当事業の優先交渉権者が決定
2023年12月下旬、新築のマンションや戸建の分譲、市街地の再開発事業などを行う株式会社フージャースコーポレーションを代表とする企業グループが、大阪府堺市中区の「水賀池公園整備事業」の優先交渉権者に決定した。
この事業は、堺市中区唯一の駅である泉北高速鉄道「深井」駅の周辺エリアの活性化を目的として実施。公募設置管理制度(Park-PFI)を活用した都市公園事業、そして市有地活用事業で構成される。
フージャースコーポレーションが市有地活用業務を、株式会社フージャースリビングサービスが統括管理業務や分譲マンション維持管理業務を担当。また、市有地活用にはイオンタウン株式会社、大阪ガス都市開発株式会社、南海不動産株式会社、分譲マンション維持管理には南海ビルサービス株式会社が参画する。
スポーツ・商業施設などを整備へ
水賀池公園は、泉北高速鉄道「深井」駅から東へ約170mの場所。昭和60年に開設された地区公園で、ランニングやウォーキング、四季折々の花木などが楽しめる。
計画地の土地面積は、公園エリアが約4.2ha、民間活用エリアが約2.3ha、敷地面積は約65,000㎡。公園エリアにカフェやスポーツ施設などを設置するほか、市有地活用として商業施設や分譲マンションを整備する予定だ。開業は、2027年3月予定となっている。
公園エリアには、カフェやスポーツ施設などの公募対象公園施設(収益施設)を設けることで、公園の魅力向上や機能強化を図ることが目的だ。そのほか、芝生広場や多目的広場、複合遊具広場や親水施設などの整備も計画されている。
市有地活用事業では民間活用エリアに、公園と一体的に機能しにぎわいや交流を生み出す商業施設、さらに15階建ての分譲マンションを整備。2階建て、延床面積約11,000㎡の商業施設には、スーパーマーケットやドラッグストア、飲食店など、日常の暮らしに欠かせないテナントを想定している。
中区の魅力を取り戻す事業に
泉北高速鉄道が開業した1971年以来、都市機能の集積が進み、地域拠点としての機能が充実してきた「深井」駅の周辺エリア。しかし、人口減少や高齢化、人々のライフスタイルや価値観の変化など、近年は社会情勢がめまぐるしく移り変わることで、地域の魅力は徐々に低下し地域の活性化は大きな課題になっていた。
そんな状況を打破すべく、堺市中区の多様な地域資源の活用と、「深井」駅に近接する水賀池公園の土地利用転換による利活用を柱とし、「深井」駅周辺地域活性化の第一歩として動き出した「水賀池公園整備事業」。その意味でも、多様な世代が集い交流する中区の新たなシンボルになり得る水賀池公園の整備には大きな期待が寄せられている。
健美家編集部