「万博記念公園」駅前のアリーナ開業は
当初の予定から後倒しの2029年1月を目指す
大阪府は2023年7月、「大規模アリーナを中核とした大阪・関西を代表する新たなスポーツ・文化の拠点」を実現するため、吹田市にある万博記念公園の活性化を図る「万博記念公園駅前周辺地区活性化事業」の事業者として、三菱商事都市開発株式会社、アンシュッツ・エンターテイメント・グループ(AEG)、関電不動産開発株式会社で構成する企業グループと基本協定書を締結した。
「万博記念公園駅前周辺地区活性化事業」は2019年9月、万博記念公園に15,000人以上収容できるアリーナを整備する計画を発表。計画地は、大阪モノレール「万博記念公園」駅前で、2020年2月に閉館した「ホテル阪急エキスポパーク」の跡地。そこに、西日本最大級のアリーナ施設をメインに建設するというものだ。
2021年の段階では2027年秋に開業する予定だったが、パンデミックなどの影響もあってスケジュールが見直され、現状では2029年1月の開業を目指している。
米大手の娯楽産業企業の参画で
主要な国際スポーツ大会の誘致も可能?
「万博記念公園」駅前に建設予定の新アリーナは、最大収容人数18,000人、固定座席数13,400席を予定。これは大阪城ホールを上回るスケールで、国内最大の埼玉スーパーアリーナに次ぐキャパシティを誇る多目的アリーナになる。
企業グループの1社として参画するAEGは、アメリカ・プロバスケットボールリーグNBAのロサンゼルス・レイカーズなどを所有する、世界有数のスポーツ・音楽興行企業。
そのノウハウやネットワークを活かし、NBA(北米プロバスケットボール)の公式戦やプロテニスWTAツアー、世界フィギュアスケート選手権など、主要な国際スポーツ大会の誘致も交渉可能だという。
この新アリーナをはじめ、第1期の工事では「万博記念公園」駅前の「ホテル阪急エキスポパーク」跡地に商業・カジュアルホテル、住宅展示場跡地に共同住宅を建設予定。第2期~第4期の工事でも順次、フルサービスホテルやオフィスビル、商業棟や共同住宅が整備されていく予定だ。
アリーナの開業、モノレールの延伸で
今後も楽しみな「万博記念公園」駅周辺
2019年の新アリーナの開業に足並みを揃えるかのように、「万博記念公園」駅を通る大阪モノレールは2029年開業を目標に、「門真市」駅から南への延伸を予定している。
それに伴い、「松生町」駅、「門真南」駅、「鴻池新田」駅、「荒本」駅、「瓜生堂」駅の5駅が新規開業し、OsakaMetro長堀鶴見緑地線、JR片町線(学研都市線)、近鉄けいはんな線、近鉄奈良線の4路線と結節する。
この大阪モノレールの延伸プロジェクトが実現すれば、兵庫県伊丹市「大阪空港」駅や大阪府茨木市「彩都西」駅から、東大阪市「瓜生堂」駅までをつなぐことになる。
2015年に開業した日本最大級の複合施設「エキスポシティ」、サッカー専用スタジアム「パナソニックスタジアム吹田」を皮切りに、にぎわいが増した「万博記念公園」駅周辺。新アリーナの開業、大阪モノレールの延伸が実現すれば、さらなるエリアの盛り上がりが期待できるだろう。
健美家編集部