
「本通商店街」を挟んで南北に
2棟の高層ビルが登場予定
広島市民に「本通り」という名称で親しまれている「広島本通商店街」。本通り1丁目〜5丁目まで東西に約577m続くショッピングストリートとなっており、ファッション関連の店舗や飲食店、カフェなどが立ち並ぶさまは圧巻。1日平均約10万人の人が訪れ、大いに賑わっている。
現在、この「本通商店街」の玄関口に位置する約1.5haの土地で、再開発が進行中だ。
名称は「本通3丁目地区市街地再開発」。開発地は広島県広島市中区本通6番地(地番)で、広島電鉄「本通駅」より徒歩1分、アストラムライン「本通駅」から徒歩1分の場所である。

2021年4月に「本通3丁目地区市街地再開発準備組合」が設立された際、事業者である野村不動産が発表したリリースによると、開発地は「本通商店街」「三越」「そごう」「福屋」等の商業施設、相生通り及び鯉城通り沿いの各種金融機関、大手企業中心のオフィス、平和記念公園や原爆ドームや広島城等の平和、文化施設への結節機能を有するエリア。
「本通商店街」の入口である計画地は今時点では市内有数の賑わいエリアとして機能しているが、人口減少や少子高齢化の影響、建物の老朽化といった課題も抱えていたという。
同再開発では「本通商店街」を挟んで南北に2棟の高層ビルを建設することが検討されており、高層階はオフィスやホテル、マンション、低層部はデッキで商店街の南北を繋ぎ、商業施設や広場機能をもたせる計画だ。
ちなみに、開発地のすぐそば、中区紙屋町では商業ビル「サンモール」を中心とした一帯の再開発が進んでおり、大和ハウス工業、三菱地所レジデンス、フジタの3社の連合体を事業協力者として、商業施設とマンションのほか、ホテル、オフィス、駐車場などを組み込んだ高層ビルの建築計画が進んでいる。
こちらは24年度に完成予定だったが、現在後ろ倒しとなっており、完成時期は未定だ。

再開発の検討区域が拡大
オフィスビルなどの区画も追加
そして、「本通3丁目地区市街地再開発準備組合」は2022年12月。この高層ビルの建築に加え、さらに検討区域に三井住友銀行広島支店が入るオフィスビルなどの区画も加えると発表した。
中国新聞によると、新たに加わるのは路面電車の通る鯉城通り、本通交差点とひろぎんホールディングス本社ビルの間にある約0・04haの土地。
1973年に開業した地上12階、地下2階のビルと通路があり、保険代理店業の銀泉が所有する。準備組合によると、銀泉から参加の要請があり、臨時総会で編入を決めたとのこと。
広島の街の賑わいの中心でもある「本通商店街」の再開発の規模がさらに拡大したということで、街の活性化にも期待がかかっている。およそ10年後となる完成が楽しみだ。
健美家編集部(協力:
(さいとうかずみ))