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賃貸収入約2億4000万円減少も!当別町「北海道医療大学」移転で賃貸経営者は困惑

都市計画・再開発(地域情報)/札幌/北海道 ニュース

2024/01/05 配信

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北海道石狩郡当別町で約50年の歴史を刻んできた「北海道医療大学」が北広島市への移転を決定。当別町には激震が走っている(北海道医療大学ホームページより)

2028年4月、全学部と歯科クリニックが北広島市に移転

当別町で半世紀近い歴史を刻んできた「北海道医療大学」が、北広島市への移転を決めた。その移転先となるのが、2023年3月に開業したばかりの北海道日本ハムファイターズの本拠地、北海道ボールパークFビレッジ(所在地:北海道北広島市、以下「Fビレッジ」)だ。

同大学は新キャンパスを含む周辺地域のまちづくりを官民学で連携しながらすすめていくとして、2023年10月10日に北広島市、株式会社ファイターズスポーツ&エンターテイメントと三者間で基本合意を締結。2028年4月の新キャンパス開設を目指すとしている。

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©H.N.F.作成の新キャンパスイメージ図(北海道医療大学ホームページより)
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札幌から電車で約50分の場所にある当別町

移転するのは同大学全学部と当別町内にある歯科クリニック、札幌市北区の大学病院で、移転先は現在Fビレッジの駐車場として使用されている約17,700㎡の土地。

現在JR北海道が計画を推し進めている「新駅」からも近い利便性の高い場所だ。

整備費用は約420億円。当別町には一部の研究施設と薬用植物園、グラウンドが残るという。

今回の騒ぎの発端は、2023年9月22日に同大学が突然移転を発表したことにある。事前に相談がなかったこともあり、当別町にとってはまさに不意打ちだった。

「北海道医療大学」の学生数は約3,400名(2023年5月時点)。総人口が約1.5万人の当別町において、学生が占める割合は2割を超える。

当別町には今年8月にロイズカカオ&チョコレートタウンがオープンしたが、ほかには目立った施設もなく、今回のキャンパス移転は町の存続にかかわる大きな痛手だ。

大半が学生相手。急な決定に賃貸経営者も困惑

この発表を受けて、当別町の後藤正洋町長をはじめ、関係者および10団体は9月26日、連名で北海道医療大学の移転報道に対する要望書を学校側に提出。

その後、9月28日に同大学の理事長である学校法人東日本学園  鈴木英二理事長が当別町役場を訪問。後藤町長と町内各団体の代表者らに大学の移転方針が伝えられた。

大学側はこの場で、移転の内容に加えて既存の土地・建物を他者へ売却する場合には、事前に当別町へ知らせること、今後、大学と当別町の協議の場を設けること、移転後も当別町が文化的損失を生じないように対応することなどを伝えている。

しかし、今回の移転問題には双方の生き残りがかかっているだけに、折り合いをつけるのは簡単なことではなさそうだ。

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学校法人東日本学園 鈴木英二理事長らと当別町長後藤正洋氏・町内各団体の代表者との話し合いの様子(当別町ホームページより)
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北広島市の新しいアイコン「北海道ボールパークFビレッジ」内に誕生した新球場「ES CON FIELD」

当然ながら、当別町の賃貸経営者の間にも激震が走っている。「当別アパート組合」が組合員を対象に行ったアンケート調査では、今回のキャンパス移転により予想される影響額で最も多かったのが、101万円~500万円という回答だった。

全体をトータルすると、年間家賃収入が約2億4000万円減少する見込みだという。

少子化が進み、大学入学志願者が減る昨今。生き残りをかけたキャンパス移転や統廃合の動きは全国で加速化していく可能性がある。賃貸経営者にとっては、今後も注視しなければならないテーマといえそうだ。

健美家編集部(協力:斎藤一美(さいとうかずみ))

斎藤一美

■ 主な経歴

ファイナンシャル・プランナー(AFP)。
大手情報誌出版社にて金融情報誌のデスク業務やWEBメディアの立ち上げ・運営・メンバー育成業務などに携わった後、2007年にフリーの編集者・ライターとして独立。
現在は金融・不動産・保険分野を中心に、雑誌やWEBメディア、社内報などで執筆・編集を行うほか、金融初心者をターゲットとしたメディアアドバイス業務なども行っている。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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