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経費を使うなら年内、それとも年明け?年末までにやるべき対策とは

渡邊浩滋さん_画像 渡邊浩滋さん 第111話 著者のプロフィールを見る

2023/12/1 掲載

今年も残りわずかになりました。年が明ければ確定申告がやってきます。
毎年恒例の年内までにやるべき対策を解説します。

節税のために、年内までに経費を使わなきゃと思っている方、
「ちょっと待ってください!」

本当に年内に経費を使った方がよいのでしょうか?

1.経費はいくら使うのがよい?

100万円の経費を使ったら、いくら税金は減るでしょうか?
100万円ではないですよね。

答えは、「人によって違う」です。

所得税は、超過累進税率という仕組みになっています。
超過累進税率とは、所得が大きくなれば大きくなるほど、高い税率で課税される制度です。
ただし、全体に対して、高い税率が課税されるということではなく、一定の金額を超えると、超えた部分にだけ高い税率がかかるというものになります。

図1 超過累進税率の図解

図1 超過累進税率の図解

課税所得が1,000万円の場合、1,000万円に33%の高い税率がかかるわけではなく、900万円を超えた100万円に33%の課税、695万円~900万円までは23%の課税というように上記の黄色部分の合計が所得税額になります。

計算式にすると

①195万円×5%=9.75万円
②(330万円-195万円)×10%= 13.5万円
③(695万円-330万円)×20%= 73万円
④(900万円-695万円)×23%= 47.15万円
⑤(1,000万円-900万円)×33%=33万円

①~⑤の合計した金額176.4万円が課税される所得税になります。

実際には、このような面倒な計算をせずに所得税の速算表にあてはめて計算します。

1,000万円×33%-153.6万円=176.4万円

つまり、課税される所得税は面積で表すことができます(縦を税率、横を所得金額)。
この面積の合計が税金になるのです(図1の黄色部分の合計面積)。
(速算表の計算は、黄色部分を囲う大きな長方形から余白部分を切り抜いて計算しています)

階段上の税率の中で最大でどこのランクの税率がかかっているか(限界税率といいます)を意識することが大事になります。

2.経費を使う節税は、割引にすぎない

自分の限界税率が30%の場合、100万円を経費で使うと、30万円の税金が減ることになります。

経費を使うことによる節税は、「割引」です。
つまり、税率分を割り引いた価格で物を購入できたり、サービスの提供を受けられたりするということです。

しかし、割引になるからといって、その経費が本当に価値のあるものでなければ意味はありません。「100万円するサービスが70万円で購入できる。これはお買い得といえるのか?」という視点で判断するべきなのです。

お買い得かどうかを判断するには、割引率(自分の限界税率)を知らないといけません。自分の割引率(限界税率)が15%なのか、30%なのかによって判断が変わると思います。
本当に必要な経費を見極める冷静な視点を持つことが大切です。

3.年内の経費にすることが正解?

以前のコラムでも書きましたが、経費は高い税率で使うことが一番効果的なのです。
下のランクの税率を削ってしまうと効果が薄まってしまうのです。

図2を見てください。所得税だけでなく、住民税、復興税まで含めた税率ランク表です(階段上の税率構造を縦に並べたもの)。

現在の課税所得が600万円の場合であれば、限界税率は30.42%です。330万から600万円までがこの税率で課税されます。

330万円を下回ると、下回った部分は20.21%で課税されることになります。
節税効果が30%から20%に下がってしまうということです。

それであれば、30%の節税効果の範囲(600万円-330万円=270万円)で経費を使う方がよいことになります。

低い税率の部分で経費を使うのはもったいないのです。

図2 所得税・住民税・復興税の税率ランク表

図2 所得税・住民税・復興税の税率ランク表

そのためにも自分の現状(予測)の所得と税率ランクを知っておくことは大事になります。

下位税率ランクまでの所得を意識して、年内に経費を使うべきか、年明けてから経費を使った方がよいのかを判断することが賢い経費の使い方と言えるのです。

4.年末までにやるべき節税策

年末までにやることで節税になる対策を挙げておきます。
税率ランクを意識してこれらの対策をするべきかを判断して頂ければと思います。

(1)小規模企業共済に加入する

加入者は事業的規模の大家さん(サラリーマン大家さんを除く)か、法人の役員になっている方に限定されますが、掛け金が全額所得控除になります。
年払いも可能ですので、12月に84万円掛金を払って全額所得控除にすることも可能です。

節税しながら貯蓄できる効果があります。
共済金を受け取るときに税金がかかります。
しかし、相続時に相続人が受け取れば、「500万円×相続人の数」分の範囲まで無税で(相続税がかからずに)受け取れるのでおすすめです。

(2)青色事業専従者にボーナスを払う

事業的規模で青色事業専従者に給与を払っている方であれば、ボーナスを払うことができます。
賞与は届出に記載した金額の範囲内に限られますが、月額給与の1~3ヶ月程度の賞与は出せます。

家族内のお金は増えませんが、所得分散による節税の効果があり、家族全体の税金が抑えられます。

私のYouTubeチャンネル「大家さんの知恵袋」でも、「経費」について動画で解説していますので、こちらもあわせてご覧ください。https://youtu.be/MpSMK30U7mQ?si=UPExkwlMqpyug68N

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※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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プロフィール

渡邊浩滋さん

渡邊浩滋さんわたなべこうじ

不動産投資家
Knees bee税理士法人 代表

プロフィールの詳細を見る

経歴
  • □大学在学中に司法書士試験に合格

    □大学卒業後総合商社に入社。法務部にて契約管理、担保管理、債権回収などを担当

    □商社を退職後、税理士試験に合格

    その頃、実家のアパート経営(5棟、全86室)が危機的状況であることが発覚。 経営を立て直すために自ら経営を引き継ぎ、危機的状況から脱出する

    □2011年
    「行動する大家さんの会」を設立

    □資産税専門の税理士法人に勤務した後、2011年12月、独立開業

    □2013年
    「一般社団法人 大家さんの道しるべ」代表理事就任

    □2017年
    日本全国の大家さんを救うべく、フランチャイズ展開を開始(同じ志を持つ仲間を求めている)

    □2022年10月法人化
    税理士の視点と大家の視点からアパート経営を支援するために活動し、税理士・司法書士のワンストップサービスを提供している

    資格専門学校の講師、賃貸住宅フェアでの講演、セミナー講師等、幅広い分野で活躍中

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