政府は、黒田日銀総裁の後任に経済学者で元日銀審議委員の植田和男氏を指名しました。そして、2月24日に衆議院で、27日に参議院で所信聴取と質疑がありました。その後の野党の反応をみていても、日銀新総裁に就任するのは、間違いないでしょう。
今回は、植田氏の過去の発言と衆参両議院での所信表明の内容から、今後の金利動向や不動産相場に与える影響を予測したいと思います。
■ 短期金利への考え方
植田氏は1998年4月から2005年4月までの7年間、日銀審議委員を務めました。日銀は1999年2月にゼロ金利政策の導入を決定しました。その後2000年8月にゼロ金利政策の解除を決定しましたが、植田氏はこの時、反対票を投じました。
その時の金融政策決定会合議事要旨で植田氏は「 一定の前提に基づき試算した適正な金利水準が漸くゼロ近傍に達したという状況であり、これがもう少しはっきりとプラスになるまで待ちたい。足許のインフレ動向から判断して、"待つこと"のコストは大きくない 」といったことを理由に挙げて、ゼロ金利政策の継続を主張しました。
先月の所信表明でも「 わが国の経済や物価情勢の現状や先行きの見通しに基づけば、現在、日...
今回は、植田氏の過去の発言と衆参両議院での所信表明の内容から、今後の金利動向や不動産相場に与える影響を予測したいと思います。
■ 短期金利への考え方
植田氏は1998年4月から2005年4月までの7年間、日銀審議委員を務めました。日銀は1999年2月にゼロ金利政策の導入を決定しました。その後2000年8月にゼロ金利政策の解除を決定しましたが、植田氏はこの時、反対票を投じました。
その時の金融政策決定会合議事要旨で植田氏は「 一定の前提に基づき試算した適正な金利水準が漸くゼロ近傍に達したという状況であり、これがもう少しはっきりとプラスになるまで待ちたい。足許のインフレ動向から判断して、"待つこと"のコストは大きくない 」といったことを理由に挙げて、ゼロ金利政策の継続を主張しました。
先月の所信表明でも「 わが国の経済や物価情勢の現状や先行きの見通しに基づけば、現在、日...
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