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地震大国ニッポン、液状化現象への備えを! 能登半島地震が警鐘を鳴らす

不動産投資全般/災害・防災 ニュース

2024/02/13 配信

今年の元旦に発生した能登半島地震。関東にいた筆者は、初詣を終えてスーパーで買い物をしているときに突如として「ウィーン、ウィーン」と携帯電話が地震を知らせる異様な音を発した。

大きな地震が来るかと身構えたが、その地震は関東ではなく能登を表示していた。能登半島北東部で発生し、震源およそ16㎞で地震の規模を示すマグニチュード7.6、最大震度7である。

入稿用 地震の影響
写真はイメージ

この地震では、阪神・淡路大震災のようにビルが倒壊したり、家屋の1階部分が2階に押しつぶされる光景も見られたが、東日本大震災と同様に津波と液状化現象をもたらした。

地面がゆがんで道路が波を打ったような状況になり、噴砂によってマンホールなど地中の構造物が浮き上がり、電柱が傾いたり沈下したりした。住宅も液状化の影響を受けて傾いたり、沈下したりした。

液状化現象は北陸に広く表れている。地盤調査のジャパンホームシールド(東京都墨田区)では、地震発生後の1月10日に現地入りして被害状況を調べている。それによると、液状化は、石川県、富山県、新潟県と日本海沿岸部などの広いエリアで被害が出ていることがわかった。

同社では、広く液状化が確認されたことについて、地震の規模が大きかったことと、長周期地震動により遠方までエネルギーを失わずに震動が伝わったことが理由だとみている。

新潟市中央区岸町では、信濃川の旧河道で液状化による被害が多数出たという。このエリアは、1964年の新潟地震のときにも液状化現象が起きて団地などの建物が傾き倒れるなどの大きな被害が出たことで有名ところだ。再液状化を受けて同社では、液状化は一度だけでなく、発生する条件さえ合えば何度でも発生する可能性があることが確認できたとする。

盛土や切土の人工地盤で発生しやすい

その条件とは何か。緩い砂地盤と浅い地下水位、そして長く強い地震動という条件がそろえば液状化が発生するという。もう少し具体的には、①緩い砂が堆積(N値20以下、粒径0.1㎜程度)、②浅い地下水位(地表から3m以浅)、③長い周期の地震動(およそ2秒周期)、④強い地震動(震度5弱以上)――である。

発生メカニズムとしては、通常時の地盤は土の粒子が結合して支え合い、その隙間に水が含まれているが、地震によって土の粒子の結合がなくなって水に浮いた状態となることで地盤の沈下や亀裂が発生する。石川・灘町で採取した噴砂を分析したところ、粒径が極めて均一だったことで液状化しやすかったとしている。

このほか、盛土や切土による人工地盤で発生しやすい。国土交通省がホームページで公表している液状化マップでは、液状化の履歴や地形区分などの情報に基づき発生傾向の目安として表示するが、被害情報とは必ずしも一致しない。

同社では「液状化マップは人工地盤を全て表現していないので注意が必要。地域ごとに液状化マップの高度化の普及が望まれる」としている。

また、今回の地震では、傾斜地などで液状化現象が発生すると、表層地盤が下流方向に流動して地上の家屋やビル、地下埋設物が押し流される現象も見られた。これを「側方流動」と呼び、地割れや陥没、隆起など地表部分を変化させる。石川県かほく市大崎南の新興住宅地で地割れが確認されている。

土地の歴史を知り危険度チェックも

今後の備えとしては、精度が完璧ではないとはいえ、まずは液状化マップや液状化履歴などで液状化が発生しやすいかどうかの可能性を知っておくことと、地形や人工改変を確認することが重要になる。そのうえで、液状化を抑止する工事として地盤改良を検討したり、地盤保証などの保険で備えることも一考だ。

地盤改良工事は、薬剤を注入して地盤を固めたり、地下水を下げるなどさまざまな方法がある。そのコストは、土の性質や建物の規模(敷地面積)、改良方法により異なってくるものの、東京の場合、20坪前後の狭い土地でも200万~300万円は必要とみられ、個人の出費としては大きい。

このことから、行政が地域全体を把握して対応していくことが今後求められそうだ。個々で行う地盤改良工事の費用を助成金などで補助するなどだ。また、更地にマンションやアパートを建てることを検討している地主やデベロッパーなどの事業者は、液状化を意識した開発計画を提示する必要が求められる。

健美家編集部(協力:若松信利(わかまつのぶとし))

■ 主な経歴

学生時代から不動産に興味を持ち個人的に不動産関連の記事を多数執筆。大学卒業後、不動産関係情報誌に20年以上勤務。現在は都内のIT会社に勤め、副業でいくつか投資関連の記事を担当・執筆する40代サラリーマン。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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