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2024年度の自治体の耐震改修補助を要チェック!2000年以降築の木造住宅へ補助拡大も

政策(不動産投資関連)/助成金・補助金 ニュース

2024/03/19 配信

地震では、家屋の損傷が懸念される
地震では、家屋の損傷が懸念される


古い物件なら、1981年以前の建築確認かをまず調べよう

能登半島地震が1月1日に起きてから3カ月近くがたった。今なお多くの人が避難を余儀なくされ、不便な暮らしを強いられている。1日も早い復興が望まれる。

深刻なのは、住宅の被害が甚大なことだ。石川県によると、3月8日現在、同県の全壊・半壊・一部破損などの住宅被害は約8万棟。

そして、不動産投資家が気になるのは、自分の運営する賃貸物件が、実際に地震にあったときどんな被害にあうかではないだろうか。

そこで利用したいのが、多くの自治体が提供している耐震改修の補助制度だ。まもなく2024年度の各自治体の補助制度の内容が明らかになるが、2000年以降に建てられた木造住宅まで補助対象を拡大するところもあり、要チェックだ。

石川県によると、3月8日現在、同県の住宅被害は7万9704棟。このうち、全壊は322棟、半壊は883棟、一部破壊は4956棟。さらに、床上浸水が6棟、床下浸水が5棟となる。最大震度7を記録した今回の地震のすさまじさがよく分かる。

なお、死者は241人、重傷者は312人、軽傷者は876人だ。

地震列島・日本で賃貸物件を運営しているかぎり、どの場所であれ、いつ地震の被害に見舞われてもおかしくない。そこで、普段から備えておける対策をみていきたい。

まず、物件がいつ建てられたかを調べよう。1981年より以前に建てられたものなら、すぐ耐震診断を受けることが必要だ。というのも、この年の6月1日に「新耐震基準」が導入されたからだ。

耐震基準とは、建築基準法などで定められた、建物がどれくらいの大きさの地震まで耐えられるかの基準。

そして、新耐震基準は、震度6強~7程度の地震があっても倒壊しないという強さとなっている。1981年6月以降に建てられた建物は、基本的にこの基準を満たすようにつくられている。

一方、1981年6月より前で1950年以降に建てられた家屋は、「旧耐震基準」を満たす形でつくられている。これは、震度5程度までなら倒壊せず修復できる、という強さだ。

このため、まずは自分の物件がいつ建てられたかを調べよう。このさい、竣工(完成)した日付でなく、建築確認を受けた日付を調べることが重要だ。

確認と竣工の日付は、タイムラグがあることが多い。たとえば、1981年7月に竣工した建物でも、建築確認を受けた日が同2月であれば、新耐震基準を満たしていない可能性がある。

旧基準の物件はすぐ耐震診断を 新基準でも2000年以前なら推奨

そして、旧耐震基準の物件である建物であるなら、すぐに耐震診断をしてもらおう。

さらに、1981年6月以降に建てられたものでも、2000年以前のものなら、やはり耐震診断をしてもらったほうがベターだ。2000年には、さらに新しい「新・新耐震基準」が導入された。

木造家屋は、いつ建築確認を受けたかを要チェック
木造家屋は、いつ建築確認を受けたかを要チェック

これは木造建物を対象としたもので、地盤調査の規定を充実し、地盤の耐力に応じた基礎構造とすることを求めたほか、耐震壁の配置バランスの規定などを示した。つまり、新耐震基準を、より徹底した基準としたのだ。

この新・新耐震基準より前に建てられた物件なら、念のため耐震診断をしてもらったほうが安心だ。

診断の結果、危険となれば耐震改修などをおこなう流れとなるが、いかんせん、かなり多額の費用がかかる。

そこで賢く利用したいのが、自治体による助成制度だ。かなり多くの自治体が助成制度を用意しているので、物件のある自治体のHPをチェックしてみよう。

ただし、ちょうど年度末のタイミングで、2023年度の制度の申請を締め切ったばかりのところが多いので要注意。まもなく24年度の受付が始まるので、しっかりチェックしておきたい。

2024年度は東京の12区が2000年以前も助成するとの報道も

たとえば、東京都国分寺市の2023年度の助成制度を見てみよう。

対象は「1981 年5月以前に建築された市内の木造住宅(アパート含む)」または「1981 年6月から2000 年 5 月までに在来軸組工法により建築された市内の木造住宅(3階建て以上や枠組壁工法(2×4工法)などは除く)」となっている。

国分寺市が登録した耐震診断士による無料の耐震診断を受け、耐震性に欠けると判断されたとき、耐震改修や除却(取壊し)工事費用の一部助成を受けることができる。

ただし、1981年6月以降に建築された住宅は耐震改修のみが対象だ。

さらに細かくみると、耐震改修(耐震性向上)の助成率は工事費用の10分の8、限度額は100万円。除却(取り壊しのみ)は助成率が工事費用の3分の1、限度額が70万円。建て替えにともなう除却は助成率が、建替え工事のうち除却工事費用の10分の8、限度額が70万円となっている。

2024年度の耐震改修の助成を拡大する自治体も
2024年度の耐震改修の助成を拡大する自治体も

これらの助成を受ける上でもいろいろな条件があるので、しっかりチェックしたい。そして、前述した通り、2023年度の申し込みは終わっているところが多く、国分寺市の場合も今年1月31日が締め切りだったので、すでに申し込めなくなっている。まもなく2024年度の助成制度の内容が公表されるはずだ。

国分寺市の場合、新耐震基準が導入された1981年以前のみならず、新・新耐震基準が導入された2000年以前の物件も助成の対象としており、範囲が広いといえる。1981年以前の物件のみを対象としている自治体も多いからだ。

そんな中、2月には、東京23区のうち文京、台東、目黒、世田谷など12区で24年度から、2000年以前の新耐震基準で建てられた木造住宅も耐震診断や改修の費用を助成する方針であると報道された。

能登半島地震を受け、助成の対象を広げる自治体は全国で増えていく可能性がある。自身の持つ木造物件が立地する自治体の助成制度がどうなっていくのか、アンテナを張ってしっかりチェックしていきたい。

取材・文:小田切隆(おだぎりたかし)

■ 主な経歴

経済ジャーナリスト。
長年、政府機関や中央省庁、民間企業など、幅広い分野で取材に携わる。

■ 主な執筆・連載

  • 「経済界」(株式会社経済界)
    「月刊経理ウーマン」(研修出版)
    「近代セールス」(近代セールス社)
    ニュースサイト「マネー現代」(講談社)など

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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