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10年続けて感じる不動産マーケットの変化

徳田文彦さん_画像 第28話

早いもので、私が実際に物件を購入し、不動産投資を開始してから今年で10年目になります。不動産投資を続けていると様々なトラブルも発生しますが、特にこの10年を長いと感じたことはありません。

感覚的には、まだ不動産投資を開始して2〜3年、あっという間に時間が過ぎているという印象です。都心物件に集中的に投資しているので( 第26回コラム参照 )、他の投資家さんと比べると、大きなトラブルや賃貸経営上の苦労が少ないからかもしれません。

しかし、そんな安穏な日々はそう長く続かないかもしれません( 笑 )。それは、10年間賃貸経営を続けてみて、ここ数年、賃貸市況の変化を確実に感じているからです。

■ 10年前より募集期間が長期化している

賃貸市況の変化とは、具体的には郊外物件における募集期間の長期化です。ありていに言えば、なかなか空室が埋まりにくくなってきている、という事です。

元々需要の低いエリアでは、空室期間は長期化していましたが、私が投資を開始した10年前に比べると、更に長くなっている印象です。

これは、少ないながら私が所有している郊外物件でじわじわと感じていることです。いくつかの不動産屋さんに聞いても同様の感触を持っているようなので、やはり募集期間は長くなっているのでしょう。

その原因は何なのでしょうか? 例えば、世間一般で言われているほど景気は回復しておらず、特に大企業以外の労働者の賃金が上がっていない、というようなことも要因でしょう。

しかし、これは主要な理由ではありません。私はそれよりも大きな要因があると思っています。それは、この10年という時間軸で見ると、日本全体が高齢化してきていること、です。

■ 日本社会の構造変化

国立社会保障・人口問題研究所のデータによると、2013年における日本人の平均年齢が45.8歳。2000年における日本人の平均年齢は41.4歳。10年ちょっとの間に、4歳以上、日本人の平均年齢は上がっています。

また、65歳以上人口の比率も2000年には17.4%だったのが、2013年には25.1%と8ポイント近く上昇しています。これだけ高齢化が進めば、入居候補者の動きも当然鈍いものになっていくでしょう。

引っ越しというのはパワーがかかります。パワーだけでなく、お金も必要です。それに対して現状維持、つまり「 今の住まいのままで良い 」と考える人が10年前よりも増えていると予想できます。

もちろん、高齢化したからこそ引っ越しのニーズが発生する場合もあります。例えば、子供の住んでいるそばに引っ越す、かかりつけ医や大病院に近い場所に引っ越す、といったニーズは存在するでしょう。

しかし、そういった場所は大抵、都心部にあります。逆に、子どもが減ることで「 安くて広い 」郊外は選ばれにくくなります。郊外部の空室が埋まりにくくなっているのには、こうした事に原因があると思います。

■ 恐れるよりも積極的に対応を

こうした動きがあるからと言って、過度に恐れすぎて何もしない、というのは意味のない行動です。郊外部に物件を所有している人は、環境変化を認識し、より入居者獲得に力を割くしかありません。

また、これから投資物件を購入しようという人は、郊外部であっても賃貸ニーズが見込めるかどうかを入念に確認したうえで、ある程度利回りに余裕を持って物件を購入することが必要になるでしょう。

どこに投資するのであれ、従来より入居者獲得コストがかかることを前提に、収支計画を立てる必要があります。( 都心部への投資でも同様ですが、郊外部では特に重要になります )

入居者の動きが鈍い以上、敷金・礼金といった初期入居コストを下げたり、フリーレントを付けたり、仲介業者への広告料等を予め見込んでおく必要が出てきます。

こういったコストがかかることを前提に収支をシミュレーションしないと、購入した後に、予想外の投資収益となってしまう可能性もあるのです。

多くの投資家は、修繕費や管理会社に支払うコストは見込んでシミュレーションを行いますが、入居者獲得コストまでは計算に入れていないようです。しかし、今後は広告費等の発生を見込んで購入前の収支シミュレーションを行うのが賢明でしょう。

■ 入居者を逃さない事が重要

このように、入居者獲得にコストをかけるようになると、入居者には長く住んでもらうことが重要になります。

例えば、家賃6万円の部屋で、敷金・礼金ゼロ、広告費2カ月分を払って入居者を獲得したとします。すると、この時点で20万円〜30万円の顧客獲得コストがかかっています。

そのような入居者に、入居1年未満で退去され、原状回復費用が掛かったりすれば、収支としてマイナスになりかねません。( 入居半年で退去されれば、家賃収入は30万円。顧客獲得コストで足が出てしまいます! )

そのためには、入居者の満足度を落とさないことが重要です。これについてはあまたの不動産投資本でノウハウが公開されていますが、何か特別な事をする必要はないというのが私の考えです。

それよりも大切なのは、設備故障などのクレームに素早く対応すること。少しでも時間が空けば、やはり入居者にはマイナスの印象を与えます。ただ、これは、多忙なサラリーマン大家にとっては簡単ではないのも事実です。

管理会社との間で、クレームが発生したときはすぐに連絡してもらうことを徹底すると同時に、物件や部屋ごと、設備ごとに、どこの会社に修理を発注するのかを定型化してしまう事。

これを物件購入初期で固めてしまえば、のちのち対処が楽になります。こうした、「 小さな地味なアクション 」の積み重ねが、今後厳しさを増す賃貸経営において、勝ち負けを決める要素になるというのが私の考えです。

忙しいサラリーマン大家の皆さん。心を折らず、地道な作業を粛々と積み重ねていくことで、この賃貸市場の変化を乗り切って行きましょう!


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健美家不動産投資コラム

プロフィール

■ 徳田文彦さん

tokudasan

東京在住

□不動産投資家
□企業向け戦略コンサルティング

■ 経歴

□1974年生まれ

□1999年
慶應義塾大学卒業後、同大学院修了

□2006年
大手広告会社に勤務しながら不動産投資を開始

多忙な合間を縫って効率的な不動産投資方法を追及した結果、エリアを厳選して高い入居率を見込める物件を購入し、 入居者募集や管理業務を徹底して効率化する投資手法に到達する

□2013年
サラリーマンをセミリタイア

□2014年
サラリーマン卒業後は、企業への戦略コンサルティング業務に従事

■ 著書

徳田さん本
5年で引退できるセオリー破りの不動産投資(ぱる出版)

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