主にとって次のようなデメリットやリスク・制約があります。

1)契約不適合責任( 改正前民法では瑕疵担保 )が免責される

一番のリスクは瑕疵担保が免責されていることでしょう。改正民法では、契約不適合責任の存続期間は、買主が契約不適合を知った時から1年以内に契約不適合の事実を売主に通知すれば権利が保全されます。

契約不適合の具体例としては、雨漏りや白蟻による被害などがあげられます。リフォームや修繕に想定外の費用が掛かることもあります。

契約不適合責任の免責は、瑕疵担保責任の全部免責のように一文では済まなく、具体的に特約・容認事項として契約書に記載しなければなりません。

しかし、もし記載されていなかったとしても、任意売却の売主には資力がありませんので、各種請求や契約解除は事実上不可能です。

2)現況有姿売買・公簿売買が原則

現況有姿売買とは、現時点のあるがままの状態で売買することをいいます。

任意売却で、よく問題になるのが、「 境界未確定 」です。任意売却の場合、従前に述べた通り、売り急いでいるので、測量が間に合わない可能性があります。また売主は資金繰りに窮しているので、測量する費用を捻出できません。

境界の未確定リスクについては、昨年10月に寄稿した第122話に詳しく書いてますので参照願います。

参照:その不動産は買ってはいけない。あなどれない”境界”リスク

また、任意売却は契約時の売買金額で、債権者( 金融機関 )が売却の可否を審査しています。売買契約後決済直前までに実測して、仮に公簿面積( 登記簿謄本に記載された面積 )より実測面積が小さくても、そこで売却額を減額することはできません。

もし公簿面積と実測面積が大きくずれて、不動産価値に乖離があるようなら、契約前に自費で簡易測量するのもよいでしょう。

■ 任意売却案件を進めるうえでの注意点とポイント

任意売却の成否は、売主ではなく、その物件に担保権を設定している債権者の判断に委ねられます。なので、債権者である金融機関が、どのようなロジックで任意売却を認めるかを知ることが肝要です。

1)債権者が認める売買価格の決まり方

金融機関の債権の状況によって指値できる度合が違います。

保証会社の保証付きアパートローンや住宅金融支援機構の融資の場合、金融機関への返済が数ヶ月遅れて正常化の見込みが薄いと保証会社へ債権が代位弁済され、交渉先は保証会社に移ります。保証会社は、債権回収の為に比較的融通が利きます。

対して、保証会社の保証が付いていないプロパー融資については、任意売却を認めるかどうかの売買価格、そして債権回収額の審査が厳しくなります。

金融機関によって判断基準は異なりますが、その金融機関の物件評価額・不動産鑑定士評価額・固定資産評価額等の公的評価額等が、交渉する時の基準となります。

2)手続きに時間が掛かることや、白紙解約になることがある

金融機関によっては、任意売却を認めるかどうかの判断に時間が掛かることがあります。ここでは住宅金融支援機構の任意売却手続の流れを例として、とりあげます。

@「 任意売却に関する申出書 」の提出

任意売却の手続に入る前に、買主自らが仲介業者を選定し、「 任意売却に関する申出書 」を住宅金融支援機構に提出

A物件調査・価格査定

仲介業者は、物件調査を実施した上で、調査結果に基づく価格査定書を住宅金融支援機構に提出
( 民間金融機関の場合、自ら物件調査・価格査定をすることも )

B売出価格の確認

住宅金融支援機構が仲介業者の査定価格を承認できるかどうか確認のうえ、売出価格を通知
仲介業者が販売活動をして、買主を探す

C抵当権抹消応諾の審査

購入希望者が現れた場合は、住宅金融支援機構が抵当権抹消に応じることができるか審査

D売買契約の締結

E代金決済・抵当権抹消

売買代金の決済、抵当権抹消書類の引き渡し等を行う

以上となります。ただ、上記は、あくまで住宅金融支援機構の任意売却手続の流れであって、ほかの金融機関との手続きの場合、順序が異なることもあります。

この手順の中で、「 物件調査・価格査定 」と「 売出価格の確認 」「 抵当権抹消応諾の審査 」で時間が掛かることが多いです。

特に売主が多くの金融機関から融資を受けていて、一つの物件に複数の金融機関が担保権を設定している場合、後順位担保権者は、売却額が少なく本来は先順位担保権者しか債権回収できない場合でも売主に担保権抹消に応じる代わりのハンコ代を請求します。

また、手続きに時間が掛かると、ほかの金融機関や税務当局が差し押えをしてくることもあります。そうなると、債権者全員が納得できる売却代金の配分が難しくなり、売買自体が白紙になってしまい、次に債権者が取る手段は競売となります。

昨年9月に銀行取引停止処分になった関西の大物不動産投資家さんが、任意売却を望んでいたのに金融機関から次々に競売開始を申し立てられてしまったのは、そのような背景もあったのでしょう。

プロフィール

■ 岡元公夫さん

岡元さん

岡元公夫さんのブログ

亡き父と2代続けての元メガバンカー。
銀行員時代は、東証一部上場の大手不動産会社から 個人の大家さんまで、融資主体に幅広く担当。 実家は祖父の代からの小規模ながらの大家さん。

■ 経歴

□2004年
実家の跡を継ぎ、東京城北エリアでマンション・アパート・戸建を取得開始。

□2008年2月
不動産賃貸業の修行の為、不動産開発・運営会社に転職し、プロパティマネジメントの責任者となる。

□2009年10月
不動産収入が年間6千万円ほどになり、デッドクロスもクリアできる目途がついたことから、サラリーマンを卒業。

□2011年
東京エステートバンク株式会社(東京房屋®)を設立。国内・台湾・中国の投資家・会社経営者の方にコンサルティングを行っている。

■ 所有物件

□築44年RCマンション
 1LDK×4戸、2K×8戸

□築28年RCマンション
 1R×10戸

□築21年鉄骨マンション
 2LDK×6戸、2DK×6戸

□築14年木造アパート
 1R×5戸、2DK×2戸

□登記上築60年(実態は新築同様)
 木造戸建 2LDK×1戸

□木造戸建てリノベシェアハウス
 2棟×10室

□区分所有マンション 2LDK×1戸 
 
□駐車場12台
 バイクガレージ26台

□再開発予定木造戸建
 3棟

■ 保有資格

・宅地建物取引主任者
・ファイナンシャルプランナー
・その他生損保等金融関連諸々

■ 税理士試験科目合格
 (簿・財・相・固)

■ 著書

岡元さん
元手100万円から! 気軽で手ごろなマンション投資で年800万円稼ぐ方法(明日香出版社)

岡元さん
はじめての不動産投資1年生 儲かるしくみと損する理由(わけ)がわかる本 (明日香出版社)

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